国29年度補正で予算化へ 中小河川治水プロジェクト 土砂・流木対策に12渓流 氾濫防止は16河川で7.5km

[2017/12/14 栃木版]
 国土交通省は、全国の中小河川の緊急点検結果を踏まえ、「中小河川緊急治水対策プロジェクト」をまとめた。本県の県管理河川では、土砂・流木対策に7河川12渓流、再度の氾濫防止対策では16河川延べ7.5kmを位置付けたほか、洪水時の水位を監視する水位計設置には25河川で25カ所を整備する。同省では今年度から32年度を目途に概成を目指すとし、全体事業費には約3700億円を試算。年明けの通常国会に提出する29年度補正予算案に盛り込まれる見通し。

 中小河川の緊急点検結果は、九州北部豪雨や台風21号など、全国で多発した豪雨による中小河川の氾濫被害を教訓に、豪雨災害の特徴を踏まえて実施されたもの。

 本県では、10~11月にかけて重要水防箇所等の安全対策などを考慮して優先箇所を抽出。土砂・流木対策では、被害の危険性を除去するため、捕捉効果の高い透過型砂防堰堤等の整備。河川氾濫による被害の再発防止では、多数の家屋や重要な施設の浸水被害を解消するための河道掘削や堤防を整備する。加えて、洪水時に水位を監視する危機管理型水位計の設置を進めていくとしている。

 九州北部豪雨では、局地的で猛烈な降雨により、急流河川などで大量の土砂や流木が発生。被害を拡大させたことから、土砂・流木による被害の危険性が高い中小河川において、透過型砂防堰堤の新設や不透過型堰堤から透過型堰堤に改良を行い、下流への流出を抑制するとした。

 全国では約700渓流(約500河川)を対象に事業費には約1300億円を試算。優先箇所の抽出に当たっては下流の氾濫域に多数の家屋が立地し、高齢者施設・保育園・小中学校などの要配慮者施設、役場などの公共施設に浸水被害が想定される河川・渓流とした。

 再度の氾濫防止では、中小河川で越水等による度重なる洪水被害が発生している状況を踏まえ、浸水家屋数が多いなど緊急的な氾濫防止対策を実施する。整備は河道掘削や堤防の整備などにより流下能力を向上させるもの。

 県の河川整備は圏域ごとに河川整備計画を立案しており、同計画に位置付けられた事業の継続河川を主体に、浸水家屋の解消に向けた対策を実施していく。全国では約300km(約400河川)の対策に事業費約2300億円を試算した。

 水位計の設置は、人家や要配慮者利用施設・役場などの公共施設といった浸水の危険性が高く、的確な避難判断の水位観測が必要な箇所とした。点検結果によると、避難の判断状況や河川整備計画等の策定のための水位計の設置が進んでいないのが現状とし、同省では洪水に特化した低コストの危機管理型水位計を設置して、近隣住民の避難を支援していくとしている。

 全国では約5000河川で約5800カ所の設置を予定しており、事業費には約110億円を投入する。本県の県管理河川には64カ所が設置されており、今回のプロジェクトで新たに25カ所の設置を計画した。設置河川は、30年度までに策定を予定している洪水浸水想定区域対象の16河川が主体。

 設置予定の危機管理型水位計は、洪水時の水位観測に特化した小型で低コストの水位計。従来型の10分の1以下のコストで、無給電で5年以上稼働可能な長期間メンテナンスフリーとしている。

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