13件にICT活用工事 施工者希望型が主体 検証行い対象数増加へ(県土整備部)

[2017/11/16 栃木版]
 県土整備部は29年度、13件にICT活用工事の試行を決め、このうち11件の契約が完了、残り2件が未発注となっている。13件のうち発注者指定型が4件。受注者が契約後、施工契約書の提出までに発注者へ提案し、協議が整った工事に適用する施工者希望型が9件を占めた。県は28年度にICT活用工事の試行を始め、真岡土木事務所が所管する五行川の芳賀遊水地掘削工事3件に適用した。県技術管理課によると、試行工事の検証を行い、土工量1000立方m以上など条件を満たす案件については、ICT活用工事の適用件数を増やしていきたいなどとしている。

 県土整備部におけるICT活用工事試行要領によると、ICT土工を満たす条件として、[1]原則1000立方m以上の土工量を含む、法面整形工・掘削積込み・路体(築堤)盛り土・路床盛り土[2]生産性の向上が認められる工事[3]事業主管課との協議が整った工事-3項目全てを満たすものとしている。

 ICT活用工事には、発注者があらかじめ指定する発注者指定型と、契約後に受注者がICT活用を任意に選択できる施工者希望型がある。

 ICT活用工事は、[1]3次元起工測量[2]3次元設計データ作成[3]ICT建設機械による施工[4]3次元出来形管理等の施工管理[5]3次元データの納品-と一連の施工プロセスにおいて、ICTを活用するとしている。

 発注者指定型では、ICT活用を前提としているため、施工プロセスを進めていく上で、受注者の責任でICTを活用できなかった場合は、工事成績評定で減点するとした。施工者希望型は、契約時の受注者の選定に影響を与えないため、工事成績評定での減点は行わないとしている。

 積算方法についても、発注者指定型が当初の設計段階でICT活用工事として積算を実施するのに対し、施工者希望型では通常施工として積算を行い、施工者希望型として協議が整った場合、ICT活用工事としての積算に落札率を乗じた価格で速やかに変更するものとしている。

 発注者指定型の4件は、▽宇都宮向田線調整池工事(宇都宮土木)▽総合スポーツゾーン西駐車場整備工事(総合スポーツゾーン整備室)▽蛇尾川の堆積土除去工事(大田原土木)▽荒川の堆積土除去工事(烏山土木)-とし、いずれも契約が完了している。

 対象の13件を分類すると、河川の堆積土除去が最も多く8件、道路の改良系が3件とし、駐車場整備と河川改修が各1件となっている。

 県と発注先の県建設関連団体は今年2月、県i-Construction推進県部会を設立し、実務者に近いレベルでの研修や情報交換などを通じて、ICT活用工事の普及と精度向上を目指している。9月には新技術・新基準・講習会などの情報を一元的に集約するため、ホームページを開設した。

 同県部会は28年度に実施した工事の検証効果をまとめ、従来工事とICT活用工事の実施者の相違点として、レンタル会社の協力が不可欠である現状を認識。工事請負者のICT活用工事に対する考えでは、将来性や技術向上のため必要とした。効果と採算性では、作業効率や人材育成に大きな効果があるとし、作業時間が20~40%削減でき、採算は取れるとした。

 一方で課題は、出来栄えが劣る場合があるとしたほか、知識習得などに労力を要し、工期に余裕が必要としている。今後の受注で重要視することでは、現場(工種・規模)がICT活用工事に適しているかなどを見極める必要があるとした。

 県はICT活用工事の試行件数の増加とともに、29年度には各発注工事で柔軟な現場見学会を開催し、実際の測量や施工状況を把握。初級・中級などICT活用工事の理解度に応じた講習会を随時開催し、今後実施する工事の効果と検証を行うほか、基準・精度・作業内容等の最新情報の蓄積と活用に努めていくとしている。

 また、国が試行を始めたICT舗装工事への展開については、国や他県などの動向を踏まえ、検討していくとしている。

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