穴川用水大前堰を改修 30年度に詳細設計 ゲート2門更新、2.7億を投入(芳賀農振)

[2017/12/7 栃木版]
 県は真岡市東郷地内の一級河川五行川に設置された穴川用水大前堰の改修に乗り出す。経年劣化に伴い安全を担保するため、堰を固定する護床工や上部工の改修を行うもので、鋼製転倒2門のゲート設備等の更新を実施する。県芳賀農業振興事務所によると、31年度渇水期の施工を見据え、30年度に詳細設計を実施する見通しを示した。改修では農業用河川工作物応急対策事業の充当を見込み、全体事業費には2億7000万円を試算している。計画樹立業務は、八汐コンサルタント(宇都宮市)が担当している。

 現在の穴川用水大前堰は、昭和38年度に五行川河川改修事業で造成され、約54年が経過。ゲートの老朽化の進行とともに、起立不良による取水位置の低下や洪水時の倒伏不良による水位の上昇などが懸念されている。

 洪水時に通水が阻害された場合には、堤防本体に負荷がかかり、仮に堤防決壊が引き起こされると、農地3.6ha、住宅10戸のほか、農業用施設や市道などへの被害が想定されるという。

 同堰の用水受益地は、約1245haに上り、機能不能となった場合は作物の生産が滞り、膨大な被害が想定されるとした。このため河川管理者の県真岡土木事務所から28年7月、開閉操作が確実に行える構造の堰に改修することとする改善指示が出され、整備に着手することとなった。

 同堰は鋼製自動転倒ゲート2門(B18.5m×H1.6m)で構成。工事ではこれら2門の洪水吐ゲートを更新するほか、護床工やエプロン部の補強などの土木工事を実施する計画。事業費には土木工事に1億3100万円、ゲート設備は1億1500万円を試算した。

 土木工事は、堰上流側にかごマットや護床ブロックによる補強。堰直下流では、根固工によるエプロン部の補強に加え、上部工の改修に伴い右岸側魚道の再整備とともに、両側堤防側壁の補強などを計画している。

 工事は渇水期に本川を切り回しゲートを1門ずつ施工するとした。上部のゲート設備は、タイプ・規模とも現状の施設と同じものを採用し、下流へ安定した水供給を行うとしている。

 大前堰の改修に当たっては、長寿命化対策に伴い25~26年度にかけて、下流の穴川用水とともに機能診断と保全計画を策定した。穴川用水は、真岡市から茨城県筑西市に至る延べ14.3kmの幹線用水。上流の3幹線用水は県営用水改良事業で昭和29~39年度に整備され、完成から50年以上が経過している。大前堰の改修後は、経年劣化に伴い散見されるコンクリートの摩耗・ひび割れ、目地材の劣化等に対応し、水路の再整備に着手していく見通し。

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