絆ぐ拡がる「とちぎ」の安全 未来への扉を開く公共事業

[2018/1/1 栃木版]
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 バブルの好景気で幕を開けた平成も30年を迎えた。史記の「内平らかに外成る」、書経の「地平らかに天成る」に由来し、新しい時代に「国の内外、天地とも平和が達成される」との願いを込めた。

 平成年間は、昭和48年から約20年間続いた経済安定成長期が終えんし、バブルが崩壊。その後は「失われた20年」と呼ばれる低成長期に大半が重なる。

 平成の願いと逆行するように本県における公共事業費も、景気後退を危惧して財政出動した国の施策に加え、那須水害への復旧費が重なった平成10~11年度がピーク。東日本建設業保証栃木支店がまとめた県内公共工事動向による請負金額は、10年度の3495億5500万円をピークに減少を続け、28年度には約44.7%の1562億9100万円となった。県土整備部の当初予算も、約1900億円を計上した11年度がピークとし、民主党政権終期と未来開拓プログラムの最終年度が重なった25年度は38%の約720億円まで減少している。

 人口減少や少子高齢化は、社会保障の行く末に暗雲をもたらし、多額の建設国債を発行してきた公共事業費の縮減と消費税率アップの議論につながる。全国で沸き起こった大型建設事業の代表格であるダム事業の中止。17年10月には高速道路建設の担い手だった道路公団の廃止と分社化による民営化は、その後に続く道路特定財源の一般財源化の呼び水となった。

 消費税が3%から5%に増税された9年、そして5%から8%に上がった26年4月からしばらくは、景気停滞が続いた。低成長期には、かつて景気浮揚策の手法として定着していた公共事業の旗振り役は消沈。しかし、毎年のように全国で頻発する地震や豪雨災害への備えに老朽化するインフラの長寿命化対策と相まって、公共事業の重要性が見直されてきた。

 28年8月には、凍結が解除された思川開発事業の再開が決まり、29年11月には国道4号矢板大田原バイパス8km区間の素案がまとまり、都市計画決定に向けた手続きが開始された。32年の東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致を見据え、34年の国民体育大会のメイン会場となる宇都宮市の総合運動公園では総合スポーツゾーン整備が本格化を迎えている。

 平成年間も今上天皇の退位により、残すところ1年4カ月。激動の平成を振り返りながら、未来への扉を開き、地方創生を促進し、安全・安心と利便性を担保する公共事業の姿を再考したい。

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 上の写真は、足利市の一般県道名草小俣線の小俣立体。JR線を跨ぐ上部工の発注により、31年度の開通後は通行の安全性とともに、一級河川小俣川とJR両毛線で分断されていた南北の交流促進が期待されている。右の写真は、県庁で行われた国道4号矢板大田原バイパスの都市計画決定に向けた国と県の手交式と鹿沼市の一般県道板荷引田線松坂トンネルの開通式。同トンネルは思川開発事業で建設される南摩ダムへの工事用道路の確保を兼ねて整備された。左下の写真(鹿島建設提供)は、総合スポーツゾーンに整備を進めている新スタジアム

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