実現可能な施設計画抽出へ 県南3市町の水道水 南摩ダム再開で調査着手(県生活衛生課)

[2017/9/30 栃木版]
 南摩ダム建設に伴う思川開発事業の再開が決まり、県と栃木・下野・壬生の3市町は、水道施設の整備に向け調査や検討が始まった。7月に県南広域的水道整備事業検討部会が開かれ、施設計画等の基礎的な調査検討に着手。県生活衛生課によると、一級河川思川にある取水堰など既存施設の活用に向けた調査検討や施設配置を検討、今年度末を目途に取水候補地を選定し、実現可能な施設計画を抽出していくとしている。施設計画の抽出に伴う水道施設広域化調査検討業務は、日水コン(東京都新宿区)が担当している。

 南摩ダムに保有する県水は、毎秒0.403立方m。県は思川の取水位置を決め、取水施設や導水施設、浄水場などを整備し、参画の3市町に供給する計画。3市町は現在、全量を地下水で水道水を賄っており、24年度末にまとめた「栃木県南地域における水道水源確保に関する検討報告書」では、野木町を合わせ平成42年度を目標に表流水の比率を35%、日量3万5000立方mまで高めていくとしている。

 地下水の代替水源として表流水の比率を高めていくことは、県南地域における地盤沈下や地下水汚染が危惧されるためで、同報告書では水道水源を地下水のみに依存し続けることは望ましくないとしている。また、異常気象による渇水リスクが高まる中、県南地域には水道水源として水資源開発施設がないことに危機感を示し、水資源開発には相当な期間を必要とすることから、長期的な展望に立って、事前対策を講じていく必要性に言及した。

 今年度の調査では、水道水を供給するに当たって、取水先の思川から3市町のエリアに、活用可能な施設がどこにどのような形で存在しているか、既存施設の資料を収集し把握するとした。具体的には、取水・導水施設、浄水施設、配水施設等その他関連施設としている。

 調査では、資料による把握が可能な範囲内で、新設や既存設備の活用など複合型の可能性を検討し、考えられる組み合わせを整理する。また、組み合わせの中で実現可能な施設計画を3パターン程度抽出するとしている。

 実現可能な施設計画を抽出した上で、30年度以降は最適案を抽出。最適案による施設の概略設計をまとめ、概算事業費を試算するとした。

 思川開発事業は、30年度に導水路工、31年度には南摩ダム本体工を公告。導水路工は取水放流工を含め35年度まで、南摩ダムは基礎掘削や盛立工を経て36年度に試験湛水を行うとしており、計画では37年度にも表流水への転換が可能になる。

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