30年度から建設開始 高度浄水処理施設 近く認可取得の見込み(県企業局)

[2018/2/22 茨城版]
 県企業局は、有効性を確認してきた2つの新しい高度浄水処理技術の十分な効果が実証できたことから、霞ヶ浦浄水場へ早期に新技術を導入する。現在、厚生労働省への認可申請を行っており、年度内に認可が取得出来る見込み。認可取得後は高度浄水処理施設の実施設計を行い、30年度から建設工事に着手して33年度の供用開始を目指す。

 霞ヶ浦を水源とする企業局の浄水場では、従来より厳しくなった水質基準への対応や原水の水質変化で、浄水処理費用が年々上昇している。このため、民間企業との共同研究で得られた、効率的・安定的な処理が期待できる国内初の新しい高度浄水処理技術について、霞ヶ浦浄水場で26年12月から27年11月までの1年間、実証実験を実施してきた。

 実証実験の内容は、かび臭物質の除去のための「オゾンと過酸化水素を使用した促進酸化処理」と、溶解性有機物の除去のための「帯磁性イオン交換樹脂処理」の2つの新技術。「オゾンと過酸化水素を使用した促進酸化処理」は原水のかび臭物質を企業局の管理目標である1リットル当たり5ナノグラム以下(水質基準は10ナノグラム以下)に除去するもので、「帯磁性イオン交換樹脂処理」は発がん性が疑われているトリハロメタンの原因である溶解性有機物を安定的に除去するものとなる。

 この実験結果を、外部有識者を含めた評価委員会で26年12月から28年3月にかけて4回の委員会を開催し、評価・検証した。その結果、冬季に発生する高濃度のかび臭物質や、夏季に濃度が高くなるトリハロメタンの原因物質である溶解性有機物を安定的に除去できることが確認された。

 新しい高度処理技術を導入した浄水処理の流れは、まず原水を「帯磁性イオン交換樹脂処理」で処理した後、凝集沈殿や砂ろ過を経て「オゾンと過酸化水素を使用した促進酸化処理」にかける。その処理水を、活性炭や砂ろ過を通して浄水にする。これらの新しい技術で、より安定した浄水処理と同時にかび臭物質やトリハロメタンの除去に使用する活性炭の長寿命化が図られ、活性炭再生費などの維持管理費用を大幅に低減することが可能となると見込まれる。

 県企業局は、本年度末までに厚生労働省から事業認可を取得したあと、新しい高度浄水処理施設の実施設計を行い、30年度から3カ年かけて建設工事を実施して、33年度の供用開始を目指す考え。また、効率的な運転条件を確立するための検証実験も引き続き実施していく。

 新しい高度浄水処理技術をめぐっては、19-20年度に霞ヶ浦でかび臭の原因や浄水処理の障害となる藻類が長期間大量に発生したため、21-23年度に浄水処理手法改善の取り組みとして、民間企業6者と共同研究を実施した。24年度には共同研究の成果から2つの新しい高度浄水処理技術を選定し、実用化に向けた取り組みを開始している。26年度からは、新しい高度浄水処理技術の実証実験に着手して、現在も実験を継続中。27年度には評価委員会の提言を受けて、新しい高度浄水処理の導入を決定した。

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