本県の基幹管路耐震33.0% 厚労省の28年度水道耐震化状況 事業者間に格差顕著 浄水、配水池も全国下回る

[2018/1/10 栃木版]
 厚生労働省は、28年度末における水道事業の耐震化状況をまとめ、本県の基幹管路の耐震適合率は全国平均38.7%を下回る33.0%、地震時に継ぎ目の接合部分が離脱しない構造の耐震管の割合に至っては7.9%と群馬県と同じ全国最下位(全国平均24.4%)となった。また、本県の浄水施設は、統合事業などに合わせ更新した自治体も多かったものの、近年は伸びが鈍化し全国平均の27.9%に届かない22.7%。緊急性に応じ個々に改修している配水池の耐震化も、全国平均53.3%に及ばない34.0%に止まっている。近年頻発する大地震や豪雨被害による配水管が布設された道路の欠損。特に東日本大震災や27年9月豪雨により、本県自治体の水道施設も被災。安全性を担保するうえでも、今後一層の耐震化対策が重要視されそうだ。

 基幹管路の耐震適合率は、直下型地震に対し継ぎ目が外れないNS型やK型ダクタイル鋳鉄管の採用とともに、良好な地盤に布設され一般的には震度6強程度の揺れに耐えられる主要水道管について、総延長に占める耐震適合管の割合を示したもの。水道の配水管は、配水ネットワークの基幹となり給水管を分岐しない配水本管と、事業所や各家庭などに給水する配水支管で構成する。基幹管路は配水本管に加え、水源と浄水場を結ぶ導水管、浄水場から配水池に移送する送水管を加えたものとしている。

 給水人口が5万人を超える大臣認可の上水道事業で本県自治体の基幹管路の耐震適合率を見ると、芳賀・益子・市貝の3町で構成する芳賀中部上水道企業団が98.8%と最も高い。次いで、小山市59.8%、真岡市57.6%が半数を超えた。中心市街地を主体に老朽管の更新を推進している宇都宮市は49.3%となった。耐震性の低い石綿セメント管の布設替えを継続的に進めてきた日光市(旧今市市)が32.1%、鹿沼市25.3%となった。基幹管路が延べ100kmを超える那須塩原市は、石綿セメント管を始め老朽管の更新を継続的に進めており27.2%となったほか、3市町村の合併後統合事業を推進してきた大田原市が46.2%と大幅に伸ばしており、これらの事業者の中では最も伸び率が高い。

 一方、耐震管の割合では那須塩原市が平均を上回る25.2%のほかは1桁台あるいは0となっており、埋立地など軟弱地盤の少ない本県の特性が裏付けられた形となった。

 大臣認可事業のうち複数自治体に供給する県の水道用水供給事業では、北那須の基幹管路の耐震適合率が66.4%、鬼怒水道33.0%と全国平均の38.7%を北那須で上回っている。

 また、本県における配水池の耐震化率は、前年度比0.4%増の34.0%。市町村合併を経て、簡易水道や上水道の統合を推進してきた自治体が多かったものの、一段落し伸びは鈍化している。浄水施設のうち主要構造物の沈でん池やろ過池の耐震化状況については、全国40.8%の半分に満たない19.3%となった。

 全国における浄水施設の耐震化率は27.9%。浄水施設は施設の全面更新時に耐震化が行われる場合が多く、基幹管路や配水池に比べ耐震化が進んでいない状況。市町村合併後、浄水・配水施設の更新や新設などの設備投資が行われたため、浄水施設における本県の耐震化率が全国平均から5.2%減の22.7%と小差となっているのも同様の理由からと思われる。

 国は、南海トラフ地震や首都直下地震など、発生が想定される大規模地震災害に対し、水道を含めた強靭な国づくりに関する取組みとして、国土強靭化基本計画と国土強靭化アクションプラン2017を策定。水道施設については、基幹管路の耐震適合率を平成34年度末までに50%以上に引き上げる目標を掲げた。

 同省では水道事業者の耐震化の取組みを支援するため、全国の水道事業者における策定事例や東日本大震災の状況等も踏まえて「水道の耐震化計画等策定指針」の実用面を重視した改定を行い、27年6月に公表した。耐震化の進んでいない事業者に対し29年度は、生活基盤施設耐震化等交付金329億円を予算化。同指針の普及とともに耐震化に特化した事業の実施に努めていくとした。

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