筑西三和線BPを「継続」 事業再評価 事業費大幅増に対策求める

[2017/1/24 茨城版]
 県公共事業再評価委員会(委員長・佐藤政良筑波大学名誉教授)は20日、県庁庁議室で本年度の委員会を開き、主要地方道筑西三和線バイパスの再評価を実施した。県道路建設課は、事業年度を34年度まで7年間延長するとともに、事業費も35億円から67億円へ32億円増額すると説明。事業費は道路延長の延伸に伴う用地費、工事費の追加や地盤改良工事費の増加などによるものだが、委員からは事業開始時の見込みの甘さを指摘され、事業費が増加した要因を分析し他の事業に生かすなどの対策を求める意見を付したうえで、「基本的に継続」と判断した。

 議事を前に、渡邊政美理事兼政策審議監は「厳しい財政状況の中、公共事業の執行に一層の効率化・重点化が求められている」とし、「社会情勢の変化や投資効果の観点から再評価し見直すことは重要で、この委員会でも10年度から昨年度までに353事業を審議し、緒川ダムなど29件で中止や見直しを行った」と説明。「今回も忌憚のない意見をいただいて、事業の選択と集中を図っていく」とあいさつした。

 引き続き、本年度の委員長選任を行い、佐藤委員長を選出。佐藤委員長は「公共事業が時間を経るにしたがい、ハンドルを切る、あるいはブレーキを踏む必要も出てくる。委員それぞれの立場で、忌憚のない意見交換ができれば」と話した。

 今回審議の対象となった事業は、地方道路整備事業(県工区)と筑西幹線道路整備事業(市町工区)で整備する主要地方道筑西三和線バイパス。事業主体は県および結城市、八千代町で、24年度に採択されて事業に着手した。

 この路線は結城市山王から八千代町成田まで、延長6kmで計画。概成している関城バイパスの鬼怒川大橋の南側から、一部広域農道を経由して国道125号までを結ぶ。起点側400mを結城市、終点側400mを八千代町が担当し、中間部の5.2kmを県が担当する。

 当初、完成予定は27年度で計画していたが、地元から道路の構造で理解を得られないことや、代替地の要望に折り合いがつかないなど用地買収が難航して事業が長期化している。このため県は事業計画を変更し、完成年度を34年度まで7年間延長。広域農道までとしていた終点を、農道も含める形で国道125号まで延伸し、起点側も線形を変更したため、全体延長も5.4kmから6kmに変更した。

 この延伸や、一部区間の両側に農耕車用の側道を設置することに伴う用地費・工事費の増、および地盤調査の結果による地盤改良工事費の増加から、事業費も当初の35億円に32億円を増額し、67億円となった。事業費ベースの進捗率は48%で、費用対効果は1.3と説明した。

 なお、この事業費の増加については、地盤調査の結果から延長全体の約7割で地盤改良工事の必要性が認められたため、プレロード施工やパワーブレンダー施工を実施していると報告。

 事業費増額の内訳についても、整備延長の追加で約7.5億円(用地補償費4.5億円、工事費3億円)、側道整備の追加で約6億円(用地補償費3億円、工事費3億円)、軟弱地盤対策工事で約14億円、その他4.5億円(補償算定の詳細による増2億円、人件費高騰による工事費の増2.5億円)と説明した。

 これらの説明に対し、委員からは事業費の増加についての指摘が相次いだ。県は事業採択が決まった後で地元説明に入るため当初計画に地元からの要望が含まれていないことや、事業に着手してから詳細な調査に入るため軟弱地盤を予想をしていても、想定額で事業費を計上できないことなどを説明して理解を求めた。

 また、震災後は「道路の強度の基準が引き上げられているのか。人件費の変化は」との質問もあり、県は「基準に変化は無いが、各所で通行止めを経験したことで安全な道路を作りたい意識は強くなっている。人件費は、23年当時から5年後の28年で約1.5倍になっているが、今後のことはオリンピックも控えており想定できない」と答えた。

 最後に、佐藤委員長は「事業費の変化が極めて大きく、事業開始時の見込みからこれだけの変化はやはり問題がある。この件については説明の通りだが、一般論としてこれらの情報を政策審議室で取りまとめ、他の事業開始時にフィードバックするなど何らかの対策が必要」と指摘して、今回の審議結果にも意見を付することとした。

 渡邊政策審議監は「行政としても見直すようにしており、事業開始時の甘い見積もりはやめるよう取り組んでいる。ご意見を踏まえて各事業を精査し、今後の取り組みに生かしたい」と答えた。

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