29年度大規模小売店舗届出状況 新設12店で増加基調 中心市街地やバイパス沿道(県経営支援課)

[2018/2/8 栃木版]
 県は大規模小売店舗立地法に基づく届出状況をまとめ、新設店舗は27年度から1桁台に減少したものの、今年度は12月末までに12件と増加基調で推移している。一方、増床や駐車台数増など既存店舗の改装等は東日本大震災以降の24年度から2桁台を維持してきたが、8件と1桁台に減少、今年度は増床の該当はなかった。中心市街地における敷地の課題や建設資材の高騰に加え、26年4月の消費税増税の影響で個人消費が伸び悩み出店が抑制されていたものの、堅調な景気動向を背景に鉄道駅に至近な中心市街地や道路整備等による交通環境の変化で利便性を増した地区への出店が目立つ。

 大規模小売店舗立地法は、店舗面積が1000平方mを超える商業施設を対象に所管の県や市に届出を義務化した制度。店舗進出に伴い駐車場整備等の交通環境や騒音、廃棄物保管施設の設置など周辺環境への配慮を求めている。法制化以降、本県の新設店舗の届出件数は213件を数え、年間平均の立地件数は約11件と試算できる。

 国は平成10年、中心市街地の空洞化対策を目的に、地域の実情を反映したまちづくりを目指すため、中心市街地活性化法、大店立地法、都市計画法のいわゆるまちづくり3法を制定した。しかし、商業地域・近隣商業地以外の準工業地域・工業地域、準住居地域等にも床面積3000平方mを超える大型店が立地できるなど、郊外進出を促進する形となり、都市計画法による大規模店の立地調整機能が弱い点が指摘された。

 国はまちづくり3法を改正し、19年11月30日に施行。用途に応じ立地できる店舗面積に制限を加え郊外型進出等を抑制したほか、開発許可を不要としてきた公共公益施設(社会福祉施設・医療施設・役場庁舎・学校など)の建築についても開発許可の対象とした。

 制度が変わった19年度の本県の届出件数は17件と、過去10年間で26年度に次ぐ2番目に多い数字となっている。制度変更に伴う駆け込み需要とされ、その後の2年間はリーマンショックの影響を受け1桁台で推移。届出制度が人口7万5000人以上の市に権限移譲された22年度以降は2桁台に回復している。

 26年4月には消費税が8%に増税。景気は緩やかな回復基調に移行してきたものの、企業の内部留保で購買の中心となる個人所得が増えずに大規模店も新設に比べ、改装等の増加が目立つ結果となった。

 大規模店は交通利便性に優れ駐車台数の確保など、一定規模の用地が必要となるため、郊外型の土地区画整理事業地の保留地などに進出するケースが多く、19年度以前は顕著に見られた。

 また、店舗面積1万平方mを超える大型店は、宇都宮市で13年度のFKD(福田屋百貨店)と16年度のジョイフル本田、19年度の足利市のビバモール-などいずれも19年度以前となっている。

 大規模店舗進出に伴う敷地面積は駐車場や付帯施設などを確保するため業態に応じ規模が異なり、店舗面積に掛ける係数はホームセンター、総合スーパー、その他の商業施設の順に大きくなる。

 今年度は12月末までに12件が届出を完了。総合スーパーや複合店舗を主体に、最も規模が大きいのがコメリパワー鹿沼店(鹿沼市)の9207平方m。同店を除く11店舗は、1000平方m超~3000平方m未満の規模となっている。

 立地はバイパス整備などにより交通利便性に恵まれた幹線道路沿いや、基盤整備により一定区画が確保された土地区画整理事業の保留地に進出するケースが多い。一方で、少子高齢化を見据えコンパクトシティをまちづくりの基本指針に据える市町村が増加しており、中心市街地に出店が回帰していく傾向が見られるようになった。

 29年度新設の出店傾向は、12件のうち栃木市の倭町複合店が栃木駅、鹿沼市のヨークベニマル鹿沼上殿店は新鹿沼駅、那須塩原南町計画では西那須野駅といった鉄道駅に至近な中心市街地等が10件を占めたほか、ケーズデンキ鹿沼店は3月に開通を控える主要地方道宇都宮鹿沼線バイパス、ツルハドラッグ日光板橋店は国道121号板橋バイパス沿道など、交通利便性を背景に商圏の獲得を目指す。

 届出制度にしている背景について県経営支援課は、大規模店のオーナーは経営戦略により売上の見込める商圏を設定。コストバランスなどを考慮し用地は借地や取得など店舗によって異なるものの、自主的な出店を妨げるものではなく、騒音対策や廃棄物保管施設の設置などといった生活環境に悪影響がある場合、3000平方m超の店舗を対象に審議会に諮問。罰則の規定は原則無いとしているものの、改善されないと判断されると、勧告・公表などの措置を講じるとしている。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.