4大事業に190億円 一般会計、予算総額ともに過去最大 新ごみ施設も工事着手(水戸市予算案)

[2017/2/28 茨城版]
 水戸市の高橋靖市長は27日、記者会見を開いて29年度の当初予算案を公表した。一般会計は前年度当初比で118億5200万円、率にして10.5%増の1249億9600万円となり、23年度から7年連続で過去最大規模を更新した。また、特別会計は10会計の合計が0.3%増の589億7530万円、公営企業会計も2会計の合計が6%の増の301億2400万円となり、これらをあわせた予算総額は前年度比6.9%増の2140億9530万円。7年連続の増加となっており、26年度からは4年連続で過去最大規模を更新している。一般会計の増加分118億5200万円のうち、103億1230万円が4大プロジェクトの増加分となっており、特に新庁舎と東町新体育館は30年度の完成に向けて工事費を大幅に増額。4大プロジェクトを除いた通常分は1.5%増の1060億1120万円となっていて、特に土木費は泉町北地区と水戸駅前三の丸地区の2カ所の市街地再開発事業の影響で予算額が9.4%増加している。

 一般会計のうち、4大プロジェクトの予算額は合計で189億8480万円と、前年度の86億7250万円から倍以上に膨らんだ。特に、新庁舎は前年度の35億2380万円が122億5120万円に、東町新体育館は14億1140万円が38億1360万円に、それぞれ大幅に増加した。

 この結果、性質別の普通建設事業費は343億6303万円となり、前年度から102億1250万円、率にして42.3%も増加している。内訳は、補助事業分が22.5%増の116億8043万円、単独事業分が55.2%増の226億8260万円となる。

 特別会計は、公共用地先行取得事業会計が6億0360万円のうち5億6290万円を、28年度の新ごみ処理施設用地購入費の繰り上げ償還に充てる。公営企業会計は、水道事業会計が鉛製給水管の解消対策や新庁舎整備に係る負担金で前年度比9.1%増の109億3650万円を予算化。下水道事業会計も管渠建設費の伸びなどで4.3%増加し、191億8750万円を計上する。

 4大プロジェクトを見ると、新庁舎建設事業は3カ年継続事業の2年目に入る。新庁舎はRC造地上8階地下1階、延べ面積4万0188平方mの規模とし、大成・株木・昭和・コスモ・菅原JVなどが30年8月の完成を目指して工事を進めている。建設工事の契約で約6億8000万円が減額できたため、総事業費も200億円を切り197億円となる見通しだ。

 新市民会館整備事業は、実施設計や施設運営の検討に係る委託料として1600万円を予算化するとともに、完成後の建築物の保留床取得に係る債務負担行為に182億円を計上した。現在は、伊東豊雄建築設計事務所と横須賀満夫建築設計事務所のJVが基本設計を進めており、新年度は引き続き実施設計を行う。

 この事業は泉町1丁目北地区再開発事業の複合施設の核として組み込まれるため、これとあわせて市街地再開発事業補助金や市街地再開発事業公共施設管理者負担金として20億2820万円も予算化。泉町周辺地区整備事業でも、周辺道路の測量設計や用地補償、地下連絡通路の基本・実施設計で2億3128万円を確保する。

 新ごみ処理施設整備事業は、29億0400万円を計上した。新清掃工場や最終処分場、アクセス道路の工事に着手することで約24億円が増額するが、一方で造成工事が概ね終了するため約32億円の減額となり、トータルで前年度から7億9780万円の減となる。

 新清掃工場は、整備・運営事業の事業者に「日立造船グループ」を選定しており、現在は設計を作成中。全体計画は28-31年度で227億8692万円となり、このうち新年度は16億1362万円を見込む。最終処分場も29-31年度の3カ年総額64億円のうち、5億2560万円を予算化。このほか、アクセス道路整備や生活環境向上施設基本設計などに7億6477万円を配分する。

 東町運動公園整備事業は、国体の会場となるスポーツコンベンション型アリーナで、RC造一部S造地上3階地下1階、延床面積1万6803平方mの規模で建設する。このほど清水・岡部・東洋JVで着工しており、31年度当初のオープンを目指す。総事業費は99億5000万円を見込む。

 このほかの通常事業を部門別で見ると、企画総務部門では旧山根小学校利活用事業で3000万円を計上し、校舎や体育館の耐震補強工事の設計策定や特別教室棟、プールの解体工事を実施する。

 この事業は、閉校した施設を活用して山根地区の活性化を図るもので、学校法人リリー文化学園が学校・幼稚園の教育事業や地域交流、生涯学習事業を実施する。30年度には校舎や体育館の耐震補強工事を実施して、31年度に事業を開始する。

 市民協働部門は、妻里市民センター建設事業に29-30年度総額3億5600万円、鯉淵市民センター建設事業に同じく2カ年総額3億9100万円の継続費を設定し、工事に着手する。

 総合運動公園の市民球場は、国体やプロスポーツの誘致を見据えた大規模改造事業に6億2660万円を予算化した。メインスタンドの耐震補強や屋根の改修に加え、フィールドを両翼93mから100mへと拡張し、外野スタンドを移設。このほか、グラウンドやスコアボード、トイレの改修などを行う。

 基本・実施設計はINA新建築研究所(東京都)が担当し、3月の補正予算案には28年度5億9140万円、29年度6億2660万円、30年度4億0600万円の3カ年継続費総額16億2400万円を設定する。

 国体関連ではこのほか、市立サッカー・ラグビー場で天然芝1面を張り替えるため、1億4600万円を予算化。青柳公園整備事業は、市民体育館の空調設備や駐車場の整備で4億7000万円を確保した。

 生活環境部門は、第二最終処分場の閉鎖に伴う覆土工事で29-30年度総額3億9000万円の2カ年継続費を設定し、あわせて跡地利用の基本計画を策定する。斎場は待合室の改修で1100万円を計上するとともに、新たな斎場の整備で基本計画策定委託料1100万円を予算化。30年度に都市計画決定などの手続きを進め、31年度に基本設計を策定する。

 保健福祉部門は、保健所整備事業で1億9490万円を盛り込んだ。32年度の中核市移行に向け、新年度は増築棟の基本・実施設計や地質調査、および既存の保健センターの空調やエレベーターの設備更新工事を実施する。計画では、30-31年度で既存棟の改修や増築棟の建設を実施し、32年度当初の開所を目指す。

 産業経済部門は、市単土地改良事業に9600万円、県営土地改良事業に1億0150万円を確保するとともに、植物公園の再整備に向けた基本構想・基本計画策定で500万円、市場施設の再整備計画の策定で1600万円を予算化した。

 都市建設部門は、南町3丁目の危険建築物の外壁を行政代執行で撤去するため、3833万円を計上した。内原駅周辺地区整備事業は1億0800万円を盛り込んで、新年度は橋上駅舎・自由通路の基本設計や駅南口広場の基本設計、用地測量、地質調査を実施する。

 水戸駅前三の丸地区市街地再開発事業は、再開発事業補助金として7億8500万円を用意する。再開発組合が事業主体となってJR水戸駅北口に住宅棟(地下2階地上18階)や複合施設棟(地下2階地上12階)などを整備する事業で、期間は28年度から31年度までの4年間。現在は久米設計・パル綜合設計共同企業体(東京都)で基本設計を策定しており、新年度に実施設計を策定して30年度にも着工する見通しだ。

 消防部門は、消防施設整備事業に4300万円を計上して可搬型画像伝送システムを整備する。災害発生時に被災状況を迅速に把握するため、老朽化した画像伝送システムを更新するもので、新システムは衛星通信方式を採用し、機動性が高い可搬型とする。

 教育部門は、水戸城大手門復元整備事業に2億4960万円、水戸城二の丸角櫓・土塀整備事業に7410万円を予算化した。大手門は28-31年度の継続費6億2400万円を設定しており、吉田・長洲JVが3月の定例会後にも着工する見通し。二の丸角櫓と土塀も今回、29-32年度で総額8億8920万円の継続費を設定している。

 学校施設も、下大野小学校などの長寿命化改修事業や見川小中学校の改築事業、小中学校の空調設置に、3月補正予算案の一部前倒しとあわせて新年度予算案にも事業費を盛り込んだ。

 水道部門は、基幹管路や浄水施設の耐震化に11億4683万円、鉛製給水管解消対策事業に7億1178万円を盛り込む。下水道部門は、管渠建設改良事業に35億1130万円、ポンプ場建設改良費に2億9681万円、処理場建設改良費に7億2282万円をそれぞれ予算化している。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.