栃木市39.5億で来秋着工 文化芸術館RC一部S造 文学館は意匠復元し増築棟

[2017/8/1 栃木版]
 栃木市はこのほど、(仮称)市文化芸術館・文学館の基本設計をまとめた。今後は、今年度末までに実施設計をまとめた後、30年10月~32年3月まで工事を実施。33年度の開館を目指すとしている。2施設の概算事業費は、39億5000万円。このうち、文化芸術館の工事費が28億4000万円、文学館の工事費が6億7000万円としている。

 市では、歴史・文化・芸術の顕彰の場や美術品・工芸品を展示する場として、(仮称)市文化芸術館と文学館の整備を計画。基本設計および実施設計は、佐藤総合計画(東京都墨田区)が担当。展示設計は、乃村工藝社(東京都港区)が担当。

 整備基本構想によると、施設の計画地は旧市役所本庁舎を解体した跡地(入船町7-26)の8041.73平方m。文化芸術館は、3000~3300平方mを目安に検討。文学館は、旧栃木市役所別館(旧栃木町役場庁舎、大正10年11月建設・木造2階建て延べ床1040平方m)を改修して活用する。

 計画地の敷地西側には、駐車場(48台)を配置。敷地東側と南側には散策路を整備。南側散策路には、県庁堀の景観を生かしたアプローチ空間を計画する。

 文化芸術館については、水害対策で建物全体の床面を嵩上げ。建物は耐震構造とし、上部はRC造一部S造とする。

 展示活動の諸室(展示室A・B・C、雪月花スペース、市民ギャラリーなど)は、中央付近~北東に配置。雪月花スペースは、喜多川歌麿の高精細複製画の同時展示等に対応できる空間とする。収集・保存活動の諸室(資材庫、一時保管庫、搬入口、収蔵庫など)は、展示活動のための諸室の西側に隣接するように配置し、収蔵庫は浸水被害等に備えて2階に配置。管理のための諸室(事務室、会議室、学芸員作業室など)は南西側に配置。教育普及・交流・情報受発信活動の諸室(ロビー、ショップ・カフェ、多目的スペースなど)は、メインエントランス(東側)やサブエントランス(南側)に接するように南東側に配置する。

 中央廊下には扉を設け、展示室にも利用できる展示回廊を計画する。展示室には展示ケースや展示可動壁を計画。市民ギャラリーは展示可動壁、雪月花スペースには展示ケースの設置を計画する。ランプは、LEDを主体として計画。空調設備について収蔵庫と一時保管庫は、恒温恒湿型のパッケージエアコンを計画し、二重壁内も空調を実施。共用部分は井水の有効活用による床輻射冷暖房システムを計画し、井水はトイレや屋外散水にも活用する。

 外部は、市になじみ深い蔵のような落ち着いた形状とし、分割した立面構成と、建物の高さに変化をつけることで文学館との調和を図り、蔵の群れのような景観を形成。県庁堀沿いに建物本体と切り離した庇を設ける。駐車場および来館部分の舗装の素材は平滑なものとする。2施設の間にあるひろばは芝生等の緑地を整備。雨水は敷地内に貯留し、地下に浸透させるという。

 文学館については、内部は可能な限り建築当時の意匠を復元。耐震構造とし、上部を鉄骨で耐震補強。耐震補強は部材の露出が最小限となるよう配慮。2階の諸室は、特徴的な天井意匠を損なわないようにし、紫外線による資料の劣化防止の対策を行う。文学館建物の意匠と雰囲気などに配慮し、南西側に増築棟を配置。増築棟にメインエントランス、トイレ、エレベーターを設ける。既存の南東部にある後年増築部は、解体撤去する。

 1階には、北側および東側の外周にギャラリーを配置。大広間部分には、各種用途に対応し、建物の雰囲気を楽しめる空間として、とちぎサロンを配置。2階には展示室、企画展示・多目的室、資料等保管室兼作業室を配置する。

 外観は時計を除去するなど、可能な限り建築当時の意匠を復元。増築棟は、外観意匠を損なわないよう配慮。耐震補強にあたっては、外観意匠に配慮し、補強部材が見えないように配慮する。

 照明設備は、一部建築当時の器具の復元を検討。ランプは、LEDを主体として計画する。空調設備は、各階の機械室に設備用床置型EHPを設置し、天井のスリットから吹出と吸込を行う。

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