老朽施設対策に55億円 本年度事業概要 県南西工水の連絡管整備 田宿地区工団は早期分譲図る(県企業局)

[2017/4/12 茨城版]
 県企業局の本年度当初予算は、3会計の合計で収益的支出が対前年度比8.7%増の334億0552万円、資本的支出が同9.7%増の264億6612万円となった。予算編成にあたっては、水の安定供給や県民ニーズに応えた事業実施、および健全経営を目指すことを基本に4項目の重点的取組方針を掲げ、この方針に沿った事業を盛り込んでいる。本年度の主な事業は、引き続き老朽化施設の計画的な改築・更新や第2次耐震化事業を進めるとともに、県南西広域工業用水道事業の連絡管の整備を進める。また、危機管理対策では広域水道事業間の緊急連絡管の整備を進めるとともに、水害を教訓に施設浸水の予防対策を検討。工業団地は、27年度に着手したつくば明野北部(田宿地区)の早期分譲を目指し、計画的に整備を行う。

 本年度の事業計画によると、水道事業は給水対象37市町村に1日あたり57万2075立方mの施設能力で給水し、年間給水量は1億3676万立方mを見込む。工業用水道事業は256事業所に1日あたり113万2680立方mの施設能力で給水し、年間見込給水量は3億2079万立方mとしている。

 地域振興事業の土地造成事業では、阿見東部工業団地が分譲面積48.3haのうち44.9haで立地が進み、本年度は1.9haの分譲を予定。江戸崎工業団地は分譲面積21.8haのうち19.9haが立地済みで、分譲予定面積は1.5haとなる。つくば明野北部(田宿地区)工業団地は、分譲面積28.7haが全て分譲決定。地域振興事業ではこのほか、格納庫事業で2棟を賃貸する。

 本年度の予算編成に盛り込まれた重点取り組み方針は、▽計画的かつ効率的な事業展開により、経営基盤の強化を図る▽老朽化施設の計画的な改築・更新、耐震化対策を推進する▽災害の発生に備えた危機管理対策の強化を図る▽工業団地への企業誘致を推進する──の4項目。

 このうち、「経営基盤の強化」では中長期的な視点にたって経営基盤の強化を図ることとし、29年度は予算額に7億3500万円を充て、企業局経営戦略(27-36年度)の推進や「水道加入促進事業」の減免制度を用いた水道普及率の向上、および県南西広域工業用水道事業の連絡管整備の推進などに取り組む。

 具体的には、県中央広域水道事業の基本料金を4月から月額で400円引き下げるほか、28年度から運転管理体制に民間活力を導入している那珂川浄水場の効果を検証する。28年4月1日に県西広域工業用水道事業と県南広域工業用水道事業を統合した県南西広域工業用水道事業では、事業間の連絡管整備を引き続き進める。

 工業用水道事業の統合は、圏央道開通の影響で県西工水(水海道給水系)の需給が逼迫し、現在の施設では新規水需要に対する給水が困難なことから、未売水が多く厳しい経営が続く県南工水から水を融通するために実施した。このための連絡管整備は28年度から着手しており、ルートの測量や実施設計を委託した。整備完了は34年度を目標とし、総事業費には22億円を見込む。

 「老朽化施設改築・更新および耐震化対策」では、浄水場施設の改築や設備の更新を引き続き実施し、あわせて管路の更新(耐震化)や水道施設の更なる耐震化も着実に進める。予算額には前年度から6億4800万円増の55億2500万円を確保し、霞ヶ浦浄水場改築(II期)などを継続するほか、阿見浄水場および関城・新治・水海道浄水場施設更新工事にも着手する。

 霞ヶ浦浄水場改築事業では、25年度から排水処理施設、粒状活性炭ろ過池、中間ポンプ棟を対象としたII期事業に着手した。改築期間は31年度まで、総事業費は約116億円を見込む。28年度末の進捗状況は55.1%で、本年度については粒状活性炭ろ過池の電気設備工事などを計画する。

 阿見浄水場施設更新工事は29年度から31年度を更新期間とし、29年度は中央監視制御設備更新の詳細設計を策定する。関城・新治・水海道浄水場施設更新工事の更新期間は29年度から44年度で、29年度は設備更新の基本設計をまとめる。

 28年度に着手した関城浄水場施設更新事業は30年度の完了を目指し、29年度は中央監視制御設備更新工事を計画。水戸浄水場と那珂川浄水場の施設更新事業はいずれも27年度から30年度を更新期間とし、本年度はそれぞれ中央監視制御設備更新工事を実施する。

 管路更新(耐震化)事業は、液状化による被害が懸念される管路の更新を進めている。事業期間は24年度から33年度までで、水道用水供給事業が約270億円を投じ延長157.8km、工業用水道事業が約370億円で165.3kmの管路更新を実施する。これにより、耐震化率は事業実施前の54%から74.4%に向上する見込み。本年度は予算額27億1700万円を確保して、事業の推進を図る。

 「危機管理対策の強化」では予算額3億8600万円を盛り込み、緊急時の浄水場間のバックアップ体制の強化を図るため緊急連絡管を整備するとともに、企業局施設の浸水想定箇所で詳細な予防対策を引き続き検討する。

 緊急連絡管の整備は、第2次耐震化事業に位置付けて実施する。この事業は、26年度から35年度までの期間で総事業費約52億円を投じ、異なる広域水道事業間を連結する緊急連絡管を整備する。28年度は、県西広域(新治浄水場)-県南広域(霞ヶ浦浄水場)の工事や測量・実施設計、県南広域(利根川浄水場)-県西広域(水海道浄水場)の基本設計、鹿行広域(鹿島浄水場)-県中央広域(水戸浄水場)の基本設計を実施した。

 「工業団地への企業誘致」は、阿見東部工業団地や江戸崎工業団地で圏央道の開通効果などをPRしながら積極的に企業誘致を展開していくとともに、つくば明野北部(田宿地区)も企業の進出ニーズを踏まえて早期分譲を図るため、計画的に工業団地の整備を進める。

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