幸久大橋を来年度供用 県北地区調査245号ひたちなか拡幅は年度内完了(県議会土木企業委)

[2017/11/22 茨城版]
 県議会土木企業委員会(先﨑光委員長)は20日、県北地区の県内調査を実施した。常陸大宮土木事務所や常陸太田工事事務所、高萩工事事務所、および茨城港湾事務所から事業の説明を受け、その進捗状況などを確認した。このうち国道245号ひたちなか市・東海村4車線拡幅事業は、ひたちなか市の区間が湊大橋架け替え工事の影響区間を除き本年度中に4車線化工事を完了する見込みで、国道349号那珂常陸太田拡幅整備事業は幸久大橋を含む延長2600mを30年度に供用すると報告を受けた。

 現地調査はまず、茨城港常陸那珂工区で国直轄となる中央ふ頭地区水深12m岸壁の利用状況や、県による中央ふ頭地区ふ頭用地の港湾機能施設整備、および東京電力火力発電所次期廃棄物処分場の整備状況を確認した。

 中央ふ頭地区水深12m耐震強化岸壁(C岸壁)は28年4月に供用を開始しており、現在はスバルの完成自動車の北米向けの輸出をはじめ、国内最大のクルーズ船「飛鳥II」が寄港するなど多様な利用が図られている。

 本年度の主な事業は、国直轄が東防波堤のケーソン1函の据付(移設)と中央ふ頭地区水深12m岸壁(D岸壁)のケーソン3函の据付を、県が除波堤(中央)のケーソン2函の据付と2函の制作、中央ふ頭地区ふ頭用地の港湾機能施設整備でケーソン製作3函を進めている。

 また、次期廃棄物処分場は引き続き護岸工や裏込工、遮水工などを実施している。事業費は直轄で19億7300万円、県で181億円の、計200億7300万円を当初予算で確保している。

 国道245号ひたちなか市・東海村4車線拡幅事業は、東海村の日本原子力発電東海発電所前の工事の様子を視察した。この事業は平成4年度から着手して、事業区間約15kmのうちこれまでに10.7km(ひたちなか市8.9km、東海村1.8km)を4車線で供用している。

 現在は用地買収を進めるとともに、用地のまとまった箇所から工事を進めており、東海村は日本原子力発電東海発電所前の約1100mを施工中。ひたちなか市の区間は延長270mを施工していて、那珂川に架かる湊大橋架け替え工事影響区間を除き本年度中に4車線化工事を完了する見込みと報告を受けた。

 都市計画道路鮎川停車場線(主要地方道日立常陸太田線)は、東工区のJR常磐線アンダーパス施工現場で事業の説明を受けた。この路線は国道6号の諏訪五差路と国道245号を結ぶ道路で、国道245号から先は国道6号日立バイパス(2期)に接続する。計画延長は850m(幅員25m)で、途中で交差する日立市道中央線から東側(東工区428m)と西側(西工区422m)に分けて整備している。

 西工区は27年度に事業着手して、本年度は用地取得を進めている。28年度末の取得率は35%。東工区はJR常磐線を函渠でアンダーパスし、その前後にU字型構造物で擁壁を設けて市道や国道に接続する内容。県が施工する擁壁や本線の工事は、常磐線の西側の擁壁のU1とU2、東側のU7とU8、U9が施工済みで、本年度は延長1.2kmの道路排水流末整備工事を施工する。

 また、常磐線の直下および前後の延長60mはJRに委託して施工している。鉄道敷の下に鋼製の部材をはめ込み、その中にコンクリートを打設して1つの構造体をつくる特殊な工法で施工しており、30年8月に構造体が完成する予定。その後に構造体の内側の掘削を行って、31年度の完成を目指すと説明を受けた。

 国道349号那珂常陸太田拡幅整備事業は、幸久大橋4車線化の整備状況を視察した。幸久大橋は、県内では北浦大橋に次いで長大な橋梁で、延長は1166m。これまで1期線を暫定2車線で供用していたが、26年度から2期線となる残り2車線の整備に着手した。

 下部工は橋台2基と、1期施工時に施工した河川区域内の橋脚8基(P8-P15)を設計基準が古いため耐震補強し、このほかの橋脚も28年7月に完了している。上部工は、河川区間をスパンの長く取れるメタル橋(3径間箱桁の2連、延長609m)、河川区間の左右をPC橋(右岸側PC4径間の2連、延長290m、左岸側PC5径間とPC4径間の2連、延長267m)とし、本年6月に架設が完了している。

 今後は、高欄や照明といった橋梁付属物設置工事と橋面舗装工事を実施し、完成後に幸久大橋より北側で交差する県道下土木内常陸太田線まで、延長2600mを30年度に供用すると報告を受けた。現地には常陸太田市の大久保太一市長が訪れ、各事業の進捗に対する県議会の尽力に感謝するとともに、引き続き協力を求めた。

 国道118号那珂大宮バイパス整備事業(延長8.3km)は、平成8年度から事業に着手し、常陸大宮市側から整備を進めている。23年9月までに、北側の大宮バイパス入口交差点から玉川左岸(常陸大宮市行政境)までの約1.6kmを4車線で供用した。現在は、そこから南側に3.1km区間を復興事業に位置付け、北側から優先的に整備している。昨年度には下大賀高架橋(仮称)の上部工仮設工事が完了した。

 本年度は玉川橋のII期工事や旧橋の撤去、下大賀高架橋の橋梁付属物工事や橋梁取付部の補強土壁工事、下大賀付近の道路改良舗装工事と下大賀遺跡の埋蔵文化財調査、静跨線橋の橋梁下部工事(1基)を実施する。県道日立笠間線との交差点より南側については、用地買収を鋭意進めていくと説明を受けた。

 今回の調査ではこのほか、常陸大宮土木事務所で地域の代表者と意見交換を行った。「地域住民の協力による道路の環境整備」をテーマに、戸多地区まちづくり委員会(那珂市)と上郷道路愛護会(常陸大宮市)から意見を聞いた。

 戸多地区まちづくり委員会は県道長沢水戸線の沿線の草刈りや清掃などを行っており、根本文雄会長は県が施工する沿道法面の草刈りの刈幅を2m程度に増やすことと、作業にあたっての助成金の支給を検討することの2点を要望した。

 また上郷道路愛護会は、県道上檜沢下小川停車場線の下檜沢地内で沿道の花壇の手入れや草刈りを行っている。成井文夫会長は、活動に際し必要となる刈払機の燃料など現物で支給を受けているが、これを現金で支給してほしいと要望した。

 これに対し県道路維持課の大山登志彦技監兼課長は、刈幅について「予算の縮減や労務単価の高騰でご迷惑をおかけしたが、意見を踏まえて予算の確保に努める」と返答。助成金や必要経費の現金支給についても「道路里親のほか道路除草ボランティア事業などもあり、何らかの形で支援を行っていく。現金の支給は手続きが煩雑になることもあり、慎重に検討したい」と答えた。

 委員からは、「道路除草の施工業者が指示された刈幅以上に草を刈った場合、地域貢献活動とみなして総合評価の際に加点してみては」や「助成金も少額であれば柔軟に検討してみては」などの意見が出され、先﨑委員長は「この貴重なご意見を、今後の委員会審査に活かしていく」と述べた。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.