畜舎などの整備を補助 畜産クラスター事業費に13億円 繰り越して来年度に工事実施(県畜産課)

[2017/1/21 茨城版]
 県は、国の第2次補正予算を活用した12月補正予算で、TPP対策に約52億円を計上した。この中で土地改良事業費の追加などのほか、畜産競争力強化対策事業費を追加し、和牛子牛増頭対策推進事業費を新たに予算化している。畜産競争力強化対策事業は畜産経営体の収益性向上のための施設整備を助成するもので、和牛子牛増頭対策推進事業は繁殖施設の整備や公共牧場の活用を図る事業。いずれも農林水産省の畜産クラスター関連の畜産・酪農収益力強化総合対策基金を活用するため、現在は国と事業計画について協議している。一部の計画書は近く提出する予定で、そのほかの箇所も年度内に内示を受けて事業に着手し、繰り越して実質は29年度に施設整備を行う計画だ。

 県は昨年3月に策定した新たな「茨城農業改革大綱」で、「畜産の国際競争力の強化」を重点的取組の1つに位置付け、畜産経営の規模拡大による収益力の強化や担い手の確保、和牛子牛の増頭などに取り組んでいくこととしている。

 具体的には、畜産農家をはじめ地域の関係者が連携し、地域ぐるみで収益性の向上や生産基盤の強化を進める国の畜産クラスター事業が創設されたことから、定期的な意向調査と併せて積極的な活用を促し、規模拡大に向けた畜舎や家畜排せつ物処理施設の整備などを支援している。

 補正予算に計上した畜産競争力強化対策事業は、地域の中心的な畜産経営体と県や市町村、JA、耕種農家といった関係者が連携して畜産クラスター協議会を設置し、畜産経営体の施設整備を支援することで、地域畜産の収益性を向上して生産基盤を強化するもの。

 事業の実施主体は県内の14の畜産経営体で、補助の対象は家畜飼養管理施設(畜舎など)や家畜排せつ物処理施設、自給飼料関連施設の整備や畜舎の補改修など。補助率は国と実施主体それぞれ2分の1で、事業費には12億2559万円を追加した。

 県畜産課によると、現在は国と協議しながら計画書の作成を進めている段階。一部の早いものは1月末にも計画書を提出する予定で、順調に行けば2月中旬か下旬に国から内示が示される。その他の計画書も順次提出して、年度内には全ての内示を得たいとしている。

 和牛子牛増頭対策推進事業では、県内の和牛生産体制の強化を図るため繁殖雌牛を預け入れるキャトルブリーティングステーションの整備を支援するとともに、公共牧場を活用した放牧を推進するため、9780万円を予算化した。

 肉用牛生産は現在、全国的に和牛子牛の生産頭数が減少し、大きな課題となっていることから、県内一の和牛繁殖地域である大子町の担い手農家が中心となり、町や地域の畜産農協などと連携して、農家から分娩後の雌牛を預かり人工授精から妊娠確認まで集中管理する施設「キャトルブリーティングステーション」を整備し、繁殖農家の雌牛の増頭を支援する。

 大子町の農家22者で構成する「大子町繁殖雌牛管理組合」(仮称)が主体となって、牛舎や堆肥舎、管理棟・飼料調製保管施設の整備を計画している。補助率は国2分の1、県5分の1、町・実施主体10分の3で、県は3780万円を予算化した。

 また、米平公共育成牧場は昭和56年度に高萩市に設置された県の施設で、今回は放牧地を再整備して新たに繁殖肥育一貫経営に取り組む肉用牛農家から妊娠牛を受け入れ、円滑な一貫経営への移行を促進する。事業費は6000万円で、県が主体となり整備計画策定や放牧地の整備(雑草刈払い、種子まき、牧柵整備)を実施する。

 これらの事業を所管する県畜産課は、畜産クラスター事業を積極的に活用し、地域の畜産関係者が一体となって畜産の収益性を高め、経営感覚に優れた経営体を育成するための取り組みを促進し、本県の畜産農家の競争力強化に努めていく考えだ。

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