5者の施設整備 内定 補助額は計40億円 水産加工業を支援(石巻市)
[2016/4/15 宮城版]
石巻市は、第2回目の市水産加工業再生支援事業で、申請があった18者の事業計画を審査し、5者を採択予定者に内定した。選定されたのは、盛信冷凍庫、マルダイ長沼商店、ミノリフーズ、ヤマナカ、米貞商店。いずれも市内に本社を置く事業者で、新たな水産加工場を建てる。市は対象事業費の8分の7以内を補助する。5者への補助額は計40億円程度になるようだ。
採択予定となった事業者のうち、米貞商店は、川口町1丁目の本社に隣接する駐車場を取り壊し、跡地に2階建ての水産加工場を建てる。1階は作業場で、2階が従業員の休憩所などになる見込み。5~6月に建設事業者の選定に向けた入札手続きを進めるという。
現在は設計をまとめている段階。新しい加工場は、既存施設と同程度になるもよう。完成は29年4月ごろになる見通し。同社はサケやタラなどの加工品を扱っているが、既存施設に拡張するスペースがないため、新たな加工場を建てて生産量の増加や新商品の開発に取り組む。
マルダイ長沼商店は、本社がある給分浜地区に2階建ての新しい加工場を建て、1階を作業場、2階を事務所に使う。主にカキの加工品を扱い、売上の増加を目指す。
羽黒町2丁目に事務所を置くミノリフーズは、魚町に水産加工場があり、鮮魚や一次加工品などを扱っている。魚町で加工場の拡張が見込まれる。
流留地区に本社工場を置くヤマナカは、ホヤやホタテ、カキなどの水産加工品製造と食料品輸出入業を手掛けている。同社のホームページによると、昨年10月に北海道茅部郡森町に冷凍食品加工工場を新設したばかり。
市の水産加工業再生支援事業は、市内で建築確認済証の交付が受けられる場所に水産加工施設を建てることなどが補助の条件。補助対象事業費の上限は税抜8億円。工事費や実施設計費、工事雑費などを補助する。
民間団体の場合、事業開始から5年後までに、商品の原材料となる水産物について、仕入れ金額の50%以上を同市などの被災地から安定的に調達することや、石巻産の養殖物を中心とする前浜物水産物について、仕入れ金額の20%以上を安定的に調達することが求められる。