建築物基本設計が完了 新市民会館 来年秋の着工目指す(水戸市)

[2017/8/1 茨城版]
 水戸市は7月28日、新市民会館施設建築物の基本設計をまとめて、市議会の特別委員会に報告した。6月に公表した中間案と比較すると、国道50号側の外側の梁を止めて、より木柱を強調したものに変更している。今後は、引き続き事業主体の「泉町一丁目北地区市街地再開発準備組合」(宇野光一理事長)と伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所JVとで契約を結んで実施設計の策定に着手し、30年秋にも着工して32年度の完成を目指す。

 新市民会館は、泉町1丁目北地区第一種市街地再開発事業の主要施設となるもの。大ホールを中心に多機能ホールや展示ホール、会議室などを設け、3000人規模のコンベンションが開催できる機能を備える。劇場の外側には公共的な広場を、やぐら広場という木造の伝統的な工法を進化させて設置する。これら公益施設のほか、駐車場や商業・業務施設も設ける。

 このほどまとまった基本設計によると、施設建築物はRC造、一部S造・木造、地上4階地下1階、建築面積7145.3平方m、延べ2万2800.3平方m、最高高さ35.8mの規模とする。

 内部には、大ホール、中ホール、小ホールに舞台や客席、ホワイエ、楽屋、練習室を設けるほか、展示ホール部門や会議室部門、小練習室やスタジオ、和室などの創造支援部門、エントランスホールやロビー、喫茶、託児室などの交流部門、事務室などの管理運営部門を設ける。

 配置計画は、大ホールを敷地中央に置いて高さを抑え、周囲に圧迫感の少ない建物とする。南側(国道50号側)には商業エリアやスタジオ、展示ホール、会議室を設けて日常的なにぎわいを、北側(水戸芸術館側)には大ホールのホワイエを配置して芸術館と相まった文化芸術の顔をつくる。

 外装デザインは、四方を52cm×67cmの断面の耐火木柱で構成し、力強いシンボル性を持たせる。外周部の木柱を保護するため、表面にはアルミキャストパネルを設け、また外部サッシの外側に日射を遮蔽するルーバーも設置する。

 大ホールは3層構成で計2000席の観客席を有し、様々な催し物が可能な多目的ホールとする。様々な用途に対応するため可変性を持たせるとともに、様々な演目に高水準な専門性能を有するホールを目指す。

 中ホールは観客席490席の、日常的に使いやすい規模のホールとし、同じく様々な催し物の開催が可能な多目的ホールとする。小ホールは大練習室として、大・中ホールのリハーサル室や控室、各種講座や市民の活動発表の場、講演会や式典の会場などとしての利用を想定する。

 防災計画は、防災用備蓄倉庫の確保や防災センターの設置、自家発電設備の設置や災害時の上水供給などを図り、利用者の保護や避難場所の確保に努める。また、施設建築物の耐震安全性の確保や耐火性能に適した木材の利用、ガラス面や天井面の安全性の確保にも努めて、災害に強い安全性を確保する。

 環境計画は、地下水利用ヒートポンプ熱源+電気式空気熱源ヒートポンプ+ガスエンジン式ヒートポンプを併用し、省エネルギー化を図る。外装にはLow-eペアガラスや日射遮蔽ルーバー、高断熱材などの導入で空調負荷を低減し、屋上緑化にも努めて建物の環境性能向上に貢献する。

 構造計画は、耐震性能に構造体「II型」、建築非構造部材「A型」、建築設備「乙類」に相当する性能を持たせる方針とし、十分な耐震安全性を確保する。建物はRC造を中心に構成し、ここは耐震壁付きラーメン構造とする。その南側は鉄骨梁+木柱部、北側の「やぐら」は集成材を用いた木架構とする。

 新市民会館の基本設計では、第一次案で伊東豊雄建築設計事務所のプロポーザル案よりも建物の高さを抑え、屋上庭園を設けるなど利用者により親まれる構成とした。中間案では建物の東・西・北面の構造木材の外側に木部保護のための部材を設置し、また外部サッシの外側に日射を遮蔽するルーバーも設置するよう変更した。

 今回の最終版では、特に南側で外側の木製の梁を廃し、伊東豊雄建築設計事務所のプロポーザル案の特徴であった木柱をより強調するものに回帰している。また、西側の日射遮蔽ルーバーも若干配置を変更している。

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