竜神大吊橋交差点改良など 広域観光周遊ルート 魅力倍増へ実行計画(県道路維持課)

[2017/12/23 茨城版]
 県道路維持課は19日、県開発公社ビルの会議室で第3回目の「いばらき広域観光周遊ルート魅力倍増アクションプラン策定委員会」(委員長・岡本直久筑波大学システム情報系社会工学域教授)を開催した。今回が最終の委員会となり、事務局からこれまでの検討結果やアクションプランの対策メニュー案および対策案を説明して、委員から意見を聞いた。今回示された主なハード対策は、県道33号(仮)竜神大吊橋交差点の渋滞対策と国道293号常陸太田東バイパス(仮)高貫町交差点の急減速挙動対策。同課は今回の意見も踏まえて年度内にアクションプランを策定し、来年度以降、まずはオリンピックまでに短期的対策を実施していく。

 本県は観光入込客数が年々増加しており、特に行楽シーズンには観光地周辺の道路で交通渋滞が著しくなっている。さらに圏央道の県内区間全線開通で県外から本県へのアクセス性が向上し、今後も国体やオリンピックの開催でますます来訪者の増加が見込まれることから、県内観光地を快適に周遊できるような積極的な取り組みが求められてくる。

 このため県は本年度、交通や観光の有識者や事業者などで構成する委員会を設置して、奥久慈や筑波山周辺の地域などを対象とした「いばらき広域観光周遊ルート魅力倍増アクションプラン」の策定を進めている。観光地を円滑に周遊できるよう道路の課題を抽出し、専門的な見地から検討して、ハード・ソフト対策の実施計画となるアクションプランを策定する。

 第1回の委員会は7月6日に、第2回の委員会は9月25日に開催し、今回が3回目。第1回では県内の主要観光地や観光周遊ルートを設定し、第2回委員会では観光周遊ルートの混雑状況など交通ビックデータの解析で得られた課題などについて委員の意見を聞いた。今回は、これまでの意見や提案を元に策定したアクションプランの、対策メニュー案や具体的な対策案を審議した。

 議事を前に、県道路維持課道路保全強化推進室の猿田文彦室長は「今回はアクションプラン策定前の最後の委員会となるので、ご意見を頂いて今後の短期対策・中長期対策に盛り込んでいきたい」とあいさつ。岡本委員長も「道路のビックデータを用いた分析、それに基づく対策などの議論と、さらに進んで県全体の観光促進につながるご意見を頂きたい」と委員に呼びかけた。

 引き続き議事に移り、まずこれまでの検討結果を事務局から報告するとともに、自動車のナビゲーションから得られるプローブデータの分析結果を踏まえた対策メニューについて、国土政策技術総合研究所道路交通研究部の瀬戸下伸介道路研究室長から説明を受けた。

 アクションプランの対策メニュー案では、道路管理者や公安委員会の行うハード対策とソフト対策、観光関係者や交通事業者が行うハード対策とソフト対策に分けて、それぞれの短期対策(2020年)と中長期対策(2030年ごろ)を示した。このうち、道路管理者のハード対策は▽県道33号(仮)竜神大吊橋交差点改良(奥久慈地区)▽国道293号常陸太田東バイパス(仮)高貫町交差点(奥久慈地域)──の2カ所。

 対策案は、竜神大吊橋交差点が竜神大吊橋方面への右左折車線が無く、駐車場に入場待ちの車両によって渋滞していることから、短期対策として現道内の路肩を縮小し、竜神大吊橋方面への右折車の滞留スペースを確保する。中長期対策では、道路を拡幅して竜神大吊橋方面への左折車線を設置し、これらによって通過交通と竜神大吊橋方面への交通を分離して渋滞を緩和する。

 国道293号常陸太田東バイパスの高貫町交差点(仮称)は、日立南太田IC方面からの下り車線が長い直線かつ下り勾配となっており、急減速挙動が多発している。このため短期対策で、交差点手前に減速路面表示(カラー舗装)や「追突注意」などの法定外標識を設置することで、速度抑制と交差点の認知向上を図るとしている。

 このほか、道路管理者や公安委員会の行うソフト対策では▽国道118号回避ルートの情報発信(奥久慈地域)▽県道42号回避ルートの情報発信(筑波山)▽渋滞回避ルートの情報発信(ひたち海浜公園)──を設定。

 観光関係者や交通事業者が行うメニューでは、ハード対策で▽新たな観光スポットの構築による空間的分散(奥久慈地区)──を、ソフト対策で▽パーク&バスライドの継続実施(筑波山)▽周遊ルートの提案による空間的・時間的分散(ひたち海浜公園、大洗・那珂湊)▽周遊ルートの提案による空間的・時間的分散(奥久慈地区)──をメニュー案に挙げている。

 委員からは、「道路を楽しむという視点で情報発信を工夫すべき」といった意見や、「竜神大吊橋交差点は根本的に駐車場容量を増やす必要があるほか、バスで来た人が渋滞に巻き込まれないよう専用レーンを設けるべき」、「交通ビックデータの活用がうまくできていない。受信するアンテナも県北地域は少なく、もっと多く設置してリアルタイムでモニタリングできるようにしていくべき」などの意見が出た。

 さらに委員には、アクションプランだけでなく県全体の観光促進に向けた意見や提案も求めた。県道路維持課は今回の審議内容も盛り込んで、年度内にアクションプランを策定する考え。30年度以降はこのプランをもとに、バイパス整備や交差点改良などのハード対策や、迂回路への誘導などのソフト対策を実施していく。

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