風見発電所を全面改築 基本設計を前倒し 設備製作30年度の着工目指す(県企業局)

[2016/7/29 栃木版]
 県企業局は、風見発電所(塩谷町)の全面改築を前倒しし、今年度から基本設計に着手した。国が電気料金の固定価格買取制度を改正、29年9月までに具体的な事業計画を提出する必要からで、同局電気課によると30年度にも施設更新に伴う設備製作工事を発注していく方針を示している。更新対象は運転開始後約50年が経過した老朽化の著しい発電専用施設とし、格納する建屋は基本設計で耐震性が確保されているか確認し対応を決めていくとした。基本設計は北電技術コンサルタント(富山県富山市)が担当している。

 風見発電所は、国営鬼怒川中部農業水利事業の一環として建設された農業用水路の水量と遊休落差を有効利用したもので、昭和39年4月に運転を開始した。

 発電は一級河川鬼怒川と同大谷川合流地点下流に設けた佐貫頭首工から、最大毎秒42.0立方mを取水。約5.7kmの開渠とトンネル水路で導水し、同発電所では約30mの落差を利用して最大出力1万0200kWの運転を行っている。発電に使用した水は、分水工で市の堀幹線(最大毎秒23.449立方m)と逆木幹線(同16.674立方m)に分配され、農業用水に利用されている。

 更新対象の発電専用施設は、水車、発電機、変圧器、水圧鉄管、放水庭など。このうち建屋に内包されている水車・ケーシング・ドラフト・発電機・配電盤開閉装置・発電用諸機械・クレーンなどの更新を計画、TC盤や逆木放流工テレメータ盤などは現行の設備を活用する見通し。建屋の構造と規模は、RC造延べ268.25平方m。このほか、水の取り入れ口のスクリーンを除く除塵機、水圧鉄管と上水槽制水ゲート、放水庭制水ゲートなどの更新を予定している。

 施設更新後も発電に利用する水量は変わらないため、現状の出力を維持する方向性を示しているものの、設備改善による出力アップも検討材料とした。現在の水車は立軸渦巻きカプラン型で最大出力が1万0800kW、発電機は三相同期立軸回転界磁型とし容量が1万1500kVA、変圧器は屋外用三相油入自冷式窒素封入型で容量は1万1500kVA、水圧鉄管の長さが57.236mで上部内径が4.0m(厚さ9mm)・下部内径は3.6m(同12mm)、放水庭は12m規模。

 28年度を初年度とする企業局の経営戦略によると、風見発電所の全面改築に伴う基本設計を29年度、実施設計は30年度、31年度から設備製作と現地工事に入り、35年4月の運転再開を予定していた。基本設計が1年早まったことで、工事着手時期も1年早めることができるとしている。

 固定価格買取制度による現在の1時間当たり1kWの売電価格は8円21銭。国の再生可能エネルギーへの転換促進により、運転再開後風見発電所は1kW当たり24円で売電が可能になるという。同局では再生可能エネルギー施策など条件が合致し、老朽化している風見発電所の改築を計画。改築費用は運転再開後の売電の差額により償還を見込んでいる。

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