保存管理計画を見直し 県日光杉並木街道で策定委 街道復元へ検討委 危険度判定を保護対策反映

[2016/10/1 栃木版]
 第1回第3次日光杉並木街道保存管理計画策定委員会(委員長・谷本丈夫宇都宮大学名誉教授)が開かれ、今年度から30年度までの3カ年で同管理計画を見直す。杉並木保護用地(追加指定地)の活用と管理、A地域に加えB地域を含めた公有化対象地域の見直しや27年度から実施している並木杉個々の樹勢測定と倒木の危険度を判定する緊急調査を計画に反映する必要性などが出てきたため。杉並木街道の保護などを目的に進めているバイパスも国道120号日光街道大沢バイパスや121号例幣使街道板橋バイパスの進ちょくにより、通行止めの旧道を往時の街道に復元する具体化に向け、検討委員会を設置していく見通し。

 現在の保存管理計画は、平成4年3月に策定したもので、杉並木街道を取り巻く状況は計画策定当時とは大きく変化。同策定委員会が主体となり、現状の課題などを整理するとともに、今後の保護対策を計画的に実施していくため、同計画の見直しを決めたもの。

 見直しの検討内容では、これまで実施してきた事業の進ちょく状況と成果、現計画の施策項目ごとに設けられている課題への対応について検証するとし、▽木柵の設置などによる樹勢回復事業の検証▽バイパス整備に伴う街道復元構想の検討▽杉並木の更新・補植の検討-などを挙げた。

 新たな課題への対応では、▽保護用地に準じるB地域の公有地化の対応の検討▽倒木などによる事故の未然防止と安全対策▽関係機関の役割の再検討-などの必要性を示した。保護の重点化を図るA地域の公有地化も27年度に44.2%の27万2941平方mまで達した。

 県は27年度から3カ年計画で、樹勢測定や倒木の危険性などを判定する日光杉並木街道の緊急調査を行っており、同計画を樹勢回復などの保護対策や安全管理対策などに反映させるとした。経年劣化に伴う杉の倒木や枯れ死などを背景に、具体的な調査を始めたもので、杉の本数は昭和36年の1万6479本から平成28年3月末には1万2302本まで減少している。

 今後の検討の進め方では、同策定委員会にワーキンググループを設置。保存管理計画の策定に関する課題を研究討議し、結果を策定委員会に報告する。研究討議に当たっては、設置済の「街道復元担当者会議」と「管理対策連絡会議」との連携を図り、策定委員会への報告にその検討内容を反映させるとした。構成員は、県、日光市、東照宮の関係部署の担当者としている。

 日光杉並木街道復元検討委員会は、現計画にも位置付けられている街道復元の整備手法の検討や将来の復元整備を見据え街道復元の具体化を図るとしている。

 日光杉並木は、東照宮が造営された1625年から約20年をかけて、現在の日光、日光例幣使、会津西の3街道に植えられ約390年が経過。本県が世界に誇る貴重な文化遺産であるとともに、わが国唯一の国の特別史跡・特別天然記念物の二重指定を受けている。

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