来月にも設計を発注 鹿行南部地区の病院再編整備 分院の建設を先行(神栖済生会病院)

[2017/11/10 茨城版]
 神栖済生会病院と鹿島労災病院の再編統合は、本年度から施設整備に着手する。本年4月に決定した基本構想に基づき、神栖済生会病院の隣接地に増築して本院を設置し、鹿島労災病院の跡地には分院を整備する。まずは分院を先行して整備することとし、現在は12月か30年1月にも設計を発注できるよう準備を進めている。引き続き、施設の建設工事を行って31年1月ごろにも竣工し、31年4月ごろに鹿島労災病院を神栖済生会病院に統合して分院を開院する考え。本院(増築)の設計策定や建設工事は、分院開院後に実施する計画となっている。

 再編統合の基本構想によると、本院(新病院)は神栖済生会病院を増築して整備し、両病院でそれぞれ行っている診療科を引き継ぐ。病床数は、現在の179床とあわせて350床程度を目指すこととしているが、実際には今後の医療政策や患者受療動向の変化、医師や看護婦など職員確保の状況などを総合的に判断して決定する。

 鹿島労災病院の跡地には、分院(診療所)を開設する。診療科は内科と外科、整形外科、小児科などの設置を目指し、また有床診療所として比較的軽症の患者の短期間の入院診療を行う。このほか高齢者向けの介護福祉施設についても、神栖市の介護保険事業計画の策定にあわせて、必要な施設の整備を今後検討していく。

 新病院開院に向けたスケジュールは、29年12月から31年1月ごろまでの期間でまずは分院の設計と建設工事を実施し、準備期間を経て31年3月か4月にも両病院を統合し、分院を開院する。本院の増築分の設計や建設については、31年度以降を予定する。

 分院は現在、設計の発注に向けた準備が進められている。建設地は鹿島労災病院の駐車場で、建物の規模についてはこのあと設計の中で精査していく。設計の発注は、一般競争入札も含めてどのように行うのか検討中となっている。

 両病院をめぐっては、鹿島労災病院で医師が大量に退職するなど鹿行南部地域内の救急医療提供体制が崩壊している状況にあり、また29年に新専門医制度が発足するとこれらの病院には若手医師が勤務しなくなることも想定されることから、両病院をはじめ神栖市や県医師会などの関係者に学識経験者を加えた検討委員会を立ち上げて協議を重ねてきた。

 検討の結果は、鹿島労災病院と神栖済生会病院を統合したうえで、社会福祉法人恩賜財団済生会が運営するというもので、新病院の整備では神栖済生会病院、鹿島労災病院、および両病院の中間地点に置く3つのパターンを想定した。

 これら統合のあり方の検討結果を踏まえて策定した基本構想では、「パターン1」の神栖済生会病院に新病院を設置する案を採用した。この案は神栖済生会病院を改修して本院に、解体した鹿島労災病院跡地を診療所に利用するもので、概算事業費は約68億円から約74億円を想定。内訳は新病院に約51億円、老健施設に約15億円のほか、診療所が無床で2億円から有床で7.6億円まで幅を持たせていた。

 この基本構想に基づき、両病院と県、神栖市の代表者に県医師会の代表者も加わって再編統合協議会を組織し、「統合に係る方針の決定」と「新病院の基本構想の策定」などを協議。その結果、恩賜財団済生会、労働者健康安全機構、県、神栖市の4者間で合意が成立し、本年8月に基本合意書を締結していた。

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