重点施策に企業誘致など 政策ビジョン公表 新総合計画は9月に策定

[2017/12/27 茨城版]
 大井川和彦県知事は26日の記者会見で、「新しい茨城づくり」の政策ビジョンを公表した。「新しい茨城」の創造に向けた知事の考え方を明確にして県民に示すもので、基本理念には「活力があり、県民が日本一幸せな県」を掲げる。「新しい豊かさ」「新しい安心安全」「新しい人財育成」「新しい夢・希望」の4つの「茨城づくり」に体系化して、重点施策には企業誘致や医師確保対策、「人財」育成、魅力度No.1を盛り込んだ。今後は、このビジョンを基に県政運営の基本方針となる県総合計画を策定する考えで、30年2月にも審議会を立ち上げて9月に答申を受けると明らかにした。

 この政策ビジョンは、大きな時代の転換期に差し掛かっている中で本県が大きく飛躍できるかは今後10年間が極めて重要になるとして、未来に希望の持てる「新しい茨城づくり」の具体的な政策の方向性を取りまとめたもの。より具体的な施策やグランドデザインを盛り込んだ「新たな県総合計画」は、この政策ビジョンを踏まえて策定する。

 政策ビジョンの基本理念は、人口減少時代を迎える中でも県民一人ひとりが本県の輝く未来を信じ、「茨城に住みたい、住み続けたい」人が大いに増えるような「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現に挑戦するとしている。基本姿勢には、▽県民とともに挑戦する「茨城づくり」▽未来を展望した政策展開▽戦略的な行財政運営──の3点を挙げる。

 基本理念の実現に向けては、▽「新しい豊かさ」へのチャレンジ▽「新しい安心安全」へのチャレンジ▽「新しい人財育成」へのチャレンジ▽「新しい夢・希望」へのチャレンジ──の新しい4つのチャレンジを掲げる。

 「新しい豊かさへ」のチャレンジでは、力強い産業の創出とゆとりある暮らしを育み、新しい豊かさを目指すため、重点施策に「戦略的な企業誘致」を盛り込んだ。研究施設やIT関連企業など成長分野の企業の誘致を進め、東京圏から本社機能の誘致を図る。主な施策は[1]科学技術を活用した新産業育成、中小企業の成長支援[2]質の高い雇用の創出[3]「強い農林水産業」の実現[4]かけがえのない自然環境の保全・再生[5]多様な働き方の実現──とし、IoTやAIなどを取り入れた新産業育成や、泳げる霞ヶ浦の実現などを盛り込んだ。

 「新しい安心安全」へのチャレンジでは、医師不足の根本的な解決を重点施策に位置付け、総合的な対策と新しい発想で医師確保対策に取り組む。主な施策は[6]県民の命を守る地域医療・福祉の充実[7]健康寿命日本一[8]障害児・障害者福祉の充実[9]安心して暮らせる社会づくり[10]災害に強い県土づくり──の5つとし、公共交通機関の維持・確保や危機管理体制の充実などを推し進める。

 「新しい人財育成」へのチャレンジでは、茨城の未来を創る「人財」を育て、日本一子どもを産み育てやすい県を目指す。重点施策にはグローバル社会で活躍する「人財」育成を掲げ、小中高等学校でインターネットを活用した英会話・プログラミング教育を導入する。主な施策は[11]次世代を担う「人財」育成[12]教育環境の充実[13]日本一、子どもを産み育てやすい県[14]学び・文化・スポーツに親しむ環境づくり[15]人権を尊重し、多様性を認め合う社会づくり──の5つ。魅力ある学校・学科づくりや少人数教育の充実、待機児童ゼロの実現などに取り組んでいく。

 「新しい夢・希望」へのチャレンジは、将来にわたって夢や希望を描ける県とするため、観光創生や魅力向上を図る。魅力度No.1プロジェクトを重点施策に位置付けて、新しい手法による情報発信力の強化や本県の魅力の再発掘・ブランド化に戦略的に取り組む。主な施策は[16]魅力度No.1プロジェクト[17]世界に飛躍する茨城へ[18]ビジット茨城~新観光創生~[19]茨城国体・全国障害者スポーツ大会、東京オリンピック・パラリンピックの成功[20]発展を支える社会資本の整備と住み続けたくなるまちづくり──で、戦略的な情報発信をはじめつくばエクスプレスの県内延伸に向けた検討、地域資源を活かした魅力ある地域づくりなどを推し進める。

 建設関係の主な施策としては、災害に強い県土づくりでICTを活用した災害情報の共有化や公共インフラ・公共建築物・ライフラインの耐震化・長寿命化、緊急輸送道路の整備などに取り組むほか、豪雨や津波・高潮などの災害に対応するため治山治水施設の整備推進を図る。

 発展を支える社会資本の整備と住み続けたくなるまちづくりでは、都市地域間のネットワーク強化や観光地へのアクセス強化のため、広域的な幹線道路の整備を進める。また、つくばエクスプレスや地下鉄8号線の県内延伸に向けた検討を進め、コンパクト+ネットワークによるまちづくりも推進する。

 大井川知事は、「方向性を示すことができたので、県総合計画や来年度予算編成の下地ができた。これからしっかりと議論していきたい」と話した。

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