伊師浄化センターの設備改築 主ポンプや電気棟で津波対策も(日立・高萩下水道組合)

[2017/4/11 茨城版]
 日立・高萩広域下水道組合(管理者・小川春樹日立市長)はこのほど、29年度当初予算の概要を明らかにした。昨年度から公営企業会計に移行しており、収益的支出には前年度当初比2.7%減の24億4364万円、資本的支出には8.9%増の20億4110万円を計上した。新年度の主な事業は、伊師浄化センターの中央監視設備改築事業に3億9190万円(29年度1億7635万円、30年度2億1555万円)の継続費を設定したほか、主ポンプ設備などの改築工事費、電気棟新築事業に向けて下水道総合地震対策計画見直業務委託料などを予算化。また、総合地震対策事業で下水道管路施設耐震化工事に入るとともに、田尻中継ポンプ場の耐震診断委託料や長寿命化計画に基づく管路施設点検調査委託料などを盛り込んだ。

 同組合は、日立市と高萩市の2市で構成し、日立市の北部地区と高萩市を対象に広域公共下水道事業を進めている。全体の事業認可面積は2544.5ha(旧日立地区1021.7ha、旧十王地区429.8ha、高萩市1093ha)となる。

 本年度の建設改良費には、5億4094万円を計上した。第7期整備事業の完了で管渠工事費が減少したものの、伊師浄化センターの設備改築工事費などが増額したため、前年度当初と比べて91.5%の大幅な伸びとなった。建設改良費の内訳は、管路改良事業費が1億5123万円、処理場改良事業費が3億8971万円となる。

 伊師浄化センターでは、管理棟内にある中央監視設備改築工事のほか、沈砂池ブロワの主ポンプ設備改築工事、汚泥処理棟の消化ガス発電設備(加湿設備)改築工事を予定している。中央監視設備は設置後28年が経過し、耐用年数が超えているうえに部品が製造中止となっているため、中央監視設備と制御装置を更新する。詳細設計は三水コンサルタント(水戸市)で策定した。工事は2カ年で実施する予定で、第1四半期の発注が見込まれている。

 主ポンプ設備は津波浸水の際にも運転が可能な水中ポンプを採用することで、安定稼動と機能向上を図る。主ポンプ(90キロワット)1台、補機設備(電動弁、配管等)一式、No.3主ポンプ盤1面、主ポンプ補機設備コントロールセンタ一式の更新を実施する。また、消化ガス発電設備(加湿設備)は経年劣化による腐食などがみられるため、排ガスボイラユニット一式の更新を行う予定だ。

 電気棟新築事業は、津波対策の一環で電気設備全停止のリスクを回避するため、2棟に分散してリスク低減を図るとともにバックアップ機能を持たせる。水処理棟と汚泥処理棟にある電気室を移す考えだ。建物は3層構造で高さは15.6m以上、延床面積は810平方mと750平方mを想定。1階は吹き抜けのピロティとし、2・3階部分に電気室を設け、屋上は緊急避難場所とする。

 下水道総合地震対策計画は、29年度に見直し業務を委託し、30年度に基本設計、31年度に詳細設計、32-33年度で建築工事を行う考えだ。

 田尻中継ポンプ場は津波浸水対策を計画しており、29年度はポンプ場の耐震診断業務を行う。工事の概要は設計作業のなかで決定していく考えで、30年度の事業着手を見込む。

 長寿命化計画に基づく管路施設点検調査は、24-38年度の計画期間で進めている。29年度は旧日立地区で延長9100m、旧十王地区で2000m、高萩地区で4900mのTVカメラ調査を実施する予定だ。

 総合地震対策事業は、下水道総合地震対策計画(管路施設)に基づき、28-32年度の5カ年で重要な管路の耐震化を図る。管と管の継手部や管とマンホールの接続部の可とう化、管とマンホール浮上防止対策などを予定しており、年次計画に沿って進める予定だ。総事業費には3億4800万円を投じる見込み。29年度は高萩地区で工事に着手する予定で、石滝で延長60.5mの管渠の耐震化(管更生工法)や東本町の12カ所でマンホール浮上防止対策を実施する計画だ。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.