技術者不足の市町支援 とちぎ建設技術センター 橋梁修繕が本格化へ 30年度からレベル3対策

[2017/11/11 栃木版]
 とちぎ建設技術センターの印南洋之理事長は、本紙のインタビューに答え、道路構造物の点検・診断を受託している19市町の橋梁のうち、28年度までに実施した2480カ所の5%程度に当たる約140カ所が早急な修繕が必要な健全度(レベル)3に分類されることが分かった。同センターでは27年度から、技術者不足に悩む市町を対象に道路施設点検業務の支援制度をスタートさせており、関係市町は30年度から具体的な対策工事に移行していく見通し。県や宇都宮、小山、栃木など財政力があり、技術者が潤沢な市等では、橋梁長寿命化修繕計画に合わせ橋梁修繕等対策に着手しているものの、受託19市町の橋梁修繕対策が進むことで道路インフラにおける安全対策の底上げにつながりそうだ。

 同センターの道路施設点検・診断業務の支援制度は、26年7月の道路法改正により橋梁やトンネルなどの道路構造物について5年に1回の近接目視による点検を行い、統一的な尺度で健全性の診断結果を分類することが義務付けられたため。同センターが業務を受託し、点検業務を発注、統一指標により結果を取りまとめて市町に報告する。市町支援は26年度に相談窓口、27年度からは市町村支援担当と研修の2部門に分け、グループリーダーを配置して対応してきた。

 道路施設の定期的な点検の必要性は、24年12月に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故を受けて。高度経済成長期に集中的に整備された道路施設の老朽化が進んでいるためで、国土交通省が各都道府県に対し、道路管理者の責務を明確化。点検、診断、措置、記録というメンテナンスサイクルを確立するため道路法を改正し、具体的な点検頻度や方法について法令で定めた。

 具体的には、▽橋梁、トンネルなどの道路構造物の5年に1回の頻度で近接目視による点検を行う▽統一的な尺度で健全性の診断結果を4段階等で分類する▽点検、診断の結果などについて記録・保存する-などとした。

 国は改正道路法に伴い、都道府県単位で道路メンテナンス会議を設立。本県も26年5月に宇都宮国道事務所の呼びかけにより、県や市町、NEXCO東日本など県内の全ての道路管理者が参集し設立会議を開いた。道路施設等の維持管理・補修・更新などを効果的に行うため、道路管理者が相互に連絡や調整を行い、道路施設の点検や修繕計画を共有・協力することで、円滑な道路管理を促進するとともに、予防保全や老朽化対策の強化を図ることを目的としている。

 定期的な点検の実施は、従来の対処療法による事後保全から効果的な維持補修・更新を計画的に行う予防保全に切り替えていこうというもの。高齢化した道路施設が急速に増加すると、短い期間に対応すべき道路施設が増え膨大な更新費用が懸念されるとともに、財政負担が重くのしかかる。

 一方で、財政規模の小さな市町などでは、道路施設の維持管理を担当できる技術者が少なく日常点検や定期点検が不十分な状況にあると指摘されてきた。同センターの支援制度は、道路施設の老朽化対策の予算不足や業務に携わる職員の人材不足と技術力不足を補い業務を代行する。

 5年に1回の点検は、法施行の26年度から30年度までの5年間で、県内の全道路構造物について、1回目を完了させるというもの。

 県内25市町が管理する道路施設のうち、橋梁が9275橋あり、受託の19市町で約57%の5251橋となっている。点検は28年度に2480橋を行い、29年度には3916橋を進めている。トンネルは20本で、受託19市町が17本。5年に1回の点検は、28~29年度で完了する計画。ロックシェッド・カルバートは21基とし、19市町が18基を占める。横断歩道橋は48橋のうち19市町で28橋。門型標識15基で19市町で5基となっている。

 同センターでは、レベル3の橋梁対策について、施工や監督業務といった点検・診断後の一貫体制の必要性などについて関係市町と調整していく見通しを示した。

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