建設業134社でトップ 28年増収率ランキング(東京商工リサーチ)

[2017/9/5 栃木版]
 東京商工リサーチ宇都宮支店は4日までに、県内企業の成長力を示す平成28年(1~12月)県内増収増益企業増収率ランキングをまとめた。売上高5億円以上の増収増益企業は475社(調査対象企業1416社)で、このうち建設業は災害復旧工事を中心に公共工事の発注量を一定規模確保したほか、首都圏における再開発事業などの特需を吸収した結果、前年に比べ15社多い134社となり2年連続して業種別トップとなった。企業別の増収率では、山野井組(栃木市)が439.0%、ワタナベ土木(同)282.3%が総合1位と2位となり、建築・土木工事業等を主体に建設業は7社がトップ10入りを果たした。

総合1位は山野井組

 建設業の総件数は、平成27年の119社に対し134社と15社の増加。製造業や販売業などの他業種に比べ絶対数が少ない中で、業種全体として全業種に占める28年の構成比は28.2%と製造業、販売業などを押さえ27年に続き2年連続の第1位となった。

 建設業は、東日本大震災後の復興需要をはじめ、25年はメガソーラー設置を含む太陽光発電工事、26年は公共工事の発注量や耐震補強工事を始め、庁舎建設工事など比較的大型案件の潤沢な恩恵を受けた。27年は消費税増税後の景気停滞の反動を受けた他業種に比べ、落ち幅が比較的緩やかな中で公共工事をはじめとする一定規模の発注量に支えられた。今回は関東・東北豪雨被害の本格的な復旧に加え、首都圏をはじめとする再開発事業等の恩恵を受け、24年に100社台に乗った好調さを持続した。

 建設業は経営規模が比較的小さいため、増収額が伸び率に与える影響が一般的に大きいとされるが、28年も太陽光発電関連工事のほか、災害復旧やインフラ関連などの公共工事、民間企業からの大型工事などにより、増収増益を確保している。

 東日本大震災関連工事は終了。学校をはじめ耐震化や太陽光発電工事も収束に向かっており、比較的好調だった前年に比べると、業種別売上高は前年比で7.3%減の125億1765万円のマイナスとなった。また、1社当たりの増収額についても9341万円のマイナスとなっている。件数トップの建設業だが、売上高の1581億円は、4業種の中で最低となっており、比較的規模の小さな企業が大型案件を施工したことで、増収率が大幅にアップしランクインにつながったなどとしている。

 全業種における増収企業は前年に比べ31社増加し、ランキング対象企業に占める構成比は33.5%。実数では475社となり、18年からの過去11年間で件数は24年に続き5番目となっている。

 20年は全業種の総合ランキングで10位までに5社、21年も3社がランクインしていた建設業だが、22年は宇都宮ユーミー建設(宇都宮市)の1社に止まった。23年は積水ハウスが100%出資する積和建設北関東(宇都宮市)が3位にランクインしたほか、半数の5社を占めた。24年は6社に増え、25年と26年は8社までが建設業と過去7年間で最も多い数字を2年間維持し、27年は販売業と二分する形で4社となっている。今回は災害復旧工事や大型建築案件施工で完工高を倍増させた企業の増加などにより、7社と他業種を押さえ単独で1位となった。

 総合ランキングトップの山野井組は、大正15年に創業した老舗の土木建築工事業者。平成5年2月以後は、岡建設グループが経営権を取得し、関係会社との吸収合併を経て、総合建設業者として実績を重ねてきた。前年から続く大平南小学校の改築工事が完工したほか、市営住宅や学校体育館の完工があり、大幅な増収を達成した。

 総合2位のワタナベ土木は、公共工事を中心とした体制で推移してきたものの、業歴を重ねるごとに民間工事に軸足をシフトし、大手工場の営繕工事を定期的に受注している。28年は民間施設の大型案件や保育園新設工事で実績を残してきた。

 総合5位の安中建設(鹿沼市)は、戦前創業の老舗建設業者。注文住宅やマンション、商業施設の建築を中心とする一方、業歴を重ねるごとに土木工事にも進出しており、近年は公共工事でも実績を残している。28年9月期は、鹿沼市内3カ所の護岸工事を受注したほか、幼稚園増改築工事で5億円を超える大型案件を完工した。

 総合6位の栄輪工業(上三川町)は、平成23年1月に創業した地区後発の鉄骨工事業者。同業他社の下請けを基本としていたものの、実績を重ねるごとに大手業者と直接取引を開始。高い技術力を背景に、設計込み難易度の高い案件なども着実に完工しており、28年9月期は既存得意先からの受注が安定していたほか、設備投資の実施による顧客ニーズへの対応が向上し、高い増収率につながった。

 総合7位の石野内装(宇都宮市)は、商業施設やマンションなどの大型案件施工に強みを持つ内装業者。ゼネコン等を中心とした有力建設業者を得意先に開拓し、民間から公共工事まで幅広い案件に対応。28年7月期は大型案件を施工し増収率アップにつながった。

 総合8位のアズプラン(同)は、業歴12年のリフォーム工事業者。県央地区を中心に実績を重ねており、28年3月期は大型案件施工と受注安定で増収率アップを実現した。

 総合10位の明洸電設(同)は、50年の業歴を誇る電気工事業者。公共工事を中心に有力建設工事業者を得意先に開拓し、高収益体質の構築とともに安定した経営基盤を構築してきた。28年9月期には大型案件を施工し大幅な増収につながった。

 総合トップテンからは外れたものの、業種別で8位に付けた田島工業(那珂川町)は、戦前に創業した設備工事業者。公共工事や民間業者の下請けで基盤を構築。27年8月期までは、2億円台の完工高であったが、大型案件の施工とともに、完工高は5億円を突破した。

 業種別9位のアド宣通(宇都宮市)は、内外装や看板工事を手掛ける業者。大手ホームセンターからの受注を中心としていたものの、商業施設のトータルプロデュースを開始するとともに、各サービス業者に得意先を開拓。28年6月期は主力取引先からの受注が好調に推移したほか、新規得意先の開拓も奏功した。

 業種別10位のテックス(同)は、大手量販店を得意先とする建築工事業者。大手食料品量販店の多店舗化等で、受注が好調に推移した。

 製造業分類の8位は、増渕生コン(同)が前年比134.3%の増収率で売上高5億0786万円、販売業4位のエコ革(佐野市)は産業用太陽光発電で独自性を発揮し、181.8%の21億7046万円となった。

 このほか、その他業種では、1位に土木設計コンサルタントのピーシーレールウェイコンサルタント(宇都宮市)が前年比169.8%の増収率で売上高15億4116万円。同2位は宇都宮建設事業協同組合(同)で、増収率が前年比169.7%の売上高は7億3940万円となっている。

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