敷地東に2施設、西は駐車場 栃木市が文化芸術施設審議会 基本計画11月に素案 芸術館は文化財準施設へ

[2016/10/6 栃木版]
 栃木市は5日に市役所で、28年度第2回市文化芸術施設等整備検討審議会(会長:浅野秀剛大和文華館館長・あべのハルカス美術館館長)を開催した。当日は、作成中の(仮称)市文化芸術館・文学館整備基本計画の素案が提示された。同案によると、敷地東側に文化芸術館と文学館、西側に駐車場を配置する案を採用。文化芸術館は、文化財公開承認施設に準ずる施設に整備するとした。今後、基本計画の策定に向けては、検討審議会での協議や意見照会を経て、11月末にも素案をまとめ、12月下旬~29年1月下旬にパブリックコメントを行った後、2月に基本計画案を答申。29年3月に計画を策定するとしている。

 市では、歴史・文化・芸術の顕彰や美術品・工芸品を展示する場として魅力を発信し、新たな歴史・文化・芸術を創造することを目的に、(仮称)市文化芸術館・文学館基本構想を策定。

 構想によると、整備スケジュールは、28年度に基本計画や基本設計を実施、29年度に実施設計に着手。基本設計は、28年11月上旬~29年3月に素案をまとめ、精査を経て29年5月に完成。実施設計は、29年4月下旬から年度末までにまとめる。

 工事は、30~31年度に本体の施設整備工事、32年度に外構工事を行う。基本設計および実施設計は、佐藤総合計画(東京都墨田区)が担当。施設の展示設計は、乃村工藝社(東京都港区)が担当。

 施設の計画地は旧市役所本庁舎跡地(入船町7-26ほか)の約8000平方m。文化芸術館は、3000~3300平方mを目安に検討。常設展示室・企画展示室・市民ギャラリー等の展示室全体は約1000平方m。収蔵庫は、常設展示室と企画展示室を合わせ、床面積の半分程度を検討する。

 文学館は、旧栃木市役所別館(旧栃木町役場庁舎、大正10年11月建設・木造2階建て延べ床1040平方m)を改修して活用。文学者の紹介と市の通史資料の展示機能を担う施設とする。このほか、イベントやワークショップ等に活用できる屋外休憩スペースや駐車場なども整備するという。

 作成中の基本計画の素案によると、基本計画は、[1]理念[2]事業計画[3]展示計画[4]施設計画[5]運営計画-で構成。

 文化芸術館は、博物館法に基づく登録博物館で国宝・重要文化財の公開承認施設に準ずる施設として、資料保存に必要な機能を整備。十分な面積を持つ収蔵庫を設置して、保存環境を確保。収蔵エリアは、地下水や水害の影響のない配置とする。文学館も、十分な収蔵スペースを確保するほか、文化芸術館の収蔵庫への保存も想定。ライブラリーコーナーも設けるとした。

 展示計画において、文化芸術館の展示室は、大小いくつかの展示空間を設定し、通路や備品倉庫等で配慮。文学館の展示室も、既存の通路やカウンターなどを生かした回遊性のある展示スペースも検討する。

 施設計画では、北面には蔵の街や嘉右衛門町重伝建地区と連携できるよう、交流空間と一体的かつ安全な歩行空間を設ける。文化芸術館は、文化財公開承認施設に準ずる施設としての要件を満たすように整備する。文学館は、建物全体の文化財としての価値を再生し、多くの人が共有できる建物とする。

 文化芸術館と文学館の施設配置については検討の結果、文化芸術館を敷地東側へ、広場を挟んで文学館と隣接する案を採用した。敷地西側には、駐車場を配置する。駐車場の規模は、観光バス3台・一般車約60台を想定しているが、さらに検討を進めるとした。

 文化芸術館と文学館の一体感を生み出すことに向けては、2施設が連携可能な建物内部の機能配置、2施設を連絡する庇や通路、文学館のEV棟増築計画を考慮した配置について構想する。

 2施設の間にあるひろば(広場)は交流空間として、中庭にふさわしい環境づくりや、北側道路と施設南にある県庁堀の両方からのアプローチを考慮する。北側沿道空間は、安全で豊かな歩行者のための空間とし、2施設の北側にある栃木中央小学校を考慮した安全な歩道を計画する。県庁堀水辺空間は、歴史的な景観を保存・活用した一体的な景観を整備。県庁堀の南で整備を計画している、(仮称)地域交流センターや(仮称)統合保育園と連携しやすい建物の配置や通路を計画する。

 2施設内の機能の配置イメージとして、保存機能は施設の西側に収蔵庫・トラックヤード・学芸員研究作業室・常設展示室・企画展示室を配置。保存機能の東に展示・学びの機能として、エントランスやロビーを配置。エントランス・ロビーの東へ、市民活動・情報・交流の機能として、市民ギャラリー・ガイダンス情報機能・書架スペース・カフェレストラン・ショップ・多目的スペース・ボランティアルーム・広場を配置。市民活動・情報・交流の機能と、文学館の展示・学びの機能を兼ねる機能として、観光サービス・研修室・講座室も配置する。

 施設東側は、文学館の展示・学びの機能として、資料展示・通史資料展示・旧市役所別館紹介の機能を配置する。このほか、2施設の管理・運営機能として、事務室・備品倉庫・救護室・授乳室なども備えるとした。

 文化芸術館のデザインは、文学館やまちなみと調和しつつ、観光拠点にふさわしい記憶に残る特徴を持った外観とし、内部は雪月花の高精細複製画を供用部に効果的に展示。コレクション展示室(和や蔵のイメージ)と企画展示室を差別化、回遊型の展示室を配置する。

 文学館は、保存改修や耐震改修を構想。バリアフリーを考慮した、利用者動線を設定する。2施設の整備にあたっては、環境配慮、防災、バリアフリー・ユニバーサルデザインにも取り組む。

 審議会は、▽駐車場の規模を小さくし、広場の規模を大きくする▽県庁堀へ既存の橋梁に加えてさらに新しい橋梁を設置し、南側の施設群との動線を強化▽駐車場も、景観に考慮したデザインとする-など、委員からの意見が出されている。

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