上鳴子と鹿島台鈴掛 市営住宅 建替え本格化 解体・造成など4.2億円(大崎市)
[2016/4/8 宮城版]
大崎市は老朽化の著しい市営上鳴子住宅(鳴子温泉上鳴子)と鹿島台鈴掛住宅(鹿島台木間塚)の建て替えに向けて、28年度事業で既存施設の解体と造成工事を計画。新年度予算で住宅整備事業として施設整備工事に2億9954万円、施設解体工事に1億0339万円、住宅改修工事に663万円の計4億2684万円を計上している。
上鳴子住宅は昭和45年竣工。建設から45年が経過し、安全面の確保が必要となっているほか、維持管理費が高騰している状態だ。市は住環境の整備と管理コスト縮減を図るため、上鳴子住宅の移転建て替えを進めている。
新住宅の建設場所は、旧鳴子中学校跡地の約1万4574平方m。27年度には同敷地内の体育館(S造平屋809平方m)、渡り廊下(S造2階建て延べ約59平方m)、倉庫(木造平屋約88平方m)などの解体が完了している。
28年度は旧鳴子中学校校舎(RC造3階建て延べ3329平方m)の解体と敷地造成を計画。解体工事については、早ければ第1四半期中の発注を目指し、造成工事の発注時期は現段階で未定となっている。
住宅建設の設計業務は昴設計(仙台市青葉区)に委託している。設計は6月ごろまでにまとまる見通し。
設計発注の段階では整備戸数は66戸(1DKタイプ20戸、2DKタイプ34戸、3DKタイプ12戸)で計画。付帯設備として100平方m程度のコミュニティスペース、1戸あたり1.5~1.7台の駐車スペース、物置や駐輪スペース、ごみステーション1カ所以上の配置を予定している。
住宅建設は29年度から2カ年で計画し、30年度中の供用開始を目指している。概算事業費は設計発注当初、22億9000万円(税込)を見込んでいたが、当初よりも縮小傾向となる見通しだ。
鹿島台鈴掛住宅では既存住宅を4棟を解体し、新住宅の建設用地3600平方mを確保するほか、住宅内道路約110m区間で幅員を6mに拡幅する道路改良工事や駐車場830平方mの整備を計画している。解体工事の発注時期などは現段階で未定となっている。
マンションの建設は29年度から2カ年で計画し、30年度中の供用開始を目指している。構造・規模はRC造5階建て延べ2606平方m。実施設計は楠山設計(仙台市青葉区)が担当した。
同住宅は昭和37年から41年にかけて整備された27棟で構成される市営住宅。これまで南側の15棟と集会所1棟を解体し、長屋型や戸建て型を合わせて14棟45戸の災害公営住宅を整備した。27年度からは、災害公営住宅整備を優先したために遅れていた北側の住宅建て替えに着手している。