1日から適合判定義務化 建築物省エネ法が施行 2000平方m以上の特定建築物 32年まで段階的強化へ

[2017/3/17 栃木版]
 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)が4月1日から施行、2000平方m以上の非住宅部分を有する建築物(特定建築物)を新築や増築する場合、特定行政庁または登録建築物エネルギー消費性能判断機関による適合性判定が義務化される。これまでの届出義務から適合義務へと強化されるもので、県建築課によると、建築確認手続きに連動して適合判定通知書を義務付け、省エネに対する設計値が基準値を下回ることが条件とし、基準に適合しない場合は工事に着手できなくなるという。大規模建築物ほど、エネルギー消費量が多いため、基準に合致させることで消費量の抑制が狙い。対象について国は32年までに、住宅や中規模建築物に拡大する方向性を示しており、制度の施行は省エネ化を見据えた住宅施策にも大きな転換期となりそうだ。

 住宅や建築物の省エネルギー対策については現在、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)に基づく届出制度により実施されている。同法は、工場・事業所、運輸、機械器具などを包含したものとし、これらのエネルギー消費が減少している一方、住宅や建築物においては家電をはじめとした冷暖房の普及に加え、床面積の増加や使用時間(営業時間)の増加などを背景に、現在では消費量の3分の1を占めるまでになったとしている。

 4月から適合義務化される2000平方m以上の非住宅の割合は、全国の確認申請ベースでも1.0%に満たず、本県でも年間10棟前後としている。一方で、エネルギー消費量については、全建築物の約35%を占めるなど、エネルギー低減に向けた対策が急がれていた。

 建築主は2000平方mの建築物を新築する場合、省エネ化につながるよう、一次エネルギーの消費量として空調・換気・照明・昇降機・その他エネルギー消費量の総和に対し、太陽光など創エネルギー量を差し引いて算出、設計値が基準値を下回るよう設備機器など仕様や配置を考える。

 省エネ性能向上のための取組みとして、▽外壁の断熱材を厚くしたり、窓のペアガラスの採用といった熱を逃げにくくし室内温度の維持を図ることで、空調設備で消費されるエネルギーを抑止する断熱化▽高効率空調やLED照明などの採用による消費エネルギーの抑制▽太陽光発電などエネルギーの創出による化石燃料のエネルギー消費の抑制-などが挙げられ、建築物の新築に合わせ、エネルギー効率を考慮した設計が求められるようになった。

 建築主等の申請者は、所管の特定行政庁や登録判定機関から適合判定通知書を発行してもらい、初めて工事に着手することができる。適合性判定制度は、建築基準法に基づく建築確認手続きに連動させることにより、実効性を確保するとした。

 建築物省エネ法では、2000平方m以上の住宅や300平方m~2000平方m未満の中規模建築物について、非住宅のような適合義務には至っていないものの、届出義務として基準に適合せず、特定行政庁等が必要と認める場合には指示・命令などの権限を与えている。

 また、一般住宅の住宅事業建築主(住宅トップランナー)に代表される300平方m未満の小規模建築物については、努力義務として必要と認める場合、勧告・命令などの権限を与えた。同法では住宅トップランナー制度として、住宅事業建築主が新築する1戸建てについて省エネ性能の向上を誘導。28年4月から先行して、企業のイメージを高めるエネルギー消費性能基準の表示に加え、容積率特例を実施している。

 一方、住宅トップランナー基準に適合しない場合として、年間150戸以上新築する事業者に対して、必要に応じて国土交通大臣が勧告・公表・命令などの権限を与えている。

 建築物省エネ法の施行により、従来の省エネ法に基づく修繕・模様替え、設備の設置・改修の届出、定期報告制度については、29年3月末をもって廃止される予定。

 省エネ関連で国は、28年5月13日に地球温暖化対策計画を閣議決定し、新築の建築物と住宅の省エネ化について、32年までに段階的な省エネルギー基準への適合を義務化するなどとしている。

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