大規模災害に備えを 安全安心な県土づくり 今後の施策を聴取(県議会土木企業委)

[2017/11/11 茨城版]
 県議会土木企業委員会(先﨑光委員長)は9日、閉会中委員会を開催して、本年度の重点審査テーマに掲げる「災害に強く、誰もが安心・安全に暮らせる県土づくり」について執行部から目指すべき方向性と展開すべき今後の施策の説明を聴取した。重点審査テーマに関して、同委員会では「大規模災害への対応」と「災害時における関係団体等との連携」の2項目を審査しており、関連する各事業の状況や今後の展開に関する説明を受けた。

 審査項目のうち「大規模災害への対応」では、道路の対策として緊急輸送道路ネットワークの機能強化のため東関道水戸線の全線開通や圏央道の4車線化、直轄国道の整備促進、復興みちづくりアクションプランに基づく緊急輸送道路の橋梁の耐震化や交通阻害箇所の解消および津波対策の推進などを目指すべき方向性に挙げている。

 今後の施策では、高速道路が東関道水戸線の整備促進や圏央道の4車線化を国やNEXCO東日本に要望していくとともに、スマートICの事業主体の市町村を支援する。スマートICは水戸北が31年度のフルインター化に向けて整備中で、つくばは本年7月に事業化、つくばみらいは同じく新規準備段階調査個所に選定されている。

 直轄道路は、整備中箇所の十分な予算の確保や整備促進とともに、国道6号の藤代BPや牛久土浦BP、茨城町BP、東海拡幅、桜川拡幅、国道50号の協和BP、国道51号の鹿島BPといった未事業箇所の新規事業化を国に求めていく。

 緊急輸送道路は、本年度に橋梁の耐震化10カ所、交通阻害箇所の解消2カ所、津波対策1カ所が完了の予定。アクションプランの進捗状況は、集中復興期間(23-27年度)の計画に対し98%、復興・創生期間(28-32年度)の計画に対し22%となる見通しで、復興期間計では73%となる。また、緊急輸送道路の電柱の新設を制限する予定で、事業者や専門家などの意見を集約したうえで今後警察と協議し、県報などで告示する。

 河川・海岸の対策や土砂災害対策では、豪雨対策の目指すべき方向性に緊急性や重要性が高い箇所の重点的な整備や長寿命化計画の策定・更新など、津波対策の目指すべき方向性に復興創生期間内の重点整備区間の完成や長寿命化計画に基づく計画的な維持管理などを挙げている。

 今後の施策は、治水対策で国の交付金の重点配分と即効性のある対策の実施、長寿命化計画の更新と計画的な施設の整備・更新など、土砂災害対策で要配慮者利用施設が含まれる箇所の優先的整備や長寿命化計画の策定および計画的な維持管理など、津波対策で重点整備区間の32年度までの完成と残区間の事業化、長寿命化計画の策定および予防保全型の維持管理などを説明した。

 港湾の対策の目指すべき方向性は、防波堤や耐震強化岸壁を十分に活用するための航路・泊地の整備や、港湾背後地を守るための防潮堤の整備など。今後の施策では、鹿島港外港地区の耐震強化岸壁が計画水深14mで供用できるよう航路・泊地の整備を推進するとともに、港湾背後地を守る防潮堤は重点整備(復興)区間を復興創生期間内(32年度)に完成させ、重点整備以外(通常)の区間も30年度をめどに整備に着手する。

 県営都市公園は、完成から30年以上が経過した洞峰公園体育館など老朽化施設の計画的な修繕や更新、および非常用トイレや防災パーゴラ、かまどベンチなど防災施設の更なる整備を目指す。今後の施策では公園施設長寿命化計画を30年度までに見直し、計画的な維持管理を実施するとともに洞峰公園施設の更新にあわせた防災機能の強化、および非常用トイレなど防災施設の拡充を図る。

 下水道の対策は、耐震対策計画やストックマネジメント計画などによる効率的なハード対策を推進していく方向性のもと、今後の施策には各施設の耐震化や老朽化対策にあわせた浸水対策、およびこれらの対策を効率的に行うためのストックマネジメント計画の策定などを実施していく。

 建築物の対策は、目指すべき方向性に公共建築物のうち防災上重要な市町村施設で早期に耐震化を図り、民間建築物は耐震化の意識向上とともに耐震改修を行いやすい環境整備に努める。応急仮設住宅は、関係団体との連携・供給体制を充実・強化するとともに、市町村が行う候補地選定を促進していくとしている。

 公共建築物の耐震化は、44市町村のうち41市町村で耐震改修促進計画を策定しており、対象建築物も特定建築物より小規模であっても防災上必要な施設の耐震化を促進していく。民間建築物は、大規模建築物や住宅の耐震化の支援を進めるとともに、病院・私立学校の耐震化の必要性の周知などを図る。

 水道の対策の目指すべき方向性は、耐震化対策を経営面も考慮して計画的・効率的に進め、浸水想定箇所では減災対策も推進し、渇水対策で応援送水体制の強化などを進めていく。今後の施策は、第2次耐震化事業(26-35年度)や管路耐震化(更新)事業(24-26年度)を引き続き進めていくとともに、浸水対策は本年度内に基本計画を策定し、来年度以降順次、浸水対策を実施する。

 もう一つの審査項目の「災害時における関係団体等との連携」は、目指すべき方向性として災害時に早期に活動できる代替機能確保体制の強化を図るとともに、多様な連絡通信体制の充実に向けて関係団体や庁内関係部局との調整を進める。また、建設業を持続可能な産業とするため、担い手育成に向けた取り組みも推進していく。

 今後の施策では、災害時の初動体制を強化するため関係団体との連携強化などを図り、多様な連絡通新体制も充実強化していく。持続可能な建設業の担い手の育成・確保に向けては、公共工事の施工時期の平準化や地元建設業者の受注機会の確保、若年者の入職促進、就労環境の改善に努めていく。

 これらの説明を受けた委員からは、河川の水位情報やカメラの映像などを民間事業者と連携して提供している取り組みについてさらに周知を図っていくよう求める意見や、農業用樋管などの占用施設の管理者を早期に特定し洪水時に適切な対応を図るよう求める意見などが出ていた。

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