強靭化地域計画有識者会議開く 来月の庁議で決定(県防災・危機管理課)

[2017/1/27 茨城版]
 県の国土強靭化地域計画の策定に、幅広い分野の専門家の知見を活用するための「県国土強靭化地域計画有識者会議」(座長・山田恭央筑波大学名誉教授)の第4回会議が24日、県庁の災害対策室で開催された。県防災・危機管理課の担当者から、前回示した計画案に対する修正意見への対応について説明を受け、最終的な意見や提案を出し合った。県は今回の意見などを踏まえて近く最終的な計画を取りまとめ、2月の庁議で決定したうえで、3月の県議会29年第1回定例会に報告する。

 県は地震・津波災害、洪水災害、土砂災害などの大規模自然災害から迅速に復旧・復興を行うため、平常時から防災・減災に取り組み万全の備えを築くことを目指し、昨年度から国土強靭化地域計画の策定に取り掛かった。着手間もない9月に発生した関東・東北豪雨の影響で作業の中断を余儀なくされたが、作業を再開して本年度内の策定を目指している。

 策定にあたっては、防災行政や道路、港湾、保健医療などの学識経験者を構成員とする有識者会議を設置して、計画策定の基本的な考え方や国土強靭化の方向性、様々な分野の施策の推進方針など必要な事項について検討を行うこととし、第1回を27年8月に開催。中断の影響で第2回は本年8月に開催し、10月に第3回、今回が第4回となる。

 県防災・危機管理課の担当者は地域計画案について、前回示した素案に対する有識者からの意見の対応を中心に説明。主なものは、脆弱性評価の項目に「ハード対策とソフト対策を適切に組み合わせて施策を推進する必要がある」や「各実施主体との情報共有や各主体間の連携を強化する必要がある」などの内容を追加。また、住宅の耐震化率の数値目標の欄に耐震化率・新耐震基準の説明文を追加したり、市町村の地域強靭化計画の策定に協力することなども盛り込んだ。

 これに対し、委員からは「耐震基準は最低限の基準でしかなく、より強固な建物とする風潮を醸成したい」や「建物を建築する際には、液状化も含めて地耐力を考慮するよう啓発する必要がある」といった意見や、「熊本地震以降、国交省から高速道路跨道橋の点検強化が示されており、数値目標に記載しては」といった提案などがなされた。

 県の事務局は、これらの意見・提案に対し「検討して対応する」と返答した。県では必要な修正を加えたうえで最終案を取りまとめ、2月の庁議に提出する考えだ。

 この計画は、東日本大震災などの自然災害から得られた教訓や国土強靭化基本法の趣旨を踏まえ、本県における国土強靭化に関する施策を総合的・計画的に推進するためのもの。これとあわせて、27年9月関東・東北豪雨災害を踏まえた減災対策を一体的・計画的に推進する。計画の策定は、各部局の企画監や政策監らで構成する「県国土強靭化地域計画策定会議」が内容を検討し、第三者委員会やパブリックコメント、市町村・関係団体の意見などを踏まえて策定した。

 計画は、首都直下地震を含む大規模自然災害における本県の被害を最小化するとともに、首都圏のバックアップ機能も強化し、国全体の強靭化に貢献することを目的とする。基本目標は▽人命の保護が最大限図られること▽県政及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず維持されること▽県民の財産及び公共施設に係る被害の最小化▽迅速な復旧復興──の4つで、国の基本目標と同様に設定。8つの事前に備えるべき目標も、国と同様に設定する。

 リスクシナリオと施策分野は、国の基本計画を参考に不要なものを除いて設定。リスクシナリオは39の事態を、施策分野は7の個別施策分野([1]行政機能/警察消防等[2]住宅・都市・住環境[3]保健医療・福祉[4]産業・エネルギー[5]情報通信・交通・物流[6]農林水産[7]国土保全)と3つの横断的分野([1]リスクコミュニケーション[2]老朽化対策[3]研究開発)を設定する。

 個別施策分野の数値目標のうち、主なものは「県及び市町村の防災拠点機能の確保」で、防災拠点となる公共施設の耐震化率を27年度の82.4%から32年度には92.4%に引き上げる。

 「住宅、建築物等の耐震化」は、数値目標に住宅の耐震化率を27年度の81.8%、民間特定建築物の耐震化率を同じく82.9%、市町村立学校の耐震化率(幼稚園)を78.1%から、いずれも32年度には95%にする目標を設定した。

 「上下水道施設の耐震化等」では、下水道施設の耐震化率を27年度の35.1%から32年度には46.3%に、水道施設の管路の耐震化率を26年度の48.5%から36年度には68.2%とする。

 「道路等の防災・減災対策及び耐震化」の数値目標は、復興みちづくりアクションプランの対象箇所の完了率を27年度の55.3%から32年度には84.3%に、市街地等道路の無電柱化率を同じく38%から45.4%に引き上げる。「緊急輸送体制の整備」でも、緊急輸送道路(県管理)上にある橋梁(15m以上)の耐震化率を73.9%から84.4%に引き上げる。

 「河川改修等の治水対策」では、河川改修率を26年度の57.5%から32年度は58.8%とする目標を設定。また横断的分野の推進方針でも、「公共施設等の長寿命化対策」で個別施設計画(施設類型毎の長寿命化計画)策定割合を、27年度の46.1%から32年度には100%達成を目指すことが盛り込まれた。

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