日光杉並木街道管理計画策定委開く B地域も公有地化対象 街道復元に土地履歴照会

[2017/11/15 栃木版]
 第3回第3次日光杉並木街道保存管理計画策定委員会(委員長・谷本丈夫宇都宮大学名誉教授)が14日県庁で開かれ、30年度を目途に同管理計画を見直すため、ワーキンググループでの検討案を協議した。杉並木保護用地(追加指定地)については、開発制限の弱いB地域の変更許可取り扱い方針は現状を堅持するものの、必要に応じて追加指定し公有地化を行うほか、4カ所の並木寄進碑など説明板の適切な更新、街道復元に当たっては江戸時代から現在までの杉並木と土地の履歴を絵図などで確認しながら、100年先を見据えた東照宮へと続く風景としての保全体制の推進などが提案された。

 検討課題は、[1]杉並木の管理[2]並木杉の維持更新[3]杉並木の活用[4]管理体制の確立-4区分し、計22項目のワーキンググループの検討案について委員らに意見を求めた。

 このうち公有地化を進めているA地域に隣接するB地域の取り扱いでは、並木敷後背地の土地利用状況等基準を満たせばA地域への移行を検討すると現計画を継承。杉の樹勢保護のためA地域と同様にB地域を含めた追加指定と公有地化を実施するとした。

 B地域は開発制限が弱く、新築住宅工事が行われるケースもあり、このような取り扱い基準の変更は街道周辺の住民への影響が大きいと判断。今後は必要に応じてB地域の追加指定・公有地化で対応するとしている。

 バイパス整備後等の日光杉並木街道活用のための整備では、街道復元の方法の整理と進め方について街道復元等検討会議で検討中とし、岡道を利用した遊歩道の整備は、現状変更などの取り扱いに沿った範囲内で行うとした。また、杉並木街道の説明板は、これまで県と東照宮が設置したものだが、老朽化が目立つものも散見され、更新に当たっては構造や規格などの統一を図っていくとしている。

 日光市は歴史民俗資料館を新設しており、外国からの観光客の増加などを踏まえ、杉並木に関わる歴史と文化を学習するビジターセンターとしての活用を考慮するほか、周辺の杉並木公園や日光だいや川公園などと連携したエリア内での活用も考慮していくなどの意見が提案された。

 保全管理計画内容の見直し時期の考え方では、樹勢に関する調査(毎木調査等)と合わせて、見直し時期を検討するとしており、現計画は平成4年3月に策定されたもので、約25年が経過している。

 同委員会にオブザーバーとして出席した文化庁文化財部記念物課の佐藤正知史跡部門主任文化財調査官は、「日光杉並木街道は、我が国唯一の国の特別史跡と特別天然記念物の二重指定を受けている国を代表する超一級の史跡。今回の検討で最も重要なことは、B地域の公有地化だと思うが、単に用地取得がしやすい箇所との理由ではなく、樹勢保護の重要性を考慮しながら、適切に公有地化を進め、杉並木街道が次の100年を見据えた東照宮500年祭につながる一つの風景ととらえ、保全管理に努めてもらいたい」などとコメントした。

 なお、公有地化を進めているA地域は、杉並木として当時の原形を保ち、特に保護を必要とする地域とし、指定地域の並木敷から約20mの範囲。後背地が概ね自然林の状態を呈するなど、隣接環境の良好な状態を保持するとともに、保護効果が十分期待される地域で、公有地化率は全体の約48%となっている。

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