大規模事業に本年度30億円 30-32年度実施計画 共生型の地域社会づくりへ(東海村)

[2018/5/3 茨城版]
 東海村は、第5次総合計画後期基本計画に基づく30年度から32年度までの3カ年実施計画を策定した。総合計画の基本理念である「限りある資源を最大限生かした持続可能なまちづくり」の実現を見据え、これまでさまざまな取り組みを進めてきたが、さらに一歩踏み込んだ「新たな共生型の地域社会づくり」の実現に向けて5つのキーワード(子育て、産業振興、国体、交流館、安全安心)を掲げた。このキーワードを軸に5つの「最重点施策」を設定し、重点かつ優先的に取り組んでいく考えで、30年度は大規模建設事業に約30億円を投じる。

 最重点の5施策は、[1]「誰もが住み続けたいと感じるまち」の実現に向けた子育て支援(子育て)[2]新たな産業創生を見据えた地域経済の活性化(産業振興)[3]「いきいき茨城ゆめ国体2019」と関連施策の推進(国体)[4]「歴史と未来の交流館(仮称)」開館に向けた取り組みの推進(交流館)[5]災害に強いまちづくりを目指した安全安心対策の充実化(安全安心)──となる。

 「子育て」支援は、誰もが住み続けたいと感じるまちの実現で大きな要素のひとつ。安心して子育てができるように、子育て世代を応援する。30年度は村立東海病院と連携した病児・病後児保育の実施に向けた体制の整備や、保育所のおよび学童保育における受け入れ環境の充実化などを行う。

 病児・病後児保育施設は村立東海病院の敷地内に、病院併設型で設置する。施設の規模は平屋の面積約170平方mで、建物内には保育室1室、安静室2室、スタッフ室などを設ける。定員は4人程度で、生後6カ月から小学校6年生までが対象となる。6月までに中建築設計事務所(水戸市)で設計を策定し、まとまり次第、建設工事を実施して31年度の供用開始を目指す。

 「産業振興」は新たな産業創生へのチャレンジで、商工観光や農業振興に向けた取り組みを継続するとともに、雇用の創出を促す。茨城大学大学院キャンパスの誘致、農業者の農業力向上や農業公社の設立に向けた取り組みを行う。

 「国体」は、31年秋の国体開催に向けた取り組みを加速化する。本年秋のプレ大会を間近に控え、ハード・ソフト両面での準備に万全を尽くす。阿漕ヶ浦との一体的な景観形成に配慮したホッケー競技会場周辺整備や、開会式・閉会式会場へのアクセス道路となる東海駅西大通りの再整備を進める。

 村松にある阿漕ヶ浦公園は、茨城国体のホッケー会場として28年度から公園全体の再整備事業を進めている。30年度は3工区の整備工事として、遊具広場に設置してある遊具の更新をはじめ園路整備(延長310m)、国道245号からの進入道路整備(延長170m)、雨水排水整備(延長257m)、付帯施設整備などを実施する。設計は開発計画研究所(水戸市)で策定した。

 また東海駅西大通りの再整備は、国体が開かれる笠松運動公園への玄関口に相応しい駅前の形成を図るため、29年度に西口広場の整備へ着手した。30年度は2期工事として、駅前から交差点までの延長190mの道路整備工事を実施する。歩道を拡幅するとともに、車道の嵩上げを行ってセミフラット化する。さらに屋根付き駐輪場やコインパーキングの整備工事も行う予定だ。

 「交流館」は、歴史と未来の交流館(仮称)開館後の展開を見据えて設計を策定するとともに、開館に向けて具体的な展示活動内容の検討など各種施策に取り組む。また、新たに県指定文化財に登録された石神城跡などの地域資源を活用した「とうかいまるごと博物館」の取り組みを、各種団体と連携して推進する。

 施設はあらゆる世代の遊びや学びの体験型拠点施設とする方針で、3つのテーマごとに構成された「歴史博物館」「子ども未来館」「交流・共有」の活動ゾーンのほか、建物奥には倉庫や収蔵庫、機械室などを配するバックヤードを設ける。建物の規模はRC造平屋一部2階建て(バックヤード部分)で、延べ2364平方mを想定。実施設計は梓設計(東京都品川区)で策定している。建設工事は31-32年度、旧中央公民館の解体工事と駐車場整備工事は33年度に実施し、33年夏ごろの開館を予定する。事業費には約12億円を見込んでいる。

 「安心安心」は、災害に強いまちづくりを目指して安全安心対策の充実化を図る。さまざまな災害に対応した地域の安全対策や、身近な防災拠点の整備などに取り組む。環境省の実証事業を活用して、村内に保管してある除去土壌や除染廃棄物の埋立処分・移設を行うほか、基幹避難所となるコミュニティセンターの駐車場やアクセス道路の整備、老朽化・狭あい化した消防団器具置場の移設や再整備を実施する。

 環境省の実証事業を活用して実施する放射線量低減対策特別緊急事業は、除去土壌の埋立処分に伴う周辺環境への影響確認を行うもの。村内6カ所の公園などに現地保管している除染した除去土壌(約2740立方m)と除染廃棄物(草木類約2500立方m)を、日本原子力研究開発機構敷地内に移設・埋立処分する。除去土壌は埋立処分し、除染廃棄物は仮置き場を設けて保管する考えだ。30年度上期には移設工事など、下期には工事中や工事後の定期的モニタリングを実施して土壌などの管理を開始する。

 実施計画における大規模建設事業の整備計画は、今後公共施設の長寿命化や生活基盤となるインフラの計画的な改修が必要となって多大な財政負担が生じることから、緊急度や重要度などを考慮して策定した。経年劣化や長寿命化に対応するために、財源を平準化しながら計画的に実施していく。

 整備計画は、▽福祉施設▽教育施設▽公園など▽幹線道路・都市計画道路など▽上・下水道▽雨水排水など▽その他施設──に分けてまとめられており、30年度の事業費には、29億9182万円を計上している。

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