土地利用2計画を統合 新たな土地利用基本計画を答申 3月の計画変更決定、告示へ(県国土利用計画審)

[2017/1/28 茨城版]
 県は、国土利用計画法に基づき土地利用の構想を示す「県土地利用基本計画」と「県国土利用計画」の2つの計画を、土地利用基本計画の計画書の見直しにあわせて統合・一本化する。26日には、県国土利用計画審議会(会長・山形耕一茨城大学名誉教授)が開かれ、県土地利用基本計画の計画書の変更について審議。両計画を統合した新たな土地利用計画を取りまとめ、橋本昌知事に答申した。今後は、2月上旬にも国土交通省と本協議を行い、3月に計画の変更決定・告示を目指している。

 国土利用計画は、国土の利用に関する基本構想や利用目的に応じた区分ごとの規模の目標などを定めるもの。全国計画、都道府県計画、市町村計画からなり、都道府県計画と市町村計画は任意で策定する。

 一方の土地利用基本計画は、5地域(都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域)を地図上に記した計画図と、土地利用の調整などに関する事項を記載した計画書からなる。こちらは国が定める国土利用計画を基本に、都道府県が策定することが義務付けられている。

 両計画は、基本構想(方向)の内容が重複しているほか、面積の捉え方が異なり分かりづらいなどの課題があった。このため県は、28年8月に第5次国土利用計画(全国計画)が閣議決定されたことを踏まえ、土地利用基本計画で必要な改定を行うのに合わせ、両計画を県土利用の総合的方針を示す計画として一本化する方針としていた。

 県土地利用基本計画の計画書の変更はこれまで、28年2月の国土利用計画審議会に県国土利用計画の見直しおよび計画統合の考え方を報告。県国土利用計画推進協議会や市町村への意見照会を経て、9月の本年度第1回目となる国土利用計画審議会に土地利用基本計画の原案を諮問していた。

 その後、パブリックコメント(意見無し)や市町村長への意見聴取(法定)、国土交通省との事前協議を経て、今回、第2回目の国土利用計画審議会で最終案の取りまとめを行った。

 審議に先立ち、山縣会長は「土地利用基本計画と県国土利用計画の2つの計画の一本化について、昨年9月に引き続きご審議をいただき、知事に答申したい」と説明し、「忌憚のないご意見を」と委員の協力を求めた。

 また、県企画部の今瀬肇部長も「国土利用計画が目指す基本目標を達成することが、これからの県の基盤となり大変重要」との認識を示して、委員に活発な意見を求めた。

 新たな土地利用基本計画案は、県土利用をめぐる基本的条件の変化、県土利用の基本方針、5地域の土地利用の原則を第5次国土利用計画の内容を反映させて大きく変更したほか、広域交通ネットワークの形成・活用など本県独自の項目も盛り込んだ。

 内容を見ると、県土利用の基本目標には▽「コンパクト+ネットワーク」による土地利用への転換▽健全で感性に満ちた人材が育つ県土環境づくり▽県土の有効利用と適切な維持管理──の3つを掲げる。

 また県土利用の基本方針には、「適切な県土管理を実現する県土利用」として都市機能・居住の集約化と各地域を結ぶネットワークの構築、農地集積・集約化による荒廃農地の発生防止・解消、森林の整備および保全、空き家の所有者以外の管理・利用の促進を挙げた。

 「自然環境・美しい景観等を保全・再生・活用する県土利用」では、自然環境の保全・再生などによる生態系ネットワークの形成、再生可能な資源エネルギーの確保と循環的な利活用、地域の個性ある美しい景観の保全・再生・創出、外来種対策などによる生物多様性の確保を図る。

 「安全・安心を実現する県土利用」は、ハード対策とソフト対策を組み合わせた防災・減災対策の実施、災害リスクの高い地域の土地利用の適切な制限とより安全な地域への居住等の誘導、すみやかに復旧・復興できる県土強靭化の取組の推進を盛り込んだ。

 また、「複合的な施策の推進と県土の選択的な利用」では県土の多面的機能の発揮と利用価値の向上、中山間の荒廃農地などについて新たな用途での利用を、「多様な主体による県土の県民的経営」では地域主体の県土管理や安心・安全を実現する県土利用の実現、都市住民や民間企業などの多様な主体の参画の推進を挙げている。

 このほか、5地域の土地利用の原則や、5地域の重複する地域における土地利用に関する調整指導方針なども盛り込み、両計画の整合を図るために必要な追加・修正も行っている。

 山縣会長は「5地域区分が整理されて良かった」と話し、執行部に「農業地域、森林地域の許認可の方針は変わらないように」と釘を指したうえで、この計画案を「異議なし」と認めて知事に答申した。

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