鹿島港国際ターミナルに44億円 30年度事業概要 常陸那珂港区は防波堤や岸壁など(鹿島港湾・空港事務所)

[2018/4/28 茨城版]
 国土交通省鹿島港湾・空港整備事務所(中嶋義全所長)はこのほど、30年度の事業概要をまとめた。本年度の事業費には、復興庁予算として鹿島港外港地区国際物流ターミナル整備事業に44億1000万円、茨城港常陸那珂港区外港地区国際海上コンテナターミナル等整備事業に9億1000万円などを予算化したほか、茨城港常陸那珂港区国際物流ターミナル整備事業では9億3000万円を確保した。鹿島港では新たな国際物流ターミナルの整備に向けた防波堤(南)のケーソン据付などを行い、茨城港常陸那珂港区では防波堤(東)のケーソン据付や中央ふ頭地区で29年度に着工した第2バース(水深12m)の岸壁整備などを進めていく。

 鹿島港は、石油化学や製鉄関連企業群を要する鹿島臨海工業地帯の原材料や海上輸送基地として発展。近年では木材関連工場も進出し、23年度には穀物供給を目的とした国際バルク戦略港湾に認定された。国内最大級のコンビナートの海上輸送基地となっており、増加する外貿貨物に対応する公共岸壁の整備が急がれるほか、震災の教訓を踏まえた大規模地震発生後の緊急物資輸送の確保や、物流維持に向けた耐震強化岸壁の整備も求められている。

 現在進めている外港地区の国際物流ターミナルでは、近年の外貿増加と輸送船の大型化に対応するため、大規模地震にも耐えうる耐震岸壁(水深14m)などを整備する。防波堤の延伸で外港地区と港内の静穏度が向上して、船舶の安全航行と岸壁での荷役作業の効率性向上が期待されるほか、耐震性確保により大規模地震発生後の輸送拠点として機能も期待されている。また、国際物流ターミナルを整備することで、大型船による海上輸送コストの削減などが可能となる。

 30年度は、航路・泊地(水深14m)で8万5900立方mのグラブ浚渫や泊地(水深14m)で4100立方mのグラブ浚渫を、防波堤(中央、延長900m)では長周期波対策施設整備(延長100m)や151mの潜堤(捨石投入)を、防波堤(南、延長1210m)ではケーソン据付(4函)やケーソン製作(陸上4個、海上4個)、基礎工2万9600立方mなどを予定する。このうち、第2四半期に発注が予定されている南防波堤築造工事はWTO対象工事で、基礎工やケーソン据付工などを実施する。工期は約19カ月間を見込む。

 茨城港常陸那珂港区では、背後圏の北関東地域(茨城・群馬・栃木)が首都圏の製造業の拠点として工場立地が進展し、域内などの生産・消費活動の拡大に伴い常陸那珂港区を利用する海上輸送需要が増大。北関東自動車道などの広域道路ネットワークとの良好なアクセスを活かして背後圏と国内外とを結ぶ新たな物流拠点として、コンテナ貨物やRORO貨物の効率的な輸送に対応する国際海上コンテナターミナルや国際物流ターミナルを整備している。

 外港地区の国際海上コンテナターミナルの整備では、防波堤延伸で港内の静穏が保たれることで岸壁での荷役作業効率が向上するほか、コンテナなどの取扱能力の向上、利用促進による効率的な海上輸送などを狙いとする。本年度は、防波堤(東)でケーソン据付(函)や基礎工(7800立方m)、仮設桟台下部工などを実施する。

 国際物流ターミナルでは、28年4月に1バース目の耐震強化岸壁(水深12m)が完成し、本年2月にはその東側に設置する2バース目の岸壁(水深12m)整備へ起工式が行われた。中央ふ頭地区では、後背地にある日立建機やコマツなど、世界的な建設機械の需要拡大に伴う外貿RORO貨物増大への対応や、大規模地震への耐震性確保などを目的に岸壁整備が進められている。

 第2バースは、さらなる物流の拡大に対応するためもので、第1バースの東側に延長270mで接続される。第1バースに耐震性が確保されているため、通常の岸壁構造を採用した。工事は30年度から本格化し、さらに県も国の整備に合わせて岸壁の後背地や東京電力常陸那珂火力発電所の産廃処分場の整備を進めていく。順調に進めば、32年度中の供用開始を見込んでいる。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.