西の原用水を本格修繕 被災復旧し全体計画 31年度まで、事業費3.5億(県塩谷南那須農振)

[2016/8/5 栃木版]
 県は那珂川町と那須烏山市などを受益地とする西の原用水の本格的な修繕工事に着手する。今年度は22年度から27年度までに2回に分けて実施していた機能診断や保全計画の取りまとめを行うほか、昨年9月の豪雨被害により隧道区間60mに崩落箇所が発見され、復旧のための設計と工事費を予算化した。県塩谷南那須農業振興事務所によると、設計を9月、水路の復旧工事は11月をめどに発注する見通しを示している。修繕に伴う全体事業費に3億5000万円を試算しており、事業期間には31年度までを見込んだ。

 全体計画の取りまとめは、農業水利施設保全合理化事業を充当。すでに宇都宮測量(宇都宮市)に業務を委託している。隧道の復旧工事については、基幹水利施設ストックマネジメント事業を充当し、今年度は実施設計費500万円、水路工事費には4130万円を配分した。

 全体事業費3億5000万円の内訳は、測量試験費5000万円のほか、工事費等として頭首工1億4000万円、隧道7000万円、附帯工3000万円、幹線水路6000万円。

 工事は保全計画で改築や修繕などが必要とされた各施設の健全度S1~S3の間で実施する。具体的には頭首工が塗装やローラーなどの修繕、附帯工は水管橋の塗装やサイフォンの補修、幹線水路はコンクリートのクラック等劣化部分の補修などが必要としている。また、豪雨被害では西の原頭首工から取水した直後の隧道区間で崩落個所が発見されたほか、埋設管ではひび割れによる破損が見られたという。

 西の原用水は、昭和41~48年度までの8年間をかけ、県営用水改良事業で整備した。大田原市福原地内の一級河川箒川に西の原頭首工を設置。農業用水を安定的に給水するため、大田原市から那須烏山市に至る用水路を整備した。

 用水路は幹線水路(L19.2km)と支線水路(L2.4km)などで構成され、受益965haをかんがいする。このうち幹線水路は、開水路が6.1km、サイフォン3.0km、トンネル水路6.8km、暗渠工3.3km。幹線水路から分岐する支線水路は、開水路2.4km。水路はコンクリート構造で部分的に石積みで施工。経年劣化により、コンクリートがはく離するなどの不具合が生じているとした。

 西の原頭首工は、固定堰で幅が170m、ローラーゲートの洪水吐30m×1門、ローラーゲート土砂吐12m×1門を備える。

 西の原用水路の機能診断と保全計画の策定については、22~25年度の4年間と27年度に実施。今年度はこれらの取りまとめを行うとともに、復旧箇所を先行して工事に着手する。劣化箇所の修繕については29年度から3年間で施工する計画。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.