三栗谷用水4063m改修へ 下都賀農振の三栗谷II地区 29年度に測量設計 L型水路や表面補修工

[2016/12/28 栃木版]
 県は足利市南部を東西に流れる三栗谷用水の改修に乗り出す。上流側延べ4063mを対象に、29年度から水利施設整備事業(基幹水利施設保全型)を充当し、三栗谷II地区として国に事業採択を申請した。県下都賀農業振興事務所によると、整備の完了した下流側1138mと合わせ20~21年度に機能診断と保全計画を実施した結果に基づき、工法にはL型水路や表面補修工を計画している。事業期間は34年度までの6年間、事業費には9億2000万円を試算している。29年度には測量設計、30年度から5カ年で工事を実施する計画。

 三栗谷用水は、国営事業で造成された一級河川渡良瀬川の太田頭首工から取水し、導水する太田幹線用水路と続く矢場幹線用水路から分岐する。同用水は県営三栗谷用水改良事業として、昭和10~42年度に造成された幹線用水路。三栗谷用水土地改良区が維持管理を行っている。造成後、49年以上が経過した耐用年数超過施設のため、コンクリートの劣化による倒壊や崩落の危険性が高いとしている。

 同用水の受益面積は、808.9haで、受益戸数が1258戸。施設が倒壊や崩落した場合、下流用水受益の水源が絶たれ、農業生産に対する影響が大きく改修事業の実施を決めた。事業は災害の未然防止とともに、農業経営の安定化や施設の長寿命化を図るもの。

 改修は渡良瀬川右岸の群馬県太田市市場町地内から都市下水路として足利市が改修した区間までの3127mと、下流側で南北に併走する東武鉄道伊勢崎線と国道50号付近の936mの2区間。

 水路の断面は、W4.0m×H1.4m~W3.5m×H1.2m。現在試算している事業量は、L型水路工が2835.2m、表面補修工は1030.7m、ボックスカルバート工86.5m、付帯構造物110.6m。

 上流側3127m区間のうち、中央部に位置する野州山辺駅周辺で表面補修工を実施。同区間の上下流ではL型水路工を施工するほか、足利市の施工済区間から下流側936mではすべてL型水路工を予定している。

 ボックスカルバート工は13カ所程度とし、道路などの横断箇所として橋梁からボックス工に変更するもの。付帯構造物では、落差工や分水工などを再整備する計画。東武鉄道との取り付け部は、鉄道会社と協議を進めていく。

 三栗谷用水の改修に当たって県は、下流側1138mについて24~27年度にかけて三栗谷地区基幹水利施設ストックマネジメント事業で整備を進めてきた。今回は上流側延べ4063mを対象に、三栗谷II地区として29年度からの事業化を想定し、26~28年度にかけて調査設計を実施。同業務は国土測量設計(宇都宮市)が担当している。

 三栗谷用水は市街地に位置し、沿川に春は桜の名所、夏の灯篭流しなど地域に親しまれている。同事務所では、改修に伴い転落防止柵やガードパイプなど安全対策にも配慮し、整備を進めていく計画としている。

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