県管理河川の水防災対策 減災対策協議会 県南(土浦)から設置

[2017/2/2 茨城版]
 県河川課は、県管理河川における水防災社会の再構築に向けた減災対策協議会を県内6ブロックで設置することとし、1月31日に第一弾となる県南(土浦)ブロックの協議会を県土浦土木事務所で開催した。国の「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、一体的・計画的なハード・ソフト対策を県管理河川でも実施するための取り組みを定めるもので、夏ごろには今後5年間の取組方針をまとめる。

 この日は県土木部のほか、対象となる土浦市、石岡市、つくば市、筑西市、かすみがうら市、桜川市、つくばみらい市の市長や関係者、水戸気象台の防災管理官、およびオブザーバーとして国交省の河川事務所や水資源機構の担当者、県議会土木企業委員会の正副委員長や管内選出議員らが一堂に会した。

 議事に先立ち、県土木部の澤田勝部長は協議会設置に至った経緯を説明し、「今日は第一弾として、県内地域最大の県管理河川であり、県唯一の洪水予報河川となっている桜川を中心とした県南(土浦)ブロックの協議会を開催し、減災のための目標と、その目標達成のために実施すべき取り組みを検討していただく。県管理河川の先進事例となる具体的な取り組みが示されることを期待し、県としてもこの取り組みを皆さんと一緒になって確実に実行していきたい」と述べ、有意義で活発な議論を求めた。

 この協議会は、関東・東北豪雨をきっかけとする「水防災意識社会」再構築の取り組みを、直轄河川だけでなく都道府県が管理する中小河川でも展開するために設置する。河川管理者、市町村などの関係機関が連携・協力して、減災の目標を共有しハード対策とソフト対策を一体的、計画的に推進することで、大規模氾濫の発生を前提に社会全体で常に洪水に備える「水防災意識社会」を再構築することを目的とする。

 昨年8月には、台風の影響による豪雨で北海道・東北地方の中小河川が甚大な被害を受け、岩手県では高齢者利用施設で多くの死者が出た。これを受けて昨年10月には、国交省から都道府県の管理河川でも取り組みを推進するという方針が示されている。

 このため県は、県内を▽県北ブロック(日立市外8市町村)▽県央ブロック(水戸市外6市町)▽県南(土浦)ブロック(土浦市外6市)▽県南(竜ケ崎)ブロック(龍ケ崎市外10市町村)▽県西ブロック(筑西市外9市町)▽鹿行ブロック(潮来市外2市)──の6つのブロックに分け、県管理河川の減災対策協議会を設置する。

 構成員は県の本庁関係課長や出先事務所長、市町村の首長および指定水防管理団体管理者、気象庁の水戸気象台防災管理官、およびオブザーバーとして国交省の関係直轄河川事務所副所長とする。検討内容は5年で実施する取組方針の策定で、この組織の下に各担当課長らで構成する幹事会を置き、ここで取組方針案を策定する。

 県は本年5月末までに6つ全ての協議会を設置し、30年3月末までに地域の取組方針を策定するとともに、30年度から33年度までの期間は毎年フォローアップを実施し、取り組みの追加や修正を実施していく考えだ。

 県南(土浦)ブロックには桜川、恋瀬川、西谷田川、中通川が流れている。桜川の河川改修事業は土浦工区が概成し、筑波工区や真壁工区で樹木伐採や河道掘削を実施中。大和工区は、真壁工区を優先するため休止している。恋瀬川は本年度から重点計画に位置づけて河道掘削や築堤などを進めており、西谷田川も橋梁架替えや排水樋管整備など、中通川でもTX関連事業で橋梁架替えや護岸工などを進めている。

 今回、減災のため5年間で達成すべき目標には「桜川(土浦)をはじめとする県管理河川の大規模水害に対し、『逃げ遅れによる人的被害をなくすこと』と『地域社会機能の継続性を確保すること』を目指す」と定めた。

 この目標達成に向けた取り組みは、▽水害リスク情報等を地域と共有することにより、要配慮者利用施設等を含めて命を守るための確実な避難を実現する▽治水対策の重点化、集中化を進めるとともに、既存ストックの活用等、効率的・効果的な事業を推進し、被災すると社会経済に大きな影響を与える施設や基盤の保全を図る──とした。

 また、今後5年間で実施する取組方針を策定するにあたっては、主に▽関係機関が連携したハード・ソフト対策の一体的・計画的な推進▽水害リスク情報等の共有による確実な避難の確保▽河川管理施設の効果の確実な発現▽適切な土地利用の促進▽重点化・効率化による治水対策の促進▽災害復旧、水防活動等に対する地方公共団体への支援──を検討していく。

 出席した各市長からは、河川整備事業の推進や浚渫による河積の拡大、およびこれらハード対策とタイムラインを含めたソフト対策とのバランスの良い推進などの意見が出された。県はこれらの意見を踏まえ、ハード・ソフト両面で積極的に対策を推進する考えを示し、具体的な地域の取組方針を次回の協議会で提示すると答えた。

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