東和で基本構想策定 廃棄物処理施設整備 焼却処理へ移行で(鹿嶋市と神栖市)

[2017/5/3 茨城版]
 鹿嶋市は、神栖市と共同で新たなごみ処理施設を整備する。このほど「一般廃棄物処理施設整備基本構想等策定業務」の入札を行い、東和テクノロジー(本社・広島県)が440万円で落札した。この中で、施設整備の基本方針の策定や用地の選定などを行い、続いて循環型社会形成推進地域計画の策定も発注する方針。市は来年度に国からの補助交付を受けるため、12月中の申請を目標にしており、それまでにこれら計画の策定を完了させたい考えだ。

 新たなごみ処理施設は、現在鹿島地方事務組合で実施しているRDF化事業を取り止めて焼却処理に移行する基本方針の下、整備を計画している。RDFについては、可燃ごみを破砕・選別・乾燥・成形して固形燃料を製造するが、乾燥の際に多くの燃料(灯油)を使用することが課題となっている。

 また、このRDFを使用する再資源化センターは、鹿島臨海工業地帯の企業から排出される可燃性産業廃棄物とともにRDFを焼却して熱エネルギーを蒸気や電気にして供給することができるが、ここでも多くの燃料を使用しており、さらに近年の技術革新で企業の排出する産業廃棄物も年々減少してきている。

 このように、処理の過程で二重に燃料を消費しCO2を排出している現状や、焼却方式が技術の進歩で燃料消費が抑えられ低コストで運転できる状況などを総合的に判断し、鹿嶋市と神栖市はRDF化を取り止めて、一般的な焼却方式に移行する判断を下した。

 このため本年度は、まずごみ処理施設整備の基本構想を策定し、両市のごみ処理に関する基本的な事項を整理して今後の施設整備計画などの方針を策定する。ごみ処理をめぐる現状や将来動向の把握、施設整備方針の検討、廃棄物再生利用整備方針の検討、施設整備基本構想などの内容で、東和テクノロジーに本年度末までの期限で委託する。

 ここで基本方針や用地の選定などを行って、引き続き循環型社会形成推進地域計画も発注する予定。この計画は廃棄物の3Rを推進し循環型社会を形成するため、総合的に廃棄物処理施設の整備を計画するもの。ごみ処理やリサイクルの現状と目標、処理施設の整備など施策の内容などを取りまとめ、計画の進行管理と事後評価を行う。

 この地域計画は国からの交付金を受けるために必要となるが、来年度に交付を受けるためには12月中に国に申請する必要がある。スケジュールは相当厳しい見通しだが、鹿嶋市では早急にこれら計画を取りまとめ、できるだけ12月の申請に間に合わせたい考えだ。

 なお、現状のRDFセンターは「広域鹿嶋RDFセンター」と「広域波崎RDFセンター」の2カ所が整備されている。鹿嶋RDFセンターは平井地内の約1万2000平方mに、S造一部SRC造3階建て延べ約6900平方mの工場棟とS造2階建て延べ約620平方mの管理棟があり、住友金属・フジタJVの設計・施工で13年3月に竣工した。

 波崎RDFセンターは波崎地内の約1万平方mに、S造一部SRC造3階建て延べ約7400平方mの工場棟(事務所含む)とS造平屋約84平方mの車庫棟が整備されている。極東・戸田JVが設計・施工を担当し、こちらは14年3月に竣工している。

 新たな燃焼処理施設の整備に際し、市は腹案として1カ所に集約して整備する案と、鹿嶋市および神栖市に1カ所ずつ2施設を整備する案の2案を用意している。集約する案は施設整備のコストが抑えられるが、建設地の選定・取得や住民の合意形成など課題も多い。

 一方の2施設を整備する案では、鹿嶋市側は鹿嶋RDFセンター敷地内に、神栖市側は鹿島共同再資源化センター(鹿島臨海工場地帯内、敷地面積3万平方m)に整備する考え。整備コストは増大するが、いずれも敷地に余剰部分があるため現在のRDFを稼動させながら燃焼処理に移行する事が可能であり、このあとこれら2案を基本構想の中で比較検討していく。

 燃焼処理に移行した際の施設の整備・運営については、基本的に現状と同じく鹿島地方事務組合で実施する方針としているが、現在の事務組合の規約ではこの移行に対応できないことから、この件についても今後検討していくとしている。

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