事業中止の規定盛る 狭あい道路整備 制度改定で意見募集(水戸市)

[2017/11/9 茨城版]
 水戸市は6日から、狭あい道路整備事業の制度改正について意見の公募を開始した。この改正は、これまでの基準の運用で生じた課題などを整理し、効率的・効果的な事業の推進を図るために行うもので、現行の2つの基準を廃止して新しい基準へ一本化し、採択要件や用地取得の基準を統一する。また、状況の変化で事前協議が長期間に渡ってしまうことや、事業採択後も円滑に進まず休止せざるを得ない路線が多くあることから、改正案では事前協議に有効期限を設けるとともに、事業中止の規定を設けている。

 市民生活に密着した生活道路は重要な社会基盤だが、幅員4mに満たない狭あいな道路も依然として数多く存在している。安全・安心な住環境を確保するためには、市と市民が協働し狭あい道路の解消を図っていく必要があることから、市は関係地権者の同意が得られた要望路線から順次、拡幅整備を行っている。

 現在の制度では、申請の事前協議後に地元での合意形成に期間を要してしまい、その間に現地の状況や所有者に変更が生じたために事前協議をやり直す必要が生じるなど、協議が長期間に渡ってしまうケースが発生している。

 また、事業着手後も相続手続きや境界立会の不調などによって、休止せざるを得ない路線が多数存在する。しかしながら、現在の制度では事業の中止に関する規定がないことから、これらの路線は長期間「休止状態」となっている。

 そのため、待機路線の中止に関する規定を定め、多数の待機路線を整理することで、地元の合意形成が図られている路線の整備をより円滑に進められるよう、制度を改正する考え。併せて、建築基準法の主旨に基づいて適切に後退した路線の整備を推奨するため、採択基準の一部見直しも行う。

 現在、市では1つの事業を実施するための整備基準が「買収基準」と「寄附基準」の2つ存在する状況となっているため、改正案では現行の2つの基準を廃止し、新しい基準へ一本化する。

 今回大きく変更を予定している箇所は、[1]路線全体の後退率要件に加え、宅地として利用されている敷地のみにおける後退率を採択要件とする[2]整備のための土地の取得は、用地寄附により行う[3]事前協議に有効期限を設け、事業採択後の境界立合の不調や、関係地権者の不同意があった際の中止の規定を設ける──となっている。

 [1]の採択要件については、現行基準では買収基準が「申請路線全体で後退率80%以上」で、寄附基準では後退率を問わなかったが、改正方針案では一本化したうえで「路線全体での後退率80%以上、かつ、宅地部分の後退率80%以上」とする。

 [2]の用地取得は、買収基準が「買収」、寄附基準が「寄附」となっているものを、改正案では「後退敷地部分は寄附、すみ切り部分は買収とする」(すみ切り部については建築基準法に規定されていないため)へと改める。

 [3]の事業採択後の取り扱いについては、現行基準はいずれも規定が無かったが、改正方針案では「事前協議の有効期限は1年間とする」「関係地権者の責務として抵当権や相続等の整理が遅滞なくできるように努めることとする」「事業休止に伴う協議期間は1年間とし、協議がまとまらない場合には事業を中止する」との規定を設ける。

 市は今後、今回のパブリックコメントで寄せされた市民からの制度改正への意見を踏まえ、30年4月1日の新しい制度の施行に向けて要項の公布などの手続きを進めていくとしている。

 制度改正の資料や旧基準は市のホームページから閲覧が可能で、意見がある場合は12月5日までに建設計画課への直接提出か郵送、FAX、Eメールのいずれかで提出する。問い合わせも建設計画課(電話029-224-1111・内線402、直通電話029-232-9233)まで。

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