鬼怒川緊急対策に92億円 30年度事業概要 リバースポットの整備着手(下館河川事務所)

[2018/4/12 茨城版]
 国土交通省下館河川事務所(里村真吾所長)は、30年度の事業概要を明らかにした。事業費は、治水と環境整備、維持管理など総額122億2900万円で、前年度当初(115億1300万円)から6.2%の増額となった。主な事業は、鬼怒川緊急対策プロジェクトを引き続き進めるほか、鬼怒川や小貝川で河川改修工事を実施し、安全・安心に取り組む。

 30年度は、鬼怒川で鬼怒川緊急対策プロジェクトや上流部の水衝部対策、堤防整備にあわせたリバースポットの整備を予定するとともに、小貝川では堤防の高さや幅が足りない区間の堤防整備などを行う。

 河川別の事業費は、鬼怒川が前年度比7.7%増の106億8700万円、小貝川が3%減の15億4200万円。このうち、鬼怒川緊急対策プロジェクトには河川激甚災害特別緊急対策事業費80億1100万円、河川大規模災害関連事業費12億1200万円の総額92億2300万円を確保した。このほか、河川改修費には11億9100万円、河川維持修繕費には16億6400万円、河川工作物関連応急対策事業費には8700万円、総合水系環境整備事業費には6400万円を投じる。

 主な事業のうち、鬼怒川緊急対策プロジェクトは甚大な被害を受けた鬼怒川下流域を対象に「水防災意識社会」の再構築を目指しており、国と県、鬼怒川流域7市町が主体となってハードとソフトが一体となった緊急的な治水対策を進めている。ハード対策は、32年度までの6年間に約600億円(国直轄事業は580億円)を投じ、決壊箇所の堤防整備や漏水対策、かさ上げや拡幅などの堤防整備、河道掘削などを実施する。

 本年度は用地取得や家屋などの補償を実施するとともに、堤防整備、樋管改築などを実施する。また、堤防整備などとあわせて水位低減を目的とした河道掘削を行う。2日に公表された発注予定によると、豊坂排水樋管改築工事や鴻巣排水樋管改築工事などのWTO対象工事3件が予定され、いずれも第2四半期に発注する計画だ。

 小貝川では、河川改修費に5億6800万円を確保して河川改修事業を進める。この事業では、昭和61年に取手市やつくばみらい市などの市街地を流下する河川で堤防が決壊するなど甚大な被害が発生したことから、堤防断面不足箇所の堤防の嵩上げや拡幅などによる河川改修を行って治水安全度の向上を図る。本年度は取手市新川地区を対象に、樋管の改築とあわせた堤防整備を行う。

 また、堤防整備にあわせたリバースポットの整備を計画し、鬼怒川・小貝川における良好な景観や安全な水辺へのアクセスなどを有する拠点を整備する。国交省では、河川管理用道路や鬼怒川の改修と併せて整備する工事用道路などをサイクリングロードとして活用する「かわまちづくり計画」を進めており、29年度に堤防整備が完成した常総市上三坂や下妻市前河原でリバースポットを整備し、良好な水辺空間を創出する。常総市や下妻市では、リバースポット内に案内板やベンチなどを整備していく計画だ。

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