清水・阿部JVで起工 東北医科薬科大の新キャンパス 病院増築棟は年度末に発注

[2016/4/16 ]
 東北医科薬科大学(高柳元明理事長)の「医学部教育研究棟新築工事安全祈願祭」が15日、既設病院の隣接地で開催された。研究棟は2棟で、清水建設東北支社(仙台市青葉区、竹浪浩支店長)・阿部建設(同・大槻秀樹代表取締役)の施工で近く着工する。大学は今後、病床数660床を確保するため、28年度末に病院増築棟の建設工事を別途発注する。

 同大学は、東北地方の医師不足を解消するため、ことし4月医学部を開設。1期生100人が入学した。地域医療と災害時医療のカリキュラムを充実させるため、新教育棟2棟と病院増築棟を新設する。総事業費は約240億円。新教育棟の完成までは小松島キャンパスを使用する。

 安全祈願祭は、清水・阿部JVが、建設地の仙台市宮城野区福室で開き、高柳元明理事長や、設計者の日建設計平石譲取締役常務、清水・阿部JVら関係者約50人が出席した。神事を執り行い、工期内の完成と工事の安全を祈願した。

 新キャンパス棟は、いずれも耐震構造S造で、第1教育棟が地上7階建て一部3階建て延べ約1万5000平方m、第2教育棟は地上2階建て延べ2302平方m。口の字型に配置して中庭空間を設けた。設計は岩手医科大学など実績がある日建設計(本社・東京都千代田区)がまとめた。

 先行着工の第2教育棟は、29年2月28日の竣工、同年4月に解剖学実習室などの使用を開始する。第1研究棟は、1~3階は共同スペースとして食堂や図書館、300人収容のホール、4階以上に実験棟を配置。今後着工する病院増築棟や既設病院とは3階フロアで結ぶ設計にした。

 病院増築棟の建設は、医学部の設置要件として病床数660床を確保するため、既設病院の南側に新設する。日建設計で基本設計に着手し、29年3月の工事請負契約を目安に28年度中に建設工事を発注する見通し。

■清水・阿部JVの阿部正弘作業所長の話

 「県内、東北地方の医療充実の一端を担う気持ちで清水建設・阿部建設JVの総合力を結集する。最新の建築技術を取り入れ、工期内に完成させる」

■日建設計の岩﨑克也設計部長の話

 「将来的に実践の場と学習の場が一体となるよう、中庭やアプローチ、教室などを工夫して配置した。外壁の色は小松島キャンパスのテラコッタの色を生かし、一体感が出るようにしている」

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