来月中にもプロポ公募 泉町再開発施設建築物 施工予定者選定で ECI方式導入し技術提案反映(水戸市)

[2018/1/11 茨城版]
 水戸市は、泉町1丁目北地区第一種市街地再開発事業に係る施設建築物建設工事の発注方式を再開発組合の意向も踏まえて検討した結果、実施設計段階から施工予定者の技術提案などを設計に反映させるECI方式を導入することとした。計画する施設建築物は混構造建築物で技術的難易度が高く、また大量の大断面集成材の安定的な調達が求められるなどの特徴があることから、ECI方式により実施設計の段階で施工予定者を選定することで、品質管理や工程管理、コスト管理の面での効果を期待する。現在は施工予定者選定にかかる要項の作成などを進めており、2月中に公募型プロポーザルを公告して5月末にも施工予定者を決定する見通しだ。

 再開発事業の施設建築物実施設計は9月頃の完了を目指し、再開発組合が伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所JVに委託して業務を進めている。新市民会館のオープンは34年9月としているが、多くの市民から一日も早いオープンが期待されていることから、市は工程短縮の工夫とともにコスト縮減に努めることとし、施設建築物の特徴を踏まえてより適した建設工事の発注方式について、組合の意向を踏まえながら検討した。

 発注方式は、一般的な設計と施工を分離して発注する方式(従来方式)と、実施設計段階から施工性などに関する施工予定者からの技術提案を設計に反映させることで工程管理やコスト管理などの精度を高められる方式(ECI方式)の、それぞれの方式についてメリット・デメリットを比較検討。建設工事の潜在的なリスクをできる限り低減するとともに、工程管理やコスト管理などを適切に行うため、より有利な方式を導入することとし、その結果、今回の施設建築物建設工事ではECI方式を導入することとした。

 ECI方式によって、効果が期待できるのは主に次の4点。まず、この施設建築物は耐火木材、鉄筋コンクリート、鉄骨の混構造建築物で技術的難易度が高い工事となるが、これらの施工のノウハウを有する施工予定者が設計に参画することで品質、工程およびコスト面でより合理的な設計が可能となると期待できる。

 また、限られた工事ヤードの中で工程短縮やコスト縮減を実現するためには、現場施工と工場製作の最適な組合せや異なる構造体(耐火木材、鉄筋コンクリートおよび鉄骨)の適切な配置が重要となるが、早い段階から施工予定者が実施設計に参画することで実際の施工を踏まえた施工計画や構造検討が可能となり、工程やコスト面でより合理的な設計が可能となる。

 さらに、この施設建築物は大断面の集成材を構造体として大量に使用する予定であり、品質が確保された大量の資材を調達するためには多くの時間を要するが、実施設計の段階で施工予定者を選定することで資材調達の準備を早い段階から行うことが可能となり、工程上のリスクを低減することができる。

 加えて、従来方式の場合は入札不調が発生すると設計見直しおよび再度の入札手続きなどに時間を要することになるが、ECI方式は施工予定者の技術提案などを実施設計に反映させることで設計価格と実勢価格の乖離を抑え、入札不調のリスクを低減することができるとしている。

 従来方式で計画していたスケジュールは、本年9月末に実施設計を完了させて権利変換の計画認可取得後、工事発注手続きを経て31年3月にも既存建物の解体工事から着工する。本体工事は同12月から着工し、27カ月の工期で施工。34年2月末に竣工し、開館準備を経て同9月のオープンとしている。しかしながら、入札不調が発生すると実施設計の見直しなどが必要になり、状況によっては消費税増税の影響を受ける可能性もある。

 一方、ECI方式での想定は本年5月末にも施工予定者を決定し、技術提案を反映させて実施設計を調整することから設計の完了はやや伸びる可能性があるものの、引き続き施工予定者と価格交渉して契約という運びになるため工事発注手続きが不要となり、解体工事の着工時期は従来方式と変わらない見込み。さらに本体建築工事も工程短縮の可能性があるため、従来方式よりも前にオープンできる可能性が見込める。

 なお、施工予定者は高度な施工能力が求められるためゼネコンに限られるが、JV組成を条件とすることで地元企業の参画を可能となるほか、施工予定者選定時の評価項目に下請業者の地元企業活用提案を設けることで、他業種の地元企業の参画機会の確保を可能にするなど検討している。

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