平準化へゼロ債務負担行為 来年度分に約44億円 公共事業費は約45億円を追加(県の10月補正案)

[2017/9/29 茨城版]
 大井川和彦県知事は28日、県庁で記者会見を開き、10月3日に開会する県議会第3回定例会の提出議案を明らかにした。一般会計補正予算案は58億2600万円を追加して、補正後の総額を1兆1191億2600万円とする。今回は、公共事業費に国補公共事業、県単公共事業をあわせて44億6500万円を追加したほか、地方創生拠点整備交付金の内示に伴う事業費や安心こども支援事業費などを予算化。あわせて、来年度の公共工事の平準化を図るため、43億5500万円の債務負担行為を設定した。

 今回の補正予算は、国から内示のあった国補公共事業や道路危険箇所の修繕など、必要最小限の項目に厳選して計上した。財源には、国庫支出金や県債などを活用するとともに震災復興特別交付税を充当し、そのほか所要の一般財源については繰越金(約1億0100万円)を活用している。

 補正予算は一般会計のみで、特別会計や企業会計の補正は無かった。補正後の一般会計の前年度予算(9月補正、1兆1296億6600万円)に対する伸び率は、0.9%のマイナス。なお、衆議院議員選挙の執行に要する経費13億3400万円については、28日付で専決処分している。

 主な事業費をみると、「社会資本の整備」では国の内示の増に伴い、地方道路整備事業や直轄事業負担金など国補公共事業費で40億1700万円を増額。内訳は、地方道路整備事業が石岡小美玉スマートICアクセス道路(仮称)や国道294号常総拡幅など、道路改良4カ所に16億8200万円を盛り込んだ。

 直轄事業負担金は、道路で東関東自動車道水戸線や国道6号ほかの道路改良8カ所、橋梁工6カ所などに10億9400万円を、治水で関東・東北豪雨関連の河川激甚災害対策特別緊急事業を活用した鬼怒川の集中的な改修1カ所をはじめ、堤防整備・掘削9カ所に4億5200万円を、港湾で東日本大震災関連の鹿島港(南防波堤、中央防波堤)における防波堤整備に4億5000万円を確保した。

 県単公共事業費も防災・減災対策事業で4億4800万円を追加し、道路の落石防止や河川の堤防修繕などを実施する。事業箇所は、落石防止が5カ所、護岸整備が3カ所などとなっている。

 地方創生推進交付金活用事業では、繊維やプラスチック関連企業などへの支援を強化するため、新たに繊維・プラスチック産業支援拠点整備事業に1億1900万円を予算化して繊維工業指導所の改修などを実施する。整備の内容は、高精度な温湿度環境や防塵・気密性、セキュリテイの確保のための空調設備改修や、仕切壁の設置などを予定する。

 また、プロフェッショナル人材戦略拠点運営事業にも2000万円を追加し、サブマネージャーとアシスタント各1人を追加するなど、県内中小企業における都市部大企業の人材活用を促進するための企業訪問といった各種取組を強化する。

 このほか、安心こども支援事業は健やかこども基金を活用して10億4200万円を追加し、民間保育所などの整備に対する支援を行う。施設数は16施設を予定し、補正後は計18施設となる。

 畜産競争力強化対策事業では1億3000万円を計上して、畜産経営体の収益性向上のため家畜飼養管理施設(牛舎など)、家畜排せつ物処理施設(堆肥舎)などの整備に対する支援を行う。実施主体は畜産農家で、個人1件と法人1件の計2件。補助要件は、実施主体とJA、耕種農家、市町村などによる地域における協議会の設置を求める。

 ヘリコプター運航管理費では、警察航空隊のセキュリテイ対策強化を図るため5000万円を追加した。フェンス改修や侵入警戒センサーの設置、警戒カメラの増設などを予定し、茨城空港についても国補公共事業(直轄事業負担金)で予算計上している。

 なお、債務負担行為については来年度の公共工事の平準化を図るため、いわゆるゼロ債務負担行為を設定する。これは、債務負担行為を設定することで本年度内に契約手続きを済ませ、30年4月当初から工事の実施を可能にするもの。これにより工事の発注時期を年間を通して平準化し、働き方改革へとつなげていく。

 県ではこれまでも、公共工事の前倒し発注で平準化を試みてきたが、どうしても4-6月には発注できないなど十分ではなかったことから、ゼロ債務負担行為の設定に踏み切った。事業費を担保して契約を前倒しするが、実際の予算計上は30年度予算となるため、執行は4月からとなる。

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