焼却施設修繕で3億円 新環境センター 月内に整備方針を判断(江戸崎衛生土木組合)

[2017/5/11 茨城版]
 江戸崎地方衛生土木組合(管理者・田口久克稲敷市長)の29年度当初予算は、一般会計に前年度当初を8.8%上回る14億7213万円を計上した。主な予算はごみ焼却施設の建て替えの遅れに伴い、前年度より約1億5000万円多い3億1111万円の修繕費を盛り込んだ。中断しているごみ処理施設整備事業費は工事費などの計上が見送られ、整備計画が再開した際に想定される経費のみを計上した。このほど検討チームによる最終報告で、「敷地拡張(案)」と「コンパクト敷地(案)」の2つのプランが提案されたため、これを基本に今後の方針を5月末ごろまでに判断する。

 同組合は、稲敷市と美浦村の1市1村で構成された一部事務組合で、稲敷市高田地内に立地するごみ処理施設「環境センター」の設置・管理のほか、火葬場及び斎場「聖苑香澄」の設置・管理、建設機械の購入・維持管理、公共的土木事業などの業務を行っている。

 ごみ処理施設は老朽化に伴い、21-25年度で第I期施設整備事業、26-30年度で第II期施設整備事業を計画。新環境センターは敷地北側の山林約1万7000平方mを拡張して、28年度に着工する予定だった。しかし、山林が稲敷市議とその親族の共有地であったことが全員協議会で問題視され、市議が売却を辞退。昨年8月には、これまでの事業を精査するために検討チームが設置された。

 「敷地拡張(案)」は従来から施設整備検討委員会で協議されてきたもので、一定の用地拡張を行うため既存のごみ処理業務への影響は小さい。敷地面積は既存の3万平方mに、拡張用地1万7000平方mを加えた4万7000平方m。周辺住民の同意は得ており、拡張予定用地の地権者とは覚書を締結済みとなっている。費用は施設整備費に90億円、用地購入費に1億4000万円、設計監理を含む基盤工事費に3億4000万円を見込む。

 「コンパクト敷地(案)」は、敷地が狭小なため既存のごみ処理業務への影響が大きいとみられる。新たに道路用地として7600平方mを確保し、敷地面積は合計3万7600平方mとなる。勉強会での代替案のため、施設整備検討委員会や周辺住民らの合意には至っていないが、道路用地の地権者の意向は好意的だ。費用は施設整備費に90億円程度(計画変更による増額分は含まず)、用地費に3000万円が見込まれるが、課題や問題点への対応があることから数億円程度の増額が予想される。さらに、施設計画や都市計画手続業務、生活環境影響調査業務などの見直しに7000万円が必要だ。

 また、検討チームでは循環型交付金だけではなく、震災復興特別交付税の活用も視野に入れて事業を進めることを提案している。このためには活用期限の32年度に配慮しつつ、なるべく早い時期での最終判断が必要としている。

 新年度予算には、施設整備計画支援業務委託料に1億1760万円(29年度8960万円、30年度2800万円)の継続費を設定しており、事業の方針が決まれば業務を委託する予定だ。これまでは、エイト日本技術開発水戸事務所(水戸市)で「施設整備計画支援業務(ごみ処理施設建設発注手続き支援等業務)」を行っていた。また、施設建設事業技術支援業務は全国都市清掃協議会が担当している。

 新ごみ焼却施設は、ストーカ式または流動床式(全連続焼却方式)を採用し、処理能力は1日あたり70t(35t×2炉、災害廃棄物処理1日あたり約12tを含む)を想定している。事業はDBO方式(設計・施工と20年間の運営・維持管理の一括発注)を導入する予定だ。

 ごみ焼却施設は、平成元年に稼動を開始してから29年目を迎えている。一般に施設の寿命といわれている30年を目前に、維持管理費は増大の一途をたどっている。焼却施設の修繕費には約3億1000万円が計上されており、中央制御監視システム(DCS)の更新に1億0584万円、落下灰コンベヤ2および飛灰移送コンベヤ1・3の更新に3466万円、No.1・2号破砕機破砕刃修繕に2738万円、空気圧縮機更新に3821万円などを投じる予定だ。

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