余裕ある工期、平準化を 関東地整と意見交換(千葉県建設業協会)

[2016/7/29 千葉版]
 千葉県建設業協会(畔蒜毅会長)と、国土交通省関東地方整備局(大西亘局長)に千葉県、千葉市も参加しての意見交換会が28日、千葉市中央区のオークラ千葉ホテルで開かれた。協会側から三役や各支部長らを中心に約25人、官側も整備局からの22人を含む30人余が出席する中、前倒し発注や補正予算確保にとどまらず、将来の担い手確保へ余裕のある工期設定など、待ったなしの現状に即した具体的な要望と、これに対する回答で活発に意見が交わされた。

 意見交換に当たってのあいさつで畔蒜会長は、「地方経済の活性化には地域で発注される公共事業が不可欠」という考えの下、補正予算だけでなく来年度の当初予算でも今年度以上の公共事業予算が確保できるよう要望していく方針を示すとともに、まだまだ不十分な安全・安心の国土づくりに向けて用意したさまざまな提案について「踏み込んだ意見を伺いたい」と期待を込めた。

 大西局長もあいさつで、先の九州・熊本地震での地域建設業の活躍を称え、これらのPRが必要だとした上で「地域建設業は地域のインフラの一つ」だと述べ、担い手三法の改正に伴い「整備局としても自治体や建設業団体と相互に緊密な連携をとりながら取り組みを進めていく」とした。

 一方で大西局長は「いくら生産性の向上を図っても、建設産業持続のためには新しい若手技術者を確保していくことが重要」だとし、そのためには広報活動などでなく、「もっとシンプルに、普通に休みが取れ、安全な職場でなければいけないと思う」と語り、発注者として取り組みを強化していく意思を示した。

 本県県土整備部の野田勝部長もまた、自身が広島赴任時に発生した大規模土砂災害で、地域建設業が復旧に努力していた姿を振り返るなどしながら、県土の強靭化や生産性向上に向け、県としても様々な機会を生かしての情報交換などを通じて建設業をバックアップしていきたいとの旨を示していた。

 議事ではまず、関東地方整備局側が入札・契約および総合評価の実施方針などについて説明。続けて県建設業協会からはその活動状況について報告し、昨年9月の鬼怒川堤防決壊の際の大型土のう袋提供など災害への協力・対応だけでなく、本県との家畜伝染病発生時の防疫協定締結など、地域建設業の経営基盤強化のみならず、地域の安全・安心の守り手としての役割を果たしていることなどに理解を求めた。

 この後、昨年度の意見要望に対する関東地方整備局の対応状況について報告があり、いずれも継続中または新規着手予定であることが説明されたのに続き、意見交換では▽公共事業予算▽担い手確保と人材育成▽地域と生きる建設業の周知▽市町村への改正品確法運用指針の徹底──をテーマに要望が投げかけられた。

 このうち担い手確保に向けては具体的に、若者が入職しやすい職場環境の整備に向けて、適正な工期設定および施工時期の平準化、完全週休2日制、適正な利潤確保に向けた予定価格の適正な設定、代理人の常駐義務緩和拡大と提出書類の簡素化などが要望され、これに対し、工期の「余裕期間制度」や、週休2日制確保モデル工事が昨年度に18件試行されたことなどが説明されるなどした。

 会の最後には畔蒜会長が、観光立県を目指す本県として、環境美化に向けた道路の維持修繕費に一層の予算配分が必要だとの考えを述べれば、野田部長がそのような考えを各所で訴えていけば、美観維持にそれだけの予算が必要なんだということに多くの人が気付くだろうという見解を示す場面もあった。

 この意見交換会は、業界と国・地方が一体となり、県内建設事業者の受注機会の確保や入札・契約手続きおよび入札での地域要件や総合評価方式などのあり方、現場管理や工種・工程の各段階での問題など、受発注者双方が抱える諸問題の改善に向けて意見交換することを狙いに、例年関東地方整備局が管内各都県を巡回しながら開催している。

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