落札率23市町が90%超 入契法の28年度実施状況 ダンピング対策進む 総合評価実績は5市町

[2017/12/28 栃木版]
 国土交通、総務、財務の3省は、入札契約適正化法に基づく国と地方公共団体等の実施状況(29年3月31日現在)をまとめた。本県の自治体では、県の独自モデルをはじめ20市町で低入札価格調査制度や最低制限価格制度を導入するなど、ダンピング対策が進んでいるほか、労務単価の底上げや資材単価の上昇等を背景に平均落札率も県と23市町が90%を超えた。総合評価落札方式は全自治体が導入しているものの、28年度の実績は5市町で46件に止まった。

 調査項目は、▽一般競争入札の導入状況▽総合評価落札方式の導入状況▽ダンピング対策-などとし、国19機関、特殊法人等124法人、地方公共団体では47都道府県20指定都市1721市区町村となっている。県内の発注機関では、県と25市町のほか、国立大学法人宇都宮大学の実施状況が挙がっている。

 一般競争入札は、宇都宮大学が文部科学省の方針と同じ250万円超、県は5000万円以上(一部3000万円以上で試行)が対象。市町では、宇都宮市や矢板市など6市町が250万円超、佐野市や小山市など6市が500万円以上となっており、一般的に発注者の恣意的意図を排除し、公平・公正性が担保できるものとして全国的に一般競争入札の対象金額を引き下げてきた。

 一方で下野市は、29年度から指名競争入札の適用範囲を拡大。これまでは入札にかける予定価格130万円超の工事に一般競争入札を導入していたものの、予定価格1000万円未満を対象に試行を始めた。指名競争入札の拡大は、入札契約における事務手続きの簡素化を図り、工期を確保することなどが目的とし、工事内容によっては業者の技術力や地域的な知見など、発注者の裁量で特性を生かし適切な業者を配置することにもつながるとしている。

 国や県は働き方改革を背景に、工事現場における週休2日の取組を進めており、公告手続きや業者選定などに一定の期間が必要な一般競争入札に比べ、今後は工事内容を峻別し指名競争入札を選択する自治体が増えていく可能性も大きい。

 総合評価落札方式は、県の働きかけも大きく全市町で導入。このうち本格導入は6市町に止まり、試行導入を含め28年度の実績は宇都宮の40件を除けば、真岡と那須が2件、小山と上三川が1件に止まった。那須町の2件は、県と同様に一般競争入札に併用した形で実施しており、件数を増加させていくための一助となりそうだ。

 ダンピング対策のうち低入札価格調査基準価格の算定式は、中央公契連モデル採用をはじめ県と20市町が導入、制度未導入は5町に止まった。同モデルは29年4月が最新で、同時期の水準と同等あるいはそれ以上が、県と足利、鹿沼、さくら、下野、壬生の5市町となっている。

 電子入札の導入状況では、県と宇都宮、足利、栃木、佐野、鹿沼、日光、大田原、那須塩原、下野、上三川の10市町が本格導入し、那須烏山市は実証実験段階としている。

 平均落札率の最も高いのが塩谷町の96.6%で、同町を含め95%以上も9市町あった。県の平均落札率は94.9%となっている。最も低いのは高根沢町の83.6%だが、非公表の市貝町を除き23市町が90%を超えている。失格基準の採用など低価格受注対策によるダンピング防止に加え、労務単価の上昇、資材単価も高止まりで推移しており、落札価格に反映した。

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