治山施設を31年度策定 県が長寿命化修繕計画 2カ年で19市町調査 森林整備課優先順位付け対策へ

[2017/1/28 栃木版]
 県は、(仮称)治山施設長寿命化修繕計画を31年度にも策定することが分かった。山腹工1127ha、渓間工8072基を対象に、27年度から現地調査に着手。30年度までの4カ年で現況調査を完了、31年度に整備の優先順位をつけ、32年度から国庫交付金を充当し対策工事に着手していく。県森林整備課によると、計画は市町単位に作成するとし、治山施設を整備した山地災害危険地区のある20市町を対象に、残る29~30年度の2カ年で国庫ベースで13市町、県単ベースでは18市町の現況調査を実施していくとした。

 調査は国庫で整備した施設を国庫で27年度から、県単は県単事業費を充当して28年度から進めている。28年度までに国庫で宇都宮、大田原、佐野、矢板、茂木、那須、塩谷の7市町を完了、県単では佐野、さくらの2市が完了している。山腹工と渓間工を合わせた全体の進ちょく率は53%とした。

 治山施設の多い日光市は30年度までの4カ年、鹿沼市も29年度までの3カ年をかけて調査を進めているとし、対象の治山施設のない小山、下野、上三川、壬生、野木の5市町に加え、調査の完了した佐野市を除く19市町が残る2カ年の調査対象とした。

 具体的には、国庫対象が日光、鹿沼、真岡、那須塩原、那須烏山、足利、栃木、さくら、益子、市貝、芳賀、那珂川、高根沢の13市町。県単は、宇都宮、日光、鹿沼、真岡、大田原、那須塩原、那須烏山、足利、栃木、矢板、益子、茂木、市貝、芳賀、那須、那珂川、塩谷、高根沢の18市町。

 調査では、治山施設を写真で撮影し目視による点検。周辺の森林の荒廃状況を含め、コンクリートのクラックや構造物が流水などで洗われ不安定になっていないか、土砂が異常に堆積し施設の嵩上などの対策の必要性などを含め診断。劣化状況により4段階に分け、健全度を区分する。このうち緊急に対策を必要とする健全度IVについては、施設の下流域に人家が立地しているなど、保全対象の重要度などを勘案し、調査の始まった27年度から緊急的に修繕を進めてきたという。

 本県の治山施設のうち渓間工は昭和30年代、山腹工は同55年から平成5年にかけて多く施工されてきた。渓間工は谷止めや床固め等治山ダムと護岸工が大半。山腹工では土留め、法枠、緑化工等の吹き付け、落石防護施設などが大半を占める。

 渓間工8072基のうち、施工後50年以上を経過する施設は約29%、10年後に約46%、20年後には約63%に上る。山腹工1127haのうち50年以上経過する施設は約16%とし、10年後に約30%、20年後には約50%と、両施設とも半数を超える。

 長寿命化修繕計画の策定は、点検・診断結果に基づき、部材の交換など更新や修繕・施設の嵩上など機能強化を含め、施設の機能の維持と強化に必要な対策を適切な時期に実施。将来にわたって求められる機能を適切に発揮するため策定するとし、計画的な施設管理を行い、トータルコストの縮減と予算の平準化を図るとしている。

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