LRT軌道計画を認定へ 運輸審議会が大臣答申 安全対策や渋滞解消で留意

[2016/9/9 栃木版]
 国土交通省の運輸審議会(鷹箸有宇壽会長)はこのほど、LRT事業に伴う宇都宮市・芳賀町および宇都宮ライトレール株式会社からの軌道運送高度化実施計画について、認定することが適当であると、石井啓一国土交通大臣に答申を行った。今後、国土交通大臣は、運輸審議会の答申内容等を踏まえて処分を行う見込みとなっている。

 運輸審議会は7月26日に、同計画の認定申請事案に関する公聴会を、宇都宮市で開催。事業への賛成・反対含めた10人の一般公述人の意見に対し、2市町とライトレール株式会社が意見を陳述。運輸審議会は公聴会での意見陳述を参考に審議を進め、このほど計画の認定申請事案に関する答申をまとめた。

 LRT事業に伴う軌道運送高度化実施計画は、軌道整備事業者の宇都宮市と芳賀町、軌道運送事業者の宇都宮ライトレール株式会社が策定した計画。軌道施設の整備予定区域は、起点がJR宇都宮駅東口で、終点が芳賀高根沢工業団地の本田技術研究所北門付近。軌道の整備延長は14.6km(複線)、停留所は19カ所、車両基地は1カ所、変電所は4カ所、追越施設は2カ所。運輸開始予定は31年12月とした。

 軌道施設と車両は、宇都宮市と芳賀町が所有し、維持管理の責任を持つ。日常的な維持管理業務については、宇都宮ライトレール株式会社に委託する。その他の理由による維持管理と災害復旧工事については、双方が協議して行う。

 軌道運送高度化事業に関連して行われる事業では、交通結節機能の強化などが挙げられている。交通結節機能の強化については、トランジットセンターを整備する。

 概算工事費は、458億円。このうち、測量費が4億円、用地費が51億円、土木費が137億円、軌道が116億円、停留場が4億5000万円、電路・通信設備費が63億5000万円、車両が59億円、車両基地が23億円と試算している。

 運輸審議会は、現地調査、公聴会での陳述、一般人の公述、各種資料等から検討を実施。検討の結果、▽まちのにぎわいの創出や健康増進、人の交流の活発化を追求し、地域社会全体の価値の向上に取り組んでいる▽輸送の安全確保を図り、安全・安心な運送サービスを提供▽交通結節機能の強化やICカードの導入、専用レーンの走行や全線複線整備で定時性を確保▽低騒音、低振動の走行が可能な制振軌道構造、バリアフリー対応の低床式車両および停留場を導入・整備-などとし、計画内容が実現可能で、経営や輸送の安全上で適切。LRTを導入することで自動車交通からの転換を図り、環境負荷を低減。バリアフリー対策も図られ、事業開始が公益上必要で適切であるとした。

 運輸審議会は、国土交通大臣に対し、必要に応じて助言・指導を行うべきとした。内容については、▽平石中央小学校付近を含めた沿線の安全対策を万全とし、安全運行に必要な設備投資やメンテナンスが適切に行われること▽交通結節機能の強化、モビリティ・マネジメントの実施、他の公共交通利用促進策を実施し、交通渋滞の解消・緩和を着実に図ること-などとしている。

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