駐車場や便益施設を 弘道館東側用地 観光客増加に対応し整備(水戸市)

[2017/11/7 茨城版]
 水戸市はこのほど、弘道館東側用地整備の基本計画を策定した。弘道館や大手門などへの観光客の増加に対応するため、駐車場を整備するとともに広場やトイレ、休憩施設、売店、観光案内所を配置する。計画によると、駐車場は30年度に設計を策定して工事に着手し、31年度中の供用を予定。広場とトイレも同じく30年度に設計をまとめて31年度中に供用し、その他の施設は以降、段階的な整備を図る。

 市は弘道館・水戸城跡周辺地区で、歴史的資源の保全と歴史的景観の形成を図るため道路景観整備を進めている。また、26年度に策定した「弘道館・水戸城跡周辺地区の歴史まちづくり基本構想」で国有地である弘道館東側用地の有効活用を位置付けていることから、市は弘道館を訪れる市民や観光客の利便性の向上を図り、様々な課題を整理しながら整備内容、スケジュールなどについて具体化するため基本計画を策定した。

 弘道館東側用地は、水戸駅から北へ徒歩8分ほどの高台にあり、東側を水戸城跡を構成する二の丸土塁・堀(県道232号線)、南・西を道路(市道上市6号線)、北を宅地に囲まれた弓なりの地形となっている。土地利用状況は国の機関の職員宿舎跡地などとなっており、北側の一部は市三の丸臨時庁舎の公用車駐車場として暫定利用されている。

 この地区で市は、東武館や二の丸展示館の整備を実施し、また、水戸城大手門復元整備工事が始まるなど、歴史的建造物の整備、道路景観整備事業などを推進している。特に、水戸城を象徴する歴史的建造物である大手門、二の丸角櫓、土塀の復元整備は「弘道館・水戸城跡周辺地区の歴史まちづくり基本構想」の中で主要施策として位置付けており、国体が開催される31年9月までの完成を目指している。

 弘道館の来場者数は年々増加しているにもかかわらず、弘道館周辺の駐車場は弘道館専用駐車場と県三の丸庁舎駐車場に限られていて不足している。さらに、「旧弘道館保存活用計画書」で中長期的には弘道館専用駐車場を廃止することとされている。

 今後、弘道館への来場者数の増加や大手門の完成などによる観光客の増加に対応するためには、駐車場の確保が必要となっている。また、観光交流人口の増加に向け歩行者がより歩きやすい、活用しやすい機能の充実が必要となり、休憩スペースとしての土地利用が求められる。

 これらを踏まえて、整備基本方針には▽歴史にまつわるイベント等に活用できる広場機能▽安全で使いやすい駐車場機能▽憩いややすらぎを感じることができる便益機能──を位置付け、歴史的景観に十分配慮しながら機能を導入する。

 基本方針に掲げた機能は、水戸城大手門や弘道館などの周辺景観との調和、来訪者の利便性・安全性などを勘案して区域A・Bの2エリアに分け、区域Aは駐車場機能を、区域Bは広場・便益機能を整備する。

 区域Aでは、普通車を概ね45台分、大型バスを概ね5台分、身体障害者用を概ね3台分配置し、ピーク時の不足分は県三の丸庁舎駐車場の共用や周辺の民間駐車場を案内することで対応する。また、レンタサイクルでの来訪者にも配慮して、駐輪スペースも設置する。

 区域Bでは、広場機能としてイベント等スペースを配置。便益機能はトイレ(約70平方m)、休憩施設(約180平方m)、売店(約50平方m)、観光案内所(約25平方m)を用意し、整備については民間活力の活用を十分に検討することとする。これらの施設は、区域Bの一部が大手門整備中にバックヤードとなることから、大手門完成時期を勘案しながら優先順位を定めて段階的に整備を進める。

 アクセス道路は、大手門の整備に伴い市道上市206号線の拡幅ともに、市道上市205号線の対面通行化(現市道353号線)を進めてきた。市道上市6号線のこのエリア前面の対面交通化も検討したが、観光客や歩行者の安全確保を優先して対面交通化を行わない方針とし、安全対策として歩道の拡幅や隅切り部分の拡大など必要な対策を講じる。

 整備スケジュールは、用地取得を進めるとともに区域Aは30年度に基本・実施設計に着手し、既存建物(職員宿舎)解体工事の後、31年の年明けにも駐車場の整備を開始して31年度中に供用する。

 区域Bは大手門完成(31年9月)時期を勘案しながら、段階的に整備する。このうち、広場とトイレは30年度に基本・実施設計、31年年明けから整備工事を実施して31年度上半期にも完了させる計画となっている。

 概算事業費は、区域A(約2500平方m)のアスファルト舗装に5000万円、柵や照明などに800万円を、区域B(約1500平方m)のイベント等スペースに3800万円、トイレに4500万円、休憩施設に4500万円、売店に1500万円、観光案内所に750万円と、その他飲料・散水栓で100万円(単独整備の場合)を見込む。さらに用地費として、約4600平方mに2億6500万円(概算の職員宿舎解体工事費含む)を試算している。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.