10事業の継続「妥当」 県公共事業再評価委 B/C以外も評価必要

[2018/2/10 茨城版]
 県公共事業再評価委員会(委員長・佐藤政良筑波大学名誉教授)は6日、県庁庁議室で本年度の委員会を開き、国道118号那珂大宮バイパスなど10事業の再評価を実施した。審議の結果、委員からは「この先、事業の効率性を基準とした評価は厳しくなる」といった声があがり、執行部に対して早急な事業完了に努めるほか、貨幣化できない効果に対する評価、あるいは各事業の範囲を超えて全県的な視点で評価する必要性を指摘したうえで、全ての事業の継続を「妥当」と判断した。

 議事を前に、齋藤章理事兼政策審議監は「厳しい財政状況の中、公共事業の執行に一層の効率化・重点化が求められている」とし、「社会情勢の変化や投資効果の観点から再評価し見直すことが重要で、この委員会でも10年度から昨年度までに354事業を審議し、緒川ダムなど29件で中止や見直しを行った」と説明。「今回も忌憚のない意見をいただいて、事業の選択と集中を図っていく」とあいさつした。

 審議に先立ち、報告事項として過去の公共事業再評価における事業費の増額要因について報告。20年度から28年度で実施した再評価事業は道路・街路が60件、区画整理や港湾、下水道などが43件の全103件で、道路・街路事業はこのうち19件が増額となった。

 この19件の増額の要因は、その約半数が軟弱地盤に伴う地盤改良によるもので、4分の1が計画の変更や見直しによるもの。これには委員から、事前の調査や事業実施の判断に疑問が呈され、また選択と集中による事業の早期完了を求める意見も出た。

 今回審議の対象となった事業は、地方道路整備事業の7事業、街路改良事業の2事業、および港湾整備事業1事業の計10事業。地方道路整備事業は、国道118号那珂大宮バイパス、国道354号土浦バイパス、国道354号谷田部東拡幅、国道461号水府里美拡幅、主要地方道日立いわき線バイパス、同野田牛久線バイパス、およびつくば野田線の7件を審議した。

 いずれの事業も事業長期化の要因に用地交渉の難航を挙げ、同様の理由で完成年度を延長する。また、那珂大宮バイパスは法面対策や軟弱地盤対策、埋蔵文化財調査など、土浦バイパスは地盤改良工事など、水府里美拡幅はトンネル補助工法の増加など、日立いわき線は法面対策や軟弱地盤対策などで、それぞれ当初計画の事業費を増額する。

 今後の見通しは、土浦バイパスが32年度までの4車線化整備完了を目指すほか、日立いわき線バイパスは31年度、野田牛久線バイパスとつくば野田線は35年度の全線供用を目指す。また、谷田部東拡幅は大角豆交差点付近から整備を進め、水府里美拡幅は30年度に北沢トンネル(仮称)の工事に着手。那珂大宮バイパスも優先区間の早期供用を図る。

 委員からは、水府里美拡幅の費用対効果が1.06、つくば野田線が1.02となっていると指摘を受けた。事業が長期化するほど費用が増加することから、今後1を切る事業が出てくることを危惧し、「効率性だけで判断すると、県北の事業には投資しなくてもよくなる。県土の均衡した発展など、貨幣化できない効果についても評価されるよう、主な効果として強調すべき」などの意見が出された。

 街路事業は、宍塚大岩田線と石下駅中沼線の都市計画道路2路線を審議した。宍塚大岩田線は用地交渉の難航で、石下駅中沼線は関東・東北豪雨の被災の影響と復興計画を踏まえたまちづくりの検討で、事業期間を延長する。今後の見通しは、宍塚大岩田線が高津橋架け替えや道路改良工事を実施して32年度末の供用開始を、石下駅中沼線も31年度までに残る用地を取得して34年度末の全線供用を図る考えを示した。

 茨城港日立港区の外港地区沖防波堤整備事業は、東日本大震災からの復旧を優先させたため改修事業の予算が抑制されたことから、完成年度を32年度まで4年間延長する。事業費も震災復旧による資材単価の上昇や、近年の荒天実績を反映した供用係数の見直しで増加するが、32年度の完成を目指して事業を継続する方針を説明した。

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