本県の利用率は70.4% 公立学校の木材利用状況 27棟中19棟で使用(文科省)

[2018/1/31 茨城版]
 文部科学省ではこのほど、28年度の公立学校施設における木材の利用状況をまとめた。それによると、28年度に新しく建築された学校施設960棟のうち、全体の67.2%に当たる645棟で木材が使用された。内訳は、木造施設が207棟(21.6%)、非木造施設のうち内装木質化を実施した施設が438棟(45.6%)となっている。本県では、27棟のうち19棟で木材が使用されており、木材利用率は70.4%に達している。

 この調査は、全国の公立学校施設(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)を対象に行われ、▽木造施設の整備状況及び非木造施設における内装木質化の状況▽木の学校の木材使用量──について調べている。

 調査結果によると、木造施設207棟の内訳は教室や遊戯室などが73棟、屋内運動場が14棟、武道場が5棟、寄宿舎が3棟、その他が112棟(倉庫、屋外便所、器具室、部室など)となった。また、使用木材量では5万7929立方mの木材が使用され、このうち2万3123立方m(39.9%)が木造施設に、3万4807立方m(60.1%)が非木造施設の内装木質化などに使用されている。

 本県の状況を見ると、木材を使用した19棟の内訳は木材施設が5棟、内装木質化が14棟となっている。木材使用量は1330立方mで、このうち国産材は621立方mとなった。内訳は、木材施設が383立方m(国産材230立方m)、非木造施設の内装木質化が947立方m(国産材390立方m)だった。

 本県で木材利用100%となった施設は、▽笠間市立いなだこども園(延べ1329平方m)▽牛久市立下根中学校(延べ579平方m)▽大洗町立南小学校倉庫(延べ60平方m)▽大洗町立南中学校倉庫(延べ73平方m)▽大洗町立南中学校(延べ60平方m)──の5棟。また、内装を木質化した14棟の内訳は、教室や遊戯室などが10棟、屋内運動場が4棟だった。

 このうち、牛久市の下根中学校では生徒数増加に伴う仮設校舎の新設工事を木造で行った。同市では30年度に着工予定のひたち野うしく中学校(仮称)建設事業でも、校舎棟(延べ約6000平方m)で木造による整備が計画されている。

 木材は、建築物の部材として柔らかで温かみのある感触を与えたり、室内の湿度変化を緩和させ快適性を高めるなどの優れた性質があると言われる。学校施設への木材活用は、豊かな教育環境づくりを進める上で大きな効果が期待できる。学校施設への木材利用の主な効果と意義として▽学習環境の改善▽地場産業の活性化▽地球環境の保全▽地域の風土や文化への調和──などを挙げる。文科省では、木造校舎の整備や内装の木質化に対する国庫補助や木の学校づくり先導事業、木材を活用した学校施設に関する講習会の開催、学校施設へ木材を活用するための手引書及びパンフレットの作成・配布、木造校舎の構造設計標準(JIS A 3301)の改正、木材利用促進に関する通知の発出──などに取り組んでいる。

 一方、木材の活用にあたっては、建築コストや維持管理の手間、防火上の対策などへの懸念の声が聞かれ、地方公共団体としての木材利用推進体制の充実や地域材の供給・流通システムなども課題となっている。これらの課題を解決するためには、建築方法、木材の調達方法等の工夫や各事業に適した補助制度の活用が必要となってくる。今後は、地方公共団体の計画に対応した公立学校施設整備費の確保や、木材を活用した学校施設の実証的研究(木の学校づくり先導事業)、関係省庁と連携を図りながら、講習会など様々な機会をとらえて木材を活用した学校施設づくりを普及・啓発などを進めていくとしている。

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